【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ   作:ガルカンテツ

125 / 292
Part-C

「こ、これは、伝説のカツドゥーン!」

 

 第二食堂で、ユイとレイ、ナユ、そして横須賀リンが遅めの昼食を取っているようだ。もちろんトロワとデルフィーヌ、ゴウガの分も用意されていた。

 

「ドゥーン?単なるカツ丼だよ。トロワ」

 

 テーブルに置かれたカツ丼が、ほかほかと湯気を上げている。もちろんレイ作だ。

 

「で、でもカツドゥーンとは、取り調べ室で刑事さんに奢って貰うものでは?」

「何の話だよ……」

 

 呆れるレイだが、どうやらトロワが皇国語を勉強する際に、昔のドラマやアニメとかを参考にしたらしい。何故かゴウガがニヤリとした。

 

 誤解を解いたところで全員で食べる。揚げたてサクサクのトンカツに、甘じょっぱい煮汁と卵が絡んでいる。定番のカツ丼だ。

 

「お、美味しい!トレビアンだよレイ」

 

 どうやら気に入って貰えたらしい。器用に箸を使って食べるトロワ。デルフィーヌも美味しそうに匙とフォークで食べていた。ゴウガも無心でガツガツとご飯をかきこむ。

 

「どうも。でも皇居でもっと豪華なもの食べていたんだろ?」

「ああ、皇居の食事も美味しかったけど、まあいわゆる高級料理ばかりでね……丼とかは出なかったよ」

「なるほど」

 

 それはそうだ。女帝と一緒だろうし国賓扱い。生半可なものは出なかっただろう。美味しいことは美味しいが緊張が先に来たらしい。そう考えると気楽に食えるカツ丼はいいチョイスだった。

 

 

 わいわいと大衆料理を食べる一行。満足して食事を終えると、やっと本題だ。第二食堂の一角を、そのまま会議室として使う。ユイの進行で始まった。

 

「今回の議題は、皇軍とフランクス軍のHF隊連携についてです。HF隊の管制を行う、第402人型術式作戦隊の横須賀リン1等術尉から説明をお願いします」

 

 リンが立ち上がり、ナノボットの画面を開いて説明する。

 

 これまで皇軍は皇軍、フランクス軍はフランクス軍側で別々に管制を行っていたが、一緒に作戦を行う場合、齟齬が発生することが合同訓練で分った。そのギャップを埋めるため、両軍の管制を統合して行うことに。

 

「と、いう訳で、フランクス軍第12F海軍航空隊12機と、皇軍第401人型機動戦闘飛行隊2個中隊32機を私が管制します」

 

 総数44機の大編隊だ。普段は母艦からの管制に従うが、作戦によって先行する場合、人型早期警戒機での管制に任せた方が良い。

 

「でも、一人で管制するには多くない?大丈夫?」

「ありがとうレイ君。でもそのためにサン先生に教わって来たからね。任せて」

 

 レイが心配するも、リンは自信を見せる。

 

 これまでは『人型早期警戒機(AEW)』というカテゴリだったが、サンの修行で『人型早期警戒管制機(AWACS)』と呼べるようになった。人型術式作戦は、搭乗者によって機能が決まる。

 早期警戒管制機(AWACS)とは一般的に、空域を監視し、敵性・友軍の機体などの目標等を探知・追跡し、なおかつ友軍への航空管制や指揮・統制を行う。

 

 しかし一人でこれを行うとなると大変だ。特に管制・指揮・統制は普通人数を掛ける。でもリンには秘策があった。サンから伝授された術式(Script)を組むことでほぼ自動化に成功。このために慣れないプログラミングをみっちり勉強した。苦労したが満足する出来だ。師事したサン先生のお陰。

 

 そのサン・ディエゴは、現在帝都星系で第01護衛隊群に教えを広げていた。サンだけでなく、舞鶴シュユと佐世保アラヤも一緒に行っている。これまでの第04護衛隊群で経験したことを共有するためだ。

 

 402で自分一人だけ残るのは、ちょっと寂しいがしょうがない。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。