暗殺教室×呪術廻戦   作:ストレスマッハ

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4話 瓢箪から駒

 

 

 その日も、潮田渚はいつもと変わらない日常を送っていた。

 学校に行って、席に座る。

 

(今日も自習か……)

 

 本校舎の教師は、少し前から来なくなった。家庭の事情というものらしい。僕らに誠心誠意向き合ってくれる人だっただけに、少し寂しさを感じる。

 

(雪村先生、元気にしてるかな……)

 

 ──脳裡に浮かぶのは、俯いた女性の顔。

 優しく接してくれた彼女が少しだけ見せた表情。心なしか罪悪感を感じてしまう。

 ……不安が顔を覗かせる。

 目標も未来も、自分の意思すらなく、ただ母親に決められたレールの上に沿って歩いていくだけの毎日。

 変わりたいと願っても、どうすれば良いのかわからない。()()()()()()()()()()()()()()

 そんな思いを、心の底に押し留める日々。

 

(朝から嫌な気分になっちゃった……)

 

 無意識にため息が溢れた。

 気分を変えようと周りを見渡すと、先程よりもクラスメイトの姿がちらほらと増えている。

 

 その内の一人がこちらの視線に気付き、声を上げる。

 

「よー渚! 朝からなんかしけたツラしてんなー! ホラ、元気出せよ!」

「おはよ、杉野。僕は大丈夫だよ。……心配してくれてありがと」

 

 ならいいんだけどさ、と杉野友人(スギノ トモヒト)は陽気な笑顔を向けてくる。彼は僕の数少ない友人の1人だ。誰とでも明るく接し、そのまっすぐな性格にみんな力を貰っている。もちろん僕もその一人だ。

 

「そういえば聞いたか? さっき神崎さんと話してたんだけどさ。なんでも、来る途中に見慣れない生徒を見かけたらしいぜ。教師と一緒にこっち向かってたそうだから、もしかすると転入生じゃないかって噂だ……!」

 

 ……思いもしてなかった話題だ。

 

「へぇ、どんな人なんだろ……。個人的には、話しやすい人だったら嬉しいかなぁ……」

 

「どうだろなぁ。ここに来るってことは、ほら……とんでもないヤツかも知れないぜ……! 見るからにこう、オラオラッ! ……って感じかもな!」

 

 まだ見ぬ出会いに思いを馳せていると、

 

「なになに? 面白そうな話しをしてるねぇ〜、おふたりとも」

 

「あ、中村さん」

 

 長めの金髪を揺らし、近づいて来る中村莉桜(ナカムラ リオ)

 彼女も、杉野同様気安く接してくれるクラスメイトだ。……性別でイジってくるのはやめてほしいけど。

 

「中村はさ、どんなやつだと思う?」

 

「んーそうだねぇ……やっぱり無難に黒髪で身長高めの、後は少し刺々しい感じで……渚を押し倒しそうな男子とか?」

 

「そんな人いないよ! あと僕は男だってば!」

 

「ハイハイ、そういうことにしといたげる」

 

 案の定おちょくってきた彼女に抗議の声ををあげるも、するりと流される。

 そんなやり取りをしていると、

 

「……ハァ、なんで俺がこんな面倒な事を……。理事長も人使いが荒い……。

 ほら、着いたぞ! ここがお前らの教室だ!まったく、落ちこぼれの分際で手間を掛けさせやがって……! 俺はもう戻るから、大人しく自習でもしていろ!」

 

 教室の外、正確には教室の入口の方がなんだか騒々しい。

 息つく間もなく教室の扉が開いたかと思えば、教師と思しき男が声を荒げ、足早にその場を去っていった。

 

 そして入口に取り残された“二人の男女”は、目を丸くして見送っていたが、やがて顔を見合わせたのち、教室に足を踏み入れる。

 

 そしてその二人が、こちらに顔を向けて──

 

 

 ──刹那、衝撃が走る。

 

 

 

 転入生の、男子の容姿は、

 

 

「──初めまして」

 

 

 ()()()()()()()()、優しげな印象を与える顔をしつつも、

 

 

「転入生の、若木薫です。……よろしく」

 

 

 どこか()()()()()()を浮かべていた。

 

 

 

(──ホントに来ちゃった!!?)

 

 

 

 波乱の幕開けだった。

 

 

 




ここまでお読み頂き感謝します。
3〜4月の間、回想描写か口頭説明しかなくて、妄想で補完せざるを得なかった……

それと拙作にBL・GL要素は有りません。なるべく原作の流れは崩したくない派なので……
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