【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ   作:ガルカンテツ

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Part-D

 連邦捕虜の説得に、ワルキューレ隊隊長のブリュンヒルデ・ラアウリッヒSS大尉も駆り出されていた。

 

「だから亡命しなさい!!」

「だが断る!!」

 

 相手は、連邦の女性兵士ヒルデガルド・ラムシュタイン大尉。ブリュンヒルデとヒルデガルドは、もう額をくっつけそうな勢いで机越しに言い合っていた。

 相手は12貴族出身なのでなんとか味方に引き込みたい。ブリュンヒルデも最初は辛抱強く優しく説き伏せようとしていたが、徐々にヒートアップし、この状況。

 

 2人とも銀髪ロングヘアで、タイプが違う美人。その2人の激しい言い合いはなかなかの迫力で、記録係の女性兵士もドン引きだ。

 

「貴女も強情ね……」

「私も軍人の端くれだ。家のことはどうでもいいが、敵に懐柔されるわけにはいかない」

 

 お互い一歩も引かない。このままでは平行線なのでブリュンヒルデが諦めかけた時、ドアが開く。

 

「あ、ジークフリート少佐!」

 

 入って来たのは、第52戦闘航空団(Jagdgeschwader52)第I飛行隊長のジークフリート・ビルケンフェルト少佐だった。

 

「少佐、なんの御用で?」

 

 ブリュンヒルデの問いに答えず、ジークフリートはヒルデガルドの前に立つ。

 

「私を覚えているか?」

「え?その声はあの時の……」

 

 ヒルデガルドは、その声に聞き覚えがあった。地球の近郊で戦った両手剣をもったHFのパイロット。名前は聞けなかったが、声は覚えていた。

 

 その反応を見て、ジークフリートが片膝を付き、手を出した。

 

「結婚してくれ」

「は?」

 

 まず反応したのは、ブリュンヒルデ。展開に付いていけてない。

 

「はい」

「はぁああああああああああ!?」

 

 顔を赤らめながらジークフリートの手を取るヒルデガルド。叫ぶブリュンヒルデ。

 

「ちょちょちょ、ジークフリート少佐!何を言ってるんですか!」

「うむ。戦って分かった。彼女は強い」

 

 答えになってそうでなってない。

 

「あなたも!なんでいきなり承諾してんのよ!」

「彼は……ジークフリートは、初めての敗北を教えてくれた人。愛しているわ。亡命も受け入れる」

 

 なんか話が飛躍している。軍人の端くれどうたらはどうした。

 

「改めて結婚しよう。愛している。ヒルダ」

「私もよ。ジーク。幸せになりましょう」

 

 立ち上がり抱き合ってキスをする。2人の前で呆然とするブリュンヒルデ。彼女もジークフリートに好意を持っていた。まだ告白もしていないのに振られる。しかも元敵兵に取られた形だ。

 

 ともあれ、目的であったヒルデガルド・ラムシュタイン大尉の取り込みには成功した。ファミリーネームは変りそうだが。

 

 無事任務を果たしたはずのブリュンヒルデ・ラアウリッヒSS大尉は涙目。

 

「なんで~~?」

 

 

続く

 





【完結】NGチルドレン もよろしくお願いします
https://syosetu.org/novel/323311/
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