今日は祝日だけど、麻弥さんお誕生日おめでとう!!
それなのに、過去一シリアスな回なのごめんなさい!!
※残酷な描写タグが効きまくってる回になります、ご注意下さい
「煌ちゃんだっけ? 琴上手いね!」
「えへへ! ありがとう!」
あれは3年前……小さい頃から習っていた琴
その腕を買われたのか、私は中学の和楽器クラブに入部する事になったのだった
「今日から入部することになった高松煌です、よろしくお願いします!」
「部長の松原舞音です、よろしくね。」
部長の松原先輩は水色の髪の毛をしており、一見女の子のような風貌の男の先輩だった
ちなみに、担当は和太鼓らしい
「それじゃあ、まずは先輩たちの腕前披露といこうか。」
そこから当時3年生の先輩たちによる、自分たちの練習した曲が披露された
よくテレビで聴いていたCM曲だったけど、和のアレンジが効いていて素晴らしいなと感じたのを覚えている
「高松さんも参加してみる?」
「え、いいんですか?」
「勿論だよ、榎戸さん、琴を代わってくれるかい?」
「……はい。」
先程まで琴に触れていた、2年生の榎戸先輩が少し間の置いた返事をして、私と代わった
どうかしたのだろうか?
私はあまり気に留めず、先程の曲を琴で弾いてみせた
「凄い! 入ったばかりなのに綺麗な音だ! 良かったら次の大会予選、琴を弾いてくれないかな!?」
「えっ……!?」
まだ入ったばかりなのに、近々やってくる大会の演奏メンバーとして部長は私を推薦した
それが、ある意味私の悪魔の始まりだったように思えた……
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次の日、私の身の回りで異変は起きた
「あれ? 私の上履き……」
入れ間違えたはずのない、私の上履きがどこかへ消えたのだ
仕方無くその日は、職員室で上履きを忘れた人用にスリッパを借りた
勿論練習にも、スリッパで参加したのだが……
「あっれ〜? 今日上履き忘れたの?」
「はい……どこかへ無くしてしまったみたいで……」
「大会のメンバーに選ばれてる人がそんな態度でどうなのかな〜?」
榎戸先輩は、かなり挑発するかのような態度で私に接してきた
あまりこういう態度で後輩に接するのはどうかと思ったが、人の事なのであまり考えなかった
だが、事件はまだまだ続き……
「きゃっ!?」
学校のトイレに入っていた時、突然上からホースで水をかけられ、全身ずぶ濡れになってしまった
これには、当時一緒に通っていた姉にも心配された
やっぱり、あの時気づくべきだったんだ……
「それで先輩、私に話って……?」
「お前、今度の大会降りろ。」
「えっと……?」
「だから、今度の大会には出ないでって言ってるの!」
突然、榎戸先輩に呼び出されたあの日
私は大会に出るなと同じ琴の先輩から言われ、唖然としてしまった
「で、でも、部長から私は推薦されてて……」
「そこはあたしが何とか言って取り止めるから。」
「でもっ……」
「ごちゃごちゃ言ってないで、早く辞めろよ!!」
「がはっ……!?」
私が言葉を口にしようとした瞬間、榎戸先輩に思い切り腹部を殴られた
あまりの痛みに、私はその場に崩れ落ちる
「はぁはぁ……後から入ってきたくせに偉そうにしやがって、あたしがどんな気持ちか分かってんのかよ!?」
先輩がキレた理由
それは後から入ってきた私に、エースのポジションを奪われたことだったんだ
「早く返事しなよ、まだあたしの言ってる事が分かんないわけ〜!?」
「す、すみません……!」
「謝るのなら誰だって出来るんだよ、あたしから言いたいことは一つ、この和楽器クラブを辞めろ、さもないとお前の家族はただじゃおかない。」
先輩は私の頭を掴みながら、そんな衝撃的な提案をした
早く答えなきゃ……! そうしないと私はこの人に殺される、そんな感情が身体中をよぎった
「わ、分かりました……和楽器クラブを辞めさせていただきます。」
「初めからそう言えばよかったんだよ、あんな嫌がらせもしなくて済んだのにさ。」
先輩の言葉で全てが分かった
