最終回前編です
絵馬に願ひを!の楽曲が登場しますので、よければ聴いてみてください
それではどうぞ!!
「んぅ……?」
重い瞼をこすりながら、私はゆっくりと体を起こす
この前色々とあったから、疲れが溜まっていたのだろう
「そういえば昨日……」
一つ気になったのは、姉さんが私のベッドで一緒に寝ていたことだ
小さい頃はよく一緒に寝ていたのだが、最近は別々になっていたから凄く新鮮な感じだった
「あ、煌……おはよう。」
「おはようございます、よく眠れましたか?」
「うん、今日はライブ頑張ろうね……!」
今日のライブとは、ライブハウスRINGにて行われるRAISE A SUILENとの対バンイベントのことだ
私は琴、姉さんは歌い手として参加することになっている
「リハーサルもありますし、早めに準備しておきましょう。」
「うん、そうだね。」
「あの、姉さん……」
「ん……?」
私はそっと姉さんに抱きつく
伝わってくる熱が、たった一人の姉であることは直ぐに理解できた
「煌もあったかいよ、よしよし……」
「すみません、準備しましょうか。」
「もう少し、お姉ちゃんに甘えてもいいんだよ……?」
「……」
考える間もなく、私は姉さんの言葉に甘えるのだった
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〜ライブハウス、RING〜
私たちが足を運んだのは、決戦の地であるRING
いや、決戦と言ったら大げさかもしれないが、今回はRAISE A SUILENとの対バンでお客さんがいつにも増して多く、メンバーも気合いが入っている
「やぁ、来たね! 高松姉妹!」
「おっはよ〜! 今日のライブ、頑張ろうね!」
「本当に元気ね、数日前まで熱を出していたとは思えないわ。」
「あ、燈ちゃんと煌ちゃんの着替え持ってくるね。」
出迎えてくれたのは、神主さんと歌い手の3人である玲奈さん、星香さん、愛衣さん
3人は既に衣装に着替えており、何やらフリフリな衣装だった
なるほど、多分あの曲での衣装だろう
「バンドの子も全員揃ったことだし、円陣でも組もうか!」
神主さんはメンバーを集めると、円陣を組む
「それじゃ行くよ! HOMURA〜is……」
「Fight!!」
本当にこんな掛け声で、大丈夫でしょうか……?
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※そよ視点
〜ステージ〜
「りっきー観た!? さっきのRASさんのステージ!!」
「観てた、あれが最強を謳うバンドか……」
「おもしれーバンドだった。」
MyGOのベース担当、長崎そよです
今日は燈ちゃんがサポートで出てるバンドのライブを、メンバー全員で観に来たのだけど、どのバンドも凄い実力者ばかりで、特にさっきのRAISE A SUILENはとても惹きこまれるような演奏と雰囲気だった
そして、燈ちゃんたちが出るHOMURAの出番はこの次なのね
「うん……?」
ぞろぞろと出てきたスタッフたちが、装飾やプロジェクターなどの飾り付けを行っている
ライブに関わる演出なのかしら……?
するとそこに、神主さんが現れる
「今日は集まってくれてありがとう、それでは君たちを幻想の世界に誘おう!」
照明が落ちると、琴のイントロと同時に演奏が始まる
ステージに立ったのは、神主さんと燈ちゃんたちボーカル陣だ
♪狼欒大社
『あれ?私が生まれ育ったのは……狼欒大社(ろうらんたいしゃ)?』
歌い出しは、トモリさんが担当している
『死んで往つた意味、生まれて来た意味 (うまれてきたいみ、しんでいったいみ)誰かが願つた《過去と未来の狭間(いま)》八百万(やおよろず)の《伝言(メッサージュ)》、幻奏絵巻(げんそうえまき)第捌.伍、もしくは、第漆.伍 (だいななてんご、もしくは、だいはってんご)の地平線(ちへいせん)絵馬に願ひ(ねがい)を!』
『嗚呼、其処に《…へと至る物語の多様性(ロマン)》は在るのだらうか(あるのだろうか)?』
