「インフィニティ・トラッシュ?」
これはそんなおれのお話。
(某ゲームの評判を聞いて出来心で書いた。反省はしてない)
「はい? 『インフィニティ・トラッシュ?』」
ダイの大冒険の世界に転生していたことにおれが気づいたのは、前世の記憶を取り戻して数年経ってからだったと思う。
「ホイミにスライム……ねぇ、まぁ間違いないわな」
と、呪文名や偶然見かけたモンスターからドラクエのナンバリング作品の世界なんだろうなとは思ったが原作の漫画を読んでたのは前世でもずいぶん昔だ。リメイクアニメが出るって話は聞いていたが実際視聴する前に俺の前世の人生は終了してしまったようだった。
「しかし、『ダイの大冒険』の世界とか、拙いな、これ……」
うろ覚えな原作知識でも人間たちの世界である地上を滅ぼさんとする巨悪、大魔王を討ち果たす主人公でもある勇者ダイの物語はまさに綱渡りで、話の進行がどこかで僅かに掛け違っただけで勇者一行は敗北、世界はあっさり滅びそうな話だったと記憶している。
「その上、原作の話でも滅んだ国がいくつかあったわけで……」
おれの住んでる場所が該当する国の所属だったらアウトだと思い至り、焦燥感と共に記憶を掘り起こそうとしていたら脳内に声が響いたのだ。
【スキル『インフィニティ・トラッシュ』を習得しました】
なんて機械音声っぽい声が
「訳すと、『無限のゴミ』か? なんぞこれ」
この状況下で授けられた力だ。きっと現状を打開してくれるモノに違いないのに訳した内容から不吉な予感しかしないのはなぜだろうか。
「まぁ、いいや。今のおれにはこれしかないんだ」
ごくフツーの村人に生まれ、元勇者な勇者の家庭教師に出会うこともなくただの村人としてこれまで過ごしてきたおれは呪文契約なんてする機会がなく、呪文は使えない。子供のころは前世の記憶も蘇る前だったため、木の枝を振り回して勇者ごっこをしていたぐらいで剣もど素人、なら拳を使った格闘術はどうかと言うと、ケンカの強さでは村の子供の中では中の下ほど。
「ダメじゃねぇか!」
そう自分で自分にツッコむくらいに残念な弱さの持ち主だった。だからこそ謎スキルに光明を見出したかったのだが。
「うおおおっ! インフィニティ・トラッシュッ!」
村はずれで手を突き出し、叫んだおれは急に猛烈な疲労感を覚え、同時に見た。凄い量のゴミが手から放出されるのを。
「文字通りかよぉ?! あ……」
「「ビギッ」」
疲労感は限界に達し、立っていられなくなる瞬間。何かの断末魔が複数と一緒に脳内にファンファーレが響き渡ったような気がして。
◇◆◇
「あの時は酷い目に遭ったな」
スキルで出したゴミの片づけを命じられたのは、まぁ身から出た錆でもある訳だが、無限と言うだけあって量が半端なく、穴を掘って埋めるのもかなり大変だった。
「その過程で『穴掘り』なんて特技を覚えたのは怪我の功名……なのかね?」
ドラクエの商人が本来なら覚えるソレは、穴を掘るとごくまれに付近に生息するモンスターの所持アイテムとか所持金の何割かが手に入るという特技だったと思う。
「色々試した結果、謎スキルのこともいろいろ分かったしな」
あのインフィニティ何とかだが、試行錯誤したところぶっ壊れスキルであることが判明した。あのスキルの真価は対人及び対モンスターなど相手がいてこそ発揮される。
「『強制的にセピア色の回想シーンを延々見せつけて相手の動きを止める』とかな。妨害系としてはかなり強いだろ、コレ」
その回想シーンは体験したものによると何故か紙芝居の様であるらしい。
「そして、『
何がどうしてそんなことができるのかは謎だが、これ、高齢の老人とかにはぶっ刺さる能力なのではないだろうか。こう、老人姿の大魔王に使えと言わんがばかりの能力である。
「問題はその大魔王に会うところまでおれが生きていられるかだけど」
そこは回想シーンを見せつけて動けなくする方の能力の出番だろう。この能力を使って動けないモンスターを一方的にボコって倒し続けてきたことでレベルアップしたおれは今では国一番の騎士と呼ばれるまでに強くなれたのだ。
「他にも自身のエピソード記憶を装備して強くなる能力とかもあったけど、本当に何なんだろうな、このスキル?」
由来はまったくもって不明だが、おれは自身の運命に抗う為にも今日もモンスターを探してパトロールに励むのだった、このオーザムの国土を。
改行忘れとかを微修正。
あ、ルビとか追加してみました。