暗殺教室×呪術廻戦   作:ストレスマッハ

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10話 小劇的な出会い ー裏ー

 

 

 後輩の熱烈な歓迎を受けた徹達は、席に着き一息入れていた。

 

「アンタが来るのがおっそいせいで、私このバカの相手をしなきゃならなかったのよ!?」

 

 そんな中、怒り心頭といった様子なのは、4年の庵歌姫(いおり うたひめ)

にしても、初対面でこんだけ嫌われるって何をしたんだよアイツ……

 

「いやぁ……悪いとは思ってますよ?」

 

 当たり前だ! という歌姫の叫びを軽く流しながら、五条悟(ごじょう さとる)本人に尋ねてみる。

 

「何したのお前……」

 

「え? 別に? ただ話してただけだけど?」

 

 コイツは駄目だ。

 早々に見切りをつけ、隣に座る夏油傑(げとう すぐる)に目を向ける。

 俺の視線を受けた傑は、少しげんなりとして言った。

 

「……徹先輩と同じですよ。ただその後、悟におちょくられてましたけど……1時間コースで」

 

「だって歌姫、弄りがいがあるんだもん。打てば響くってこんな感じなんだねぇ〜」

 

 ……これ完全に舐められてるじゃん。……それにしても、

 

「……随分仲良いっすね、先輩」

 

 

「良くねぇよ!!!」

 

 かつてない程大きな声だった。

 

 

 

 ◆◇◆

 

 

 

(強いな……)

 

 改めて目の前の人物を見て、夏油傑はそう直感した。

 立ち振る舞いや、所作の端々が洗練されている。

 隙が無い。

 何よりも、その肉体。

 どれ程の鍛錬を重ねたのだろうか……

 自分もそれなりに鍛えている自負はあるが、()()にはまだ届かない。

 

(……これで2年か……)

 

 もう1人の先輩と見比べつつも、気持ちを切り替えて話に集中する。

 ……相変わらずキャンキャンと甲高い声が聞こえるが、それは流す。

 どうも、全員で今日遅れてきた責任を追求している流れになっているようだ。……腹も空いてきた頃合いだし、丁度いい。

 

「なら、徹先輩に全員分の埋め合わせをしてもらうのはどうです? ……親睦会も兼ねて」

 

 その一言に、案の定悟が乗っかかる。

 

「はーい! んじゃ俺パフェで!」

 

 それを皮切りに、

 

「なんで一番に出てくるのがスイーツなのよ……私は美味い酒が飲めるとこ!!」

「寿司がいいなぁ、回らないヤツ」

「なら、場所は銀座で」

 

 歌姫、硝子、そして自らも要望を出す。

 

「はぁ……行くのは良いが、手加減してくれよ?」

 

 その言葉に観念しつつも、頼もしい先輩はどこかは楽しげな顔をしていた。

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

 ……()()()、またいるよ…

 

 その日も変わらない1日だった。

 いつものように学校サボって、テキトーにぶらついて、また明日。……勉強? 一回教科書見れば覚えられるでしょ。…?何その顔。

 

 まぁいいや。

 それで、その日もサボってたんだよ。いつもの場所で……なんでこんな事してんだろー、って思いながらね。

 

 そこには、いつも“へんなの”が居てさ。

 ふよふよ飛んでる、羽生えた気色悪いのが。

 ……いつからだっけ? そういうの、物心ついた時にはもう見えてたんじゃないかな? 

 

 そんで、タバコ片手に“ソレ”を弄ったりして遊ぶのが直近のマイブームで……デコピンで消しとんだ時は少し笑っちゃったよ。

 

 違うのはここから。その当時、そこの隣のビルから、たまーに()()()が聞こえてきてね?その時は、野良犬でもいんのかなと思ってたんだけど……

 

 その日は隣のビルが黒い幕みたいなのに覆われててね。これを観察してたら、いきなり断末魔みたいなのが聞こえて……なんだなんだと思ってたら、幕が消えたんだよ。

 

 で、今度は同年代くらいの男子がビルの裏口から出てきて、こっち向かってきたんだ。

 

 そしたらいつもの“ソレ”が、そいつの顔の前を横切ろうとしてたものだから、思わず口に出たんだ。

「あ」って。

 

 そしたらそいつが、「え?」って初めてこっちに気付いたの。

 それを手で払って消しちゃいながら。

 

 そっから、お互い顔を見合わせてたんだけど……思わず笑っちゃった。

 向こうも我慢しようとしてたようだけど、堪え切れずに噴き出してた。

 

 その時、今までにないくらい下らなくて、面白かったんだよ。

 

 だから声掛けてみた。

 

 何今の? 新手の手品?

 

 そしたらそいつは言った。

 

 そうだよ。……聞きたい? でも、危ないかもしれない。

 

 ちょーバツの悪そうな顔で。

 だから言ってやった。

 

 それなら普通そんな事言わないし、あのタイミングで、あんなバカみたいな顔しないと思うけど?……ってね。

 

 そしたら、

 

 いきなりで驚いたんだよ……それを言うなら君も、タバコ落としてるよ? 

 

 ……そう言われるまで気付いてなかった。最後の一本だったのに。……それを見かねたそいつが言う。

 

 ……ハハッ! そんな顔するなよ……悪かったって。

 そうだなぁ……タバコは駄目だけど、お詫びに寿司でも奢ろうか? 

 

 で、暇だし、お腹空いてるからいっか、って付いてった。……あの時の寿司美味かったなぁ。

 

 そっからはトントン拍子。

 今まで私が見えてたモノに名前がついて、私の世界が少し広がった。

 

 それからちょくちょく会うようになって、呪霊の祓い方も教わったし、高専にも行った。歌姫先輩と会ったのもその頃だったっけ。

 

 ……勿論、良い事ばっかりじゃなかったよ? 

 目の前で、人が死ぬのも見た。

 その時私は、なんにも出来なかった。

 だだ、その時に見た先輩の顔が……凄く辛そうだったのは覚えてる。……ビックリしたよ。いつも飄々としたこの人も、こんな顔するんだって。

 

 ……戦う才能は無かったけど、幸い私には別の才能があった。

 だから私は、人を助ける道を選んだ。

 

 

 

 初めて会ったあの日から、私は変わった。

 そんな自分を、家入硝子は結構気に入っている。

 

 





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ちなみに、オリ主君の体は、いわゆるピンク筋というやつです。
ケ◯イチに出てきた、持久力と瞬発力を両立させてるあれ。
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