上履きが無くなったのも、トイレで水浸しにされたのも先輩の仕業だったのだと
姉さんは部活に入っていなかったから一緒に帰ることはなかったのだが、その日、私はどうやって家に帰ってきたのかよく分からなかった
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これは確実にいじめだ
そう思ってたはずなのに、家族の皆には言えなかった
先輩の言ってた、家族はただじゃおかないと言う発言が怖くて、とても言い出せなかったからだ
「煌……?」
「姉さん……」
そんな中、私の異変に唯一気づいていたのが姉さんだった
「顔色悪い? 今日は学校休んだほうが……」
「大丈夫、テスト前で少し勉強し過ぎただけだから……」
最初は迷惑をかけたくなくて、何も無いようなフリをしていた
「はい。」
「絆創膏……?」
姉さんがくれたのは、よく集めているという海の生き物が描かれた絆創膏だ
今回のは、鮮やかな青色の背景にペンギン1匹……という構図のものだった
「あげる……」
「……ありがとう、学校の準備するからそろそろ戻るね。」
あぁ、なんて姉さんは優しい人なのだろう
この人になら、真実を伝えてもいいのかな……?
そう思いながら、私は不条理が潜む学校へと登校するのだった
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「遅いんだけど。」
「す、すみません……」
「まさか、あたしのこと言いふらしたりしてないよね!?」
「し、してませんしてません……!」
「ならよし、じゃあ部長に直談判しようか。」
何を直談判するのかというと、私の琴の参加を取り止めることだ
「部長〜!」
「どうしたの、榎戸さん。」
「話があるんだよね? 高松さん?」
「え、えっと……私、今回の大会を辞退させていただきたくて……」
「どうして? 高松さんの実力はかなり高いから、出たほうがいいと思うんだけど。」
「こいつが出たくないって言ってるんですからいいじゃないですか〜? 代わりにあたしが出ますよ!」
榎戸先輩は私を突き飛ばすと、部長の前に出た
私は怖くて、声を上げることが出来なかった
「でも、今この予選を突破するには高松さんの力が必要なんだ、だから……」
「だから!! こいつの代わりにあたしが出るって言ってるじゃないですか!?」
「ひっ……!」
「……分かった、考えておく。」
榎戸先輩の勢いに押されたのか、部長は考えておくと返事をしてしまった
きっとこれで良かったんだ
これで、私の家族に危害が及ばないのだから……
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〜数日後〜
「はぁ!? 私は出れない!?」
「もう決まったことだ、これ以上は言わない。」
まさかの榎戸先輩の願いは虚しく、琴の演奏メンバーは私のままになることになった
「何でこんな新入りに任せるんですか……そんなにこいつの方がいいんですか!?」
「そうやって任せたのが過去に居たんだが……まさかこんなに態度が悪い奴になるとは思わなかったよ。」
「っ……!?」
後で知ったことだが、榎戸先輩も一年生の時点でレギュラーメンバーとなっていたが、持ち前の態度の悪さが噂になり、評判はかなり酷かったとのこと
「そうですか……なら、高松と好きなだけやってればいいじゃないですか!!」
「あっ……」
榎戸先輩はそう声を荒げると、部室を出て行ってしまった
「はぁ……高松さん、大丈夫だった?」
「は、はい……」
「あの子の琴の実力は本物なんだけどな、どこで道を間違えちゃったんだか……」
この日の部活は先輩の件もあり、かなり重々しい雰囲気での活動になってしまったのだった
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「はぁ……今日は集中できなかったな……」
あれから、榎戸先輩は部活に来なくなった
部長曰く退部届を顧問の先生に渡したそうで、嫌がらせも起こらなくなった
これで、再び普通の学校生活を送れると思っていたのだが、ここで最大の事件が起きてしまう……
