暗殺教室×呪術廻戦   作:ストレスマッハ

11 / 16

ありえんくらい難産でした。



11話 熱視線の行方(1)

 

 

 殺せんせーが来てから1週間が経つ頃。

 登下校がすっかり習慣化した徹は、

 

(……憂鬱だ。非常に居心地が悪い)

 

 とてつもなくげんなりしていた。

 

 その原因は明らかである。

 ──烏間さんに監視されてるからだ。

 あの猛禽類みたいな目で、校舎にいる時に後ろからジッと見られてみろ、神経擦り減るわ。

 

 

 ◆◇◆

 

 

 

 烏間さんは、過去所属していた軍の中でも精鋭中の精鋭、それも特技に戦闘技術全般を挙げる、れっきとした化け物だ。……初めて見た時、ぎょっとしたよ。なんせあの人、見た感じ()()()()()()()()()()()()

 ……なんだよあの身体(カラダ)。結構自信あったのに、俺のプライド粉々だよ……天与呪縛って言われた方が説得力あるわ。

 

 この前もサシですれ違った時、

「良い鍛え方をしているな。そのまま精進するといい」って言われたよチクショー。見透かされてる感がハンパじゃない。

 

(実際見透かされてるんだろうな……そもそもこの時期に転入して来た奴は、政府(あちら)側から見たら怪しく映るはず。それもこんなガタイした奴なら尚更だ。……まぁ、()()()()()()()()()()()()()()()()()……どうなる?)

 

 

 

 ◆◇◆

 

 

 

「──さて、今日から体育を受け持たせてもらう、烏間だ。改めてよろしく頼む。……早速だが本日学んでもらうのは、君達が扱う武器……それの正しい使い方だ」

 

 そう言って新しい体育教師は、対せんせー用の特殊ナイフを取り出してみせた。

 

「勿論、君達はこう言った武器の類について、心得が無い事は承知している……なので、先ずはナイフの振り方からしっかりと覚えて貰う。よく見ておけ」

 

 そう言って彼は、ナイフを振り始める。初めは遅く、徐々にスピードを上げ、今度は落とす。これを繰り返す。前方八方向を刃が正確に、どのルートをなぞるのが良いのか教えてくれる。そして、それがしっかりと出来ればどう見えるかまで、丁寧に、確実に。

 

「……よし、こんなものか。今見せたナイフの軌道を頭に叩き込め。これを基本として、俺の合図と共に振ってみるんだ。……安心しろ。最初は覚えるのも兼ねてゆっくりにだ。ここでしっかりとモノにしてから、徐々にスピードを上げていこう」

 

(おお、あのタコと比べるのも烏滸がましい程、しっかりとした内容だ。……それに俺自身、呪具を含めて武器をまともに使った経験がないだけに、これは……)

 

 術師をやると決めた時、まずは徒手空拳をハイレベルで修めた上でと考えていた。だが、そろそろ手札を増やす事を考えていたのも事実。ここまで本格的なナイフ術を学べる機会はそうそう無いと、徹は判断した。

 

(……これを機に本腰入れてみるか)

 

 そこそこで済ませるつもりだった意識を切り替え、授業に身を入れる徹。

 それから十数分後……

 

 いっちにーさんしーごーろくしちはち、という掛け声と共に、グラウンドでナイフを振るう学生という、平和とはかけ離れた光景が出来上がっていた。

 

 途中、殺せんせー(モンスター)の襲撃があったが、自身が必要とされていない事実を突きつけられ、砂場へ撃退されている。

 

 少し休憩を挟んでいると、前原から疑問の声が上がった。

 

「そもそも、こんな訓練意味あんスか? しかも、ターゲットが見てる前でやってさ?」

 

 どうやら、一連の授業に疑問を抱いたようだ。

 それに対しての先生の回答はこうだ。

「なら俺にナイフを当ててみろ」と。

 

 そして始まった体験学習。

 動きの良い磯貝と前原の二人がかりで、せんせー用のナイフを振るう。

 結果は想像通り。

 かすればいいだけの圧倒的有利な条件下でも、当たる素振りすら感じられない。

 迫るナイフを捌き、躱す。

 ある程度攻撃を捌き終えると、二人がナイフを振り被った手を下ろし切る前に、手首を抑え地面へと()()()()()()()()

 

(うっわ……)

 

 最後の投げ、あれは一見力業のように見えるがそうでは無い。

 手首を掴んだ瞬間、腰を切って相手の力をそのまま利用して投げていた。見た目以上に繊細な技だ。多分二人は掴まれたと感じた瞬間には、視界が回ってたように感じたんじゃないか? 

 

「俺に当たらないようでは、マッハ20の奴に当たる確率の低さがわかるだろう。……見ろ」

 

 烏間先生がそう言って指で示した方を見ると、ヤツは……大阪城作ってる! 無駄にリアルだ! 

 

「勉強も暗殺も同じ事だ。基礎は身に付ける程役に立つ」

 なおも続けて、今度は……ん? なんだ? こっち見てるな。

 

「……そうだな。若木君、来い」

 

(えぇ……? ここで?)

 

 次に白羽が立ったのは、徹だった。

 




ここまでお読み頂き感謝します。
評価、感想を下さった方、誠にありがとうございます。
大変励みになります。

次回、戦闘描写初チャレンジになります。
初めての相手が烏間先生になるとは思わなんだ…
続きは近日中に。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。