【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ   作:ガルカンテツ

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第二十八話 捕虜
Part-A


「こうして、こうやって、こう。そしてループで……」

「いや、ゴウガ、そこでループだとエネルギーロス大きくないか?」

「なるほど、じゃあバレルロールで、こう、やり過ごす感じかな。レイ」

「うん、そんな感じかな」

 

 三沢ゴウガと星菱レイは、手をHFに見立てて星間機動戦の動きをなぞっていた。一見ただ遊んでいるように見えるが、本人達は至極真面目だ。

 こういったシミュレーションは地球時代から行われていた。現在でも環境の違いはあるが、空戦機動の参考になる。

 

 

「よーし、ブリーフィングを始めるぞ。席に付けー」

 

 ブリーフィングルームには、レイやゴウガなど第401人型機動戦闘飛行隊全員が揃っていた。飛行長である春日ツクモ3等武佐が、大湊ヒフミ1等術尉と一緒に部屋に入ってくる。

 

「飛行長……学校の先生じゃないんですから……」

「似たようなもんだろ?敬礼はいい。そのまま聞いてくれ」

 

 ヒフミのツッコミも意に介さず、ツクモはさっさとブリーフィングを開始した。

 

「先日の帝国の連邦侵攻作戦の概要が分かって来た。大湊1等術尉説明たのむ」

「はい、スクリーンに注目」

 

 ヒフミがスクリーンに映った太陽系の概略図を用いて説明する。

 

 

「帝国軍、第1、第2機動隊群は、まず太陽系外縁部東側から侵入したようです」

「大湊1尉、確か太陽系は連邦側からの銀河航路しかなかったと思うのですが」

 

 横田ユイが挙手して、思っていたことを質問する。いくら辺境とはいえ、連邦領内を通って気づかれないはずがない。いきなり人類発祥の地、太陽系に出ることはできないはず。

 

「横田1尉。その疑問はもっともです。情報本部と近衛師団の調査で、今は使われていない昔の銀河航路が見つかりました。それは2千年前の地球移民時代のものです」

 

 当時の地球統合政府が推し進めた地球移民計画は、銀河に色々なルートで移民船団を送ることだった。人類発祥の地球が一時的に居住が難しくなる事態が発生し、全人類が移民船団を各居住可能星系に送り出す。このとき太陽系を中心にした銀河航路が使われた。

 

「そんな銀河航路が……」

「はい、皇室資料にも残されていたことを確認しています」

 

 皇室には地球移民時代やそれより古い資料も保管されている。そこから霊子技術のヒントにもなったりしていた。現存する銀河国家群最古の国家の名は伊達ではない。

 

「帝国がどうやって古い航路を知ったかは分かりませんが、その航路を使って、フランクス王国から太陽系に進軍したようです。逆に言うと王国は、そのために占領されたのかもしれません」

 

 もしそうであれば、かなり入念に計画された侵攻のようだ。フランクス王国は帝国に占領されたが、国王と一部艦隊が自由フランクスとして皇国に亡命政権を樹立している。

 

 

 ヒフミは続けて、太陽系内での連邦軍第2、第3艦隊と帝国軍第1、第2機動隊群との戦況を時系列順に説明する。

 

「このように戦力比は、2:1。帝国側が不利な状況でしたが、縦深防御に徹することで被害を最小に抑えていました」

 

 帝国は艦隊決戦を避け、機動航空戦に持ち込み、機動戦闘機とHF主体で戦闘を行う。

 

「ただ、いくら防御側が有利とはいえ、戦力差は大きくそのままだと物量に押されていたと分析されています。それを覆したのが、一隻の霊電子戦艦です」

 

 スクリーンに帝国が使用した強襲霊電子空母が表示される。帝国の霊電子戦艦Uボートと同じ艦形をそのまま全長600mに拡大。各所にHF発進用のハッチが付いている。

 

「この強襲霊電子空母で連邦軍艦隊のすぐそばに着空し、HFを発艦させ空母4隻を撃沈。連邦軍艦隊は旗艦を失い、降伏しています」

 

 

 ブリーフィングルームが静寂に包まれる。倍の戦力差をひっくり返したのが、一隻の軍艦とは。ただ疑問点も残る。ゴウガが挙手して質問した。

 

「質問です。次元弾道跳躍(Dimension ballistic leap)で連邦軍艦隊の傍に着空しての奇襲攻撃というのは分かりました。ただ、普通にHF搭載艦を着空させるとの違いはなんでしょう?戦法としては単純なようですが」

「それに関しては俺から説明しよう」

「飛行長」

 

 ヒフミに変わり飛行長であるツクモが代わりにスクリーン前にでる。

 

「確かに聞くだけだと単純な作戦だ。しかし成功させた要素が3つある」

 





【完結】NGチルドレン もよろしくお願いします
https://syosetu.org/novel/323311/
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