『掛けまくも畏(かしこ)き狼欒大神(ろうらんおおかみ)の、貴(うず)の大前(おおまえ)に恐(かしこ)み恐(かしこ)みも白(もう)さく、蒙(かうぶ)り奉(まつ)る恩頼(みたまのふゆ)を、尊(とうと)み奉(まつ)り忝(かたじけな)み礼(いや)び奉(まつ)る』
『(ゑ(え)? 何を宣ひ(のたまい)奉(たてまつ)つてんのか解つた? 君つてマジ実(げ)に神社の娘(こ)!? まあ、祝詞(のりと)つて基本かういふ(こういう)ノリだからね。勿論、次の《文節(バース)》には君の出番もあるぞ!)』
私が聴いてて思ったのは、以前と神主さんの歌い方が違うように感じたことだ
それに、一部の歌詞も変えられている
『此処(ここ)なる女(おみな)、タカマツトモリ(たかまつ ともり)、参上(まいのぼ)り来て御前(みまえ)に仕へ(つかえ)奉(まつ)る状(さま)を、愛(めぐ)しと思(おも)ほし給ひ(たまい)父の魂(みたま)を反(かえ)し給へ(たまえ)と恐(かしこ)み恐(かしこ)みも白(もう)す』
『(はゐ(はい)、奏上(そうじょう)終了。さつきのチュートリアルモードでも説明したけど、もう一度御浚ひ(おさらい)しておこうか!)』
『とりき、錬金な《願望|欲望を刺激する(おいしい)》撒き餌(まきえ)で、君が現金な神を広めたら、過ぎた願ひ(ねがい)が叶うは《一か罰かで風説は幸運に偏向(半々でラッキー)》、何処かで誰かが叫び続けてる〜♪』
『(此の想ひ(おもい)、神よ訊き給へ(ききたまえ)!)』
『『『絵馬に願ひ(ねがい)を!』』』
『嗚呼...八百万(やおよろず)の幻想の神々、掛けまくも畏(かしこ)き、狼欒神群(ろうらんしんぐん)〜♪ 解釈で、地平(ちへい)を塗り替え、異なる結末へと〜♪』
ここからはソロパート
キーボードのソロから始まり、バイオリンソロに続く
そしてツインギターによるソロが終わると、ベースとドラムの重低音ソロに繋がるまでは神社と変わりない
そこからの和楽器ソロでは、フレーズが変わっている
『絵馬に願ひ(ねがい)は裏書きすべし、然(さ)れど奉(まつ)るは裏掛けならず、縦でも横でも好きに書くべし、《祈願者の住所(すみか)》と《氏名(そのな)》は忘(わす)るべからず、個人情報、煩(うるさ)き現代、付属シールで其はNO問題』
『(参詣の際は、手水舎スルーするべからずッ!)』
ら、ラップ!?
和楽器テイストの曲にラップを入れてくるなんて……斬新ね
そして、神主さん以外の照明が消える
『フタリでは...狭き細道...ヒトリ消えゆく...定めと知りて...最期(さいご)にキミの...背中を蹴つた...遠い...遠い...記憶...』
そして、背景のスクリーンにメラメラと燃える、小さな炎のエフェクトが表示される
『闇の中でいつも...感じたヒカリ...キミの《鼓動(リズム)》と...母の《歌声(メロディ)》...その呼び名さへ... 終(つい)ぞ知らずに...消えた...誰の...記憶...?』
そして、消えていた照明はここで全て灯火された
『斯(か)くて、天降(あまくだ)る万能の神々、掛け値(かけね)なく賢(かしこ)き、狼欒神群(ろうらんしんぐん)、閃きで因果(いんが)を書き換へ(かえ)、望みの結末へと〜♪ 侭...言の葉(ことのは)の調べを辿(たど)りて、駈け廻(めぐ)る彼処(かしこ)へ、狼欒随神(ろうらんずいじん)、天啓で摂理を捩じ伏せ、救いの結末へと〜♪リンネ∞のハジマリへと〜♪』
『死んで往つた意味、生まれて来た意味 (うまれてきたいみ、しんでいったいみ)誰かが願つた《過去と未来の狭間(いま)》八百万(やおよろず)の《伝言(メッサージュ)》、幻奏絵巻(げんそうえまき)第捌.伍、もしくは、第漆.伍 (だいななてんご、もしくは、だいはってんご)の地平線(ちへいせん)絵馬に願ひ(ねがい)を!』
最後は冒頭のナレーションで収められ、一曲目は終了した