それは、帰り道で姉さんの姿を見かけたことだった
「ねぇ? あたしの事を蹴落としたんだから、覚悟はできてるよね!?」
「あ、あの……人違いです……!」
「あたしを貶めた奴の顔忘れると思ってるの? 調子乗るのもいい加減にしろよ!!」
「きゃっ!!」
私は見てしまった
あの声と話し方は間違いなく榎戸先輩、そしてもう1人は私の姉さんだ
姉さんは榎戸先輩に殴られ、壁のある方に飛ばされた
「この程度じゃ、あたしの怒りは収まらないんだよ!!」
「い、いや……やめてください……!」
「このっ……!」
「やめて〜!!」
気がついた時には、私は榎戸先輩にタックルをしていた
先輩は素っ頓狂な声をあげ、私に吹っ飛ばされる
「は? 何で高松が2人居るわけ……?」
「こっちは燈、私の姉です!!」
「へぇ双子か、私にも見分けつかなかったわ、めんごめんご。」
「っ……!! あなたはそれでも人間ですか!!」
「はぁ……もういい、お前には罰が必要だ。」
榎戸先輩はポケットからカッターナイフを取り出すと、私に目掛けて走ってきた
あぁ、私は終わるのか
そう諦めて、目を閉じたその時だった
「……!! 姉さん!!」
「はぁ!?」
私の目の前に立ち塞がったのは、姉さんだった
二の腕にナイフが突き刺さっており、腕周りが赤く滲んでいる
「く、くそっ……!」
「ま、待て!!」
「煌っ!!」
榎戸先輩を追いかけようとした私を止めたのは、姉さんだった
「姉さんっ……! 何で……!」
「煌、怪我はない……?」
「あ……あっ……」
「良かった……」
既に姉さんの刺された傷口から、ポタポタと血が流れ落ちていた
すると、私の方にゆっくりと姉さんが倒れてきた
「姉さん……? 姉さん!!」
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あの後、急いで救急車を呼び、姉さんは病院へと運ばれた
幸い傷は軽く、2〜3日の入院で済むとのことだった
だが私は申し訳なさで家族とも口を聞けず、ただただ絶望していた、実際、姉さんがこうなってるというのに……
それから和楽器部はあの事件以降廃部になった、これ以上誰も被害者を出したくない学校の方針で決まったのだそうだ
そして先輩……榎戸は姉さんへの傷害罪で警察に逮捕され、学校も退学になったらしい
これで平和が再び訪れるかに思えたが、あの事件以降、私は学校へ行くことができなくなってしまった
また姉さんがあのようになるのではないかと……怖くて退院後の姉さんからしばらく離れられないこともあった
でも、そんな私に対しても姉さんは……
「大丈夫、不安ならお姉ちゃんがいつまでも側に居てあげるから。」
何度、その言葉に救われただろうか?
そう言いながら私を抱きしめてくれる姉さんは身体も心も本当に温かくて、ずっとこのままでいたいなと思ったことが何度もある
「煌、私と約束してほしいことがあるんだ……」
「何? 姉さんの約束なら何でも聞くよ!?」
「琴は絶対に辞めないでほしい……」
「え……?」
まさかのお願いに、私は絶句する
あの事件以来、触ることですら怖くなっていた琴を続けろと……!?
何かの間違いかと思ったが、姉さんの目に嘘なんて感情は一切こもっていなかった
「……分かった、姉さんとの約束だもんね……」
姉さんと誓いを交わしたあの日から、私は再び学校へ登校した
眼鏡をかけて、髪も伸びた状態で
私は姉さんと見た目で区別できるように、出来る限り容姿を変えたのだ
人付き合いは元々あるわけじゃなかったが、極力人と絡むのはやめた
姉さんも中学の時にバンドを組んだらしいが、自然と解散する流れになったらしい
そして私は中学で誰とも友達を作らずにそのまま卒業した……後悔はしていない
こうして、私たち高松姉妹は、迷子のまま中学を卒業することになったのだった
はい、今回は過去回でした
ちょっとやり過ぎたかとも思いますが、MyGO!!!!!アニメ本編もまぁまぁシリアスだったからこのぐらいは……
さぁ、彼女たちを待ち受ける運命はいかに……!?