「621、ヴェスパー7排除についてなのだが」
「発見時にはボロキレのような状態だったと聞いたが本当か?」
表情を変えることなく621は頷く。
「それについてなのだがアーキバス、そして解放戦線から同じ様な話をされた。」
「『コーラルジェネレータを搭載しているであろう不明機体がヴェスパー7を空中へと拉致していき、数十分後に戻って捨てられた』という内容の報告をされた。」
「コーラルジェネレータを搭載した不明機体、恐らくC兵器だろう。」
「アレの行方は不明だが気を付けろ621、どこでお前を襲ってくるとも限らない。」
「不測の事態を予測しておけ。」
ハンドラー・ウォルターは621にそう言いデブリーフィングを終えた。
「どうしたんだいウォルター。緊急の話とは。」
「俺のあずかり知らないC兵器が確認された。」
「四脚の龍のような体に三角形の翼を持ち、その翼端からブースターを噴射する銀色の機体だそうだ。」
「四脚に、三角形の翼。....私も知らないねえ...。」
「場合によっては友人達の仕事の障害になるかもしれない。」
「そこで、その不明C兵器の調査をお願いしたい。」
「なるほどね。分かったよウォルター。」
「くれぐれも鉢合せた時は逃げるんだ。」
「さて、ひとまずここなら見つかりはしないだろう」
何処か、ちょっとした洞窟に身をひそめる。
「まあ、技研兵器ってことは理解したわ。うん。」
「で、俺がエアと同じコーラル変異波形なのかそれとも別のものなのかは分らんなあ。」
「まあ、それはエアと交信ができるかで判明するでしょ。」
「で、この機体よ。」
「一体何用途のC兵器なんだ?」
「どっかに何か書いてないか?」
CLIの操作、というより念じ方にも慣れてアレコレ閲覧していると、『Project After Fire』という名前のテキストファイルがあった。
「火の後?中身は何だ?」
開くとこの機体の開発経緯なんかを書いたものだった。
「『この機体はコーラル焼却後、カーマンラインに残留すると予測される残留コーラルの焼却と星外からの残留コーラル奪取への要撃を目的としたものである』か。」
「ああ、だからちょっと前に覗いた機載装置一覧にインテークがあって、注意書きに『地上からの離陸及びカーマンライン以下の飛行には開口していないか確認すること』なんて書いてあったのか。」
「コーラル取り込み用なんだからそれ以外を取り込んだら壊れるもんねえ。」
「あと、アイビスの火の後でもメンテナンスや重要な情報を保存しておくためにエディタや兵器にいる?って思うようなファイルが保存されてたりするのか。」
「助かったわー。色々書いてあって。」
「誰がこれ作ったんだろうな。」
そう独り言を喋りながらコーラルの危険性について書かれた部分を下へスクロールすると。
『この機体は極秘事項の為、ここに全記録を保存する。』
『これを読んでくれた者へ。コーラルの完全焼却を成し遂げてほしい。ナガイ』
「これ作ったのお前かい!」
「ここに書くんじゃなくて、どっか見えやすい所に旧型ACごと落としとけよ!深度1の底とかさあ!」
「よりにもよってウォルターの焼却対象にこんなもの置いていきやがって!」
「エアみたいにハッキングできればAMとか惑星封鎖機構のサーバなりに置いていけるけどよ。そんな知識ねーよ!」
実際、AM辺りにハッキングしようと思ったが、そもそもネットワークの発見すらままならなかったので諦めている。
「どうしようか。どっかでウォルターに恩を売れそうな所あったか?」
「あー、テンパってAC6の記憶が出てこねえ。」
何とかして思い出そうと唸っていたが
「...なんかいるなあ。」
「まあ、ステルス機の時点で誰かは分かるんだけども。」
「オールマインドが反応しているなら俺はCパルス変異波形で確定っぽいなあ。」
「接触する気はなさそうだからちょっと置き土産して離れるか。」
「どっかの時点でデータ抜かれて露見しなきゃいいなあ。でもAMだしなあ...」
そう考えながらステルス機へコーラルキャノンを射撃。
見事命中し破壊された。
「勘がいいようですね。まさか予備機を出す羽目になるとは。ゴースト部隊の残数も残り少ない....これは?」
ザコザコオールマインド♡ ゴースト部隊無駄に消耗してる♡
スッラ、イグアス、オキーフいるけど
スッラ以外の手駒やる気無いし目的違うしスッラ死んで詰んでる♡
ビットとミサイルの型番被ってる♡ 諜報以外まるでダメ♡ .....
などと洞窟一面に書かれていた。
なかには オールマインド×TSイグアス推し♡ などと意味不明なことも書いていた。
オールマインドは動揺していた。
「ムカつく文体ですがそれより」
「なぜ、ゴーストの存在と、スッラ、イグアス、オキーフが我々の仲間だということを知っているのでしょうか。」
「あれの存在に関してはセキュリティが一番厳重なはず...」
「あれは...排除しなければ....」