すると、スクリーンに文字が書かれた二枚の石碑が浮かび上がってくる
「猫神社のお祭り……?」
「もう一つには、参道って書いてあるよ?」
左の石碑には猫神社、右の石碑には参道と書かれている
「そよりんはどっちにする?」
「私は参道だから右かな、お祭りは暑苦しいから。」
「私も参道にする。」
「楽奈ちゃんは〜……」
「猫神社!」
「だよね〜! じゃあ私も猫神社の方で!」
燈以外のバンドメンバーは、丁度2:2で分かれてしまった
そしてしばらくの時間が経った頃、左の石碑が赤く光出す
♪秋季例大祭
「ハァ? 何、この信者の数?」
\ねこねこジンジャー/ \ねこねこジンジャー/
\ねこねこジンジャー/ \ねこねこジンジャー/
「何なの? このノリ、もう宗教じゃん?」
\ねこねこジンジャー/ \ねこねこジンジャー/
「...って宗教なんだろうけどさぁ」
\ねこねこジンジャー/ \ねこねこジンジャー/
\ねこねこジンジャー/ \ねこねこジンジャー/
「素人のステージごときで」
\ねこねこジンジャー/ \ねこねこジンジャー/
「あぁぁぁれぇぇっ!?」
\ねこねこジンジャー/ \ねこねこジンジャー/
「【ねこねこジンジャー】 」
\ねこねこジンジャー/ \ねこねこジンジャー/
思っていた曲調とは違っていたのか不満を漏らす人たちも居たが、いつの間にか観客は、この曲の空気感に飲み込まれているようだった
『東西南北 (とうざいなんぼく)、春夏秋冬 (しゅんかしゅうとう)』
\東西南北/ \東西南北/
\春夏秋冬/ \春夏秋冬/
『千客万来(せんきゃくばんらい)、夢幻泡影(むげんほうよう)』
\千客万来/ \千客万来/
\夢幻泡影/ \夢幻泡影/
『嗚呼... 常夜(とこよ)の社(やしろ)に、舞い散る《未来(ゆめ)》は、誰かが【生きたい】と願った、《幻想郷(まほろば)》〜♪』
\MaHoRoBa/ \MaHoRoBa/
歌っているのは、3人の黒猫をモチーフとしたアイドル衣装を着た少女たち
立希ちゃん曰く、その中の一人はクラスメイトらしい
『東奔西走 (とうほうせいそう)、夏炉冬扇 (かろとうせん)』
\東奔西走/ \東奔西走/
\夏炉冬扇/ \夏炉冬扇/
『一日千秋 (いちじつせんしゅう)、孤影悄然 (こえいしょうぜん)』
\一日千秋/ \一日千秋/
\孤影悄然/ \孤影悄然/
『現世(うつしよ)の別れ路で、優しい《子守唄(うた)》を聴いた〜♪ 誰もが【通る】昏(くら)き細道、次は上手くいきますように――』
『ねこねこジンジャー歌うんだ――願ひ(ねがい)よ叶えと祈るんだ――誰も傷つかないように――輪∞廻 仔猫(りんね こねこ) 神社集うんだ――縁(よすが)を手繰(たぐ)って出逢うんだ――誰にも侵されない夜に――――参詣(さんけい)終えたなら、ここで生きればいい!』
\ねこねこジンジャー/ \ねこねこジンジャー/
\ねこねこジンジャー/ \ねこねこジンジャー/
\ねこねこジンジャー/ \ねこねこジンジャー/
\ねこねこジンジャー/ \ねこねこジンジャー/
「もしかしてこれ、燈たちは歌わない感じ?」
「さっきの参道って方が、燈ちゃんたちが歌う曲だったんじゃないかな?」
「はぁ……」
「でも愛音ちゃんと楽奈ちゃん、とっても楽しそうだよ。」
「まぁ……そうだね。」
\ねこねこジンジャー/ \ねこねこジンジャー/
\ねこねこジンジャー/ \ねこねこジンジャー/
\ねこねこジンジャー/ \ねこねこジンジャー/
\ねこねこジンジャー/ \ねこねこジンジャー/
『大願成就(たいがんじょうじゅ)、拍手万雷(はくしゅばんらい)、Yeah!』
『ねこねこジンジャー!!』
そして大歓声に包まれながら、HOMURAのライブは終わりを告げたのだった
狼欒大社のフタリでは…以降の歌詞に、この作品はかなり影響を受けています
秋季例大祭のセリフには、美咲の中の人が参加しておられるのでチェックしてみるといいかもしれません
次回、最終回後編です、お楽しみに!!