少し時間を遡ること艦隊戦前。
グリッド086の上層、衛星砲狙撃圏内が騒がしい。
それを察知したカーラはフルコースで上層の様子を見に来た。
昇降機のドアが開くと衛星砲の着弾する爆音が響いた。
そして高速で流れる朱い軌跡が一筋。
「まさか...あれが例の....」
「ウォルターに連絡をいれるかね。」
「どうしたカーラ。」
「たった今例の技研兵器がうちら達の頭上をカッとんで行ったよ。」
「なに?衛星砲の狙撃圏内だろう?」
「あいつは軽々と避けてアーレア海の地平に消えた。」
「ザイレムに調査に行かせてるんだっけ?」
「こんな時に.....無事でいてくれ...621」
「はあ、なんとかゆっくり休めそうな所に来れた。」
どこか崩れたグリッド、
その崩れそうで崩れなさそうな足場の一つをまるまる陣取った。
「この体で寝れるか分からんが寝よう」
システムを極力シャットダウンして休息に入った。
「621、調査ご苦労だった。無事で何よりだ。」
ウォルターはそう無線で労いをかける。
「ウォルター」
「どうした621。」
「気を付けろって言ってたアレに会った。」
「なんだと。本当か。」
「でもこっちに攻撃するそぶりはなかった。」
「そうか...ひとまず無事で良かった。」
「あと、オールマインドが封鎖機構の大型攻撃ヘリでこっちに接触してきた。」
「どういうことだ?」
「私を追跡している機体がなんとかって言おうとしたみたいだけど勘違いだって。」
「くさいよね」
「ああ、たしかにきな臭い。」
「封鎖機構の襲撃もあったけどそれは例のアレと一緒に迎撃した。」
「アレはヘリをやってくれた。オールマインドが乗っていたのは引っかかって残ってる。」
「そうか。友人が調査する時に持ち帰って貰おう。」
「しかし、アレの行動原理が分からん。」
「なぜ、621を襲うような事をしなかったのだろうか。」
「分からない。ただこっちに興味がなさそうだった。」
「あ、あと一つ、頭部に破損があったよ。万が一狙われるならそこを狙えば良さそう。」
「お話中ちょっといいかい?」
「カーラ、どうした?」
「ビジターに頼みたいことがあるのさ」
「さてコヨーテスにちょこちょこ絡まれながら待った甲斐があるってものだ。」
今日は花火大会。RaDが3発のどでかいものを打ち上げてくれるって。
「望遠でしか覗けないのが残念だけど仕方ないね。」
「お、あれは621か。主役の登場だ。」
花火大会の前準備が始まった。
「おっ、あれはプラズマかあ。始まる前からサービスしてくれて景気がいいねえ。」
アセンはかろうじて二脚のフルプラズマな事しか分からない。
「ダメージゾーンの紫が綺麗。」
そしてそろそろ終盤かな?と思ったその時封鎖機構の強襲艦が現れた。
が、621にあっさり撃破される。
「始まるぞお。」
3本の花火が軌跡を描きコヨーテスのいるグリッドに着弾。
「たーまやー!」
花火の爆音と輝き、グリッドの崩れる音、落ちる残骸。
それが胸に響いた。
「さあ、終わったしとっとと帰りますかあ」
技研兵器は観客席を後にした。
続けて621は懲罰席の鹵獲阻止ミッションを受けた。
621は何のこともなく戸籍謄本を投げつけ、串刺し、レクイエムを歌って終了。
続く旧宇宙港襲撃ではなぜか強襲艦の代わりにHCやHiMATLC、懲罰席などが大量配備されていた。
流石のアーキバスも単機では辛いだろうとヴェスパー3と6の二人を付けた。
封鎖機構が通信妨害から復帰し、寄越した援軍のHCとHiMATLC二機はヴェスパー3,4,6と621にタコ殴りにされた。
だがこれで終わらない封鎖機構。
「なんだ?!この地響きは!」
「右から来るぞ戦友!」
「なんだ...?」
地面を突き破り姿を現したのは巨大な兵器。
ヴェスパーと621は暴れる中を切り抜け体制を整えたが、
それは何かを思い出したようにすると踵を返し地平へ消えた。
それはアイスワームという封鎖機構が接収した技研兵器であり、
その破壊なくして企業が生きる道はないとのこと。
アーキバスとベイラムはここに協同戦線を張ることを宣言した。