【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ   作:ガルカンテツ

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Part-B

「状況を報告せよ」

「はい、閣下。全艦隊、着空(touchdown)完了。周囲に敵艦影なし。現在霊探(Aether Radar)にて広域索敵中でございます」

 

 軽空母『オイローパ』の艦橋で、帝国諸侯アルブレヒトの問いに答えたのは執事長だった。軍服ではなく、仕立ての良い漆黒の執事服を纏っている。国家の軍ではなく、あくまで諸侯の私設軍。その装いは彼らの特権意識の表れでもあった。

 

「霊探に反応あり。第六惑星軌道付近にて、迎撃に向かう艦隊を捕捉しました。皇国軍第03護衛隊群です。駆逐艦クラス8隻。うち1隻が軽空母相当、2隻が巡洋艦相当と目されます」

「皇国の艦種は相変わらず分かりにくいのう。……艦数ではこちらが勝っているか」

「いかがなさいますか?」

黒鷲(Schwarzadler)を先行させろ。陛下も『好きに使え』と仰っていたからな」

「かしこまりました」

 

 執事長から、シャルルマーニュ旅団の軽空母『ド・グラース』へと、冷徹な指令が伝達された。

 

――

 

「301各機、こちらブルーフォレスト01。帝国艦隊よりHF隊が発艦した。領邦軍のHFは旧式が多いが、機数では向こうが上だ。深追いは厳禁、無理するなよ」

 

 コールサイン『ブルーフォレスト01』、三沢リュウジ1等武尉の言葉に、第301人型機動戦闘飛行隊のメンバーから鋭い了解の返答が重なる。

 『ひゅうが』を発進した301隊は、1個小隊を本艦の直掩に、残る3個小隊12機で敵艦隊の阻止に動いた。まもなく迎撃に来た敵HFと接敵する。

 

(情報では領邦軍の主力HFはブルムベアのはずだが……)

 

 突撃兵型HFブルムベア。帝国国防軍のティーガーより一世代古い機体だ。通常、地方諸侯には国防軍の型落ち品しか回されない。性能的には皇国の主力である星菱96式を下回るはずだが、魔改造されている可能性もある。リュウジは警戒を強めた。

 

『ブルーフォレスト01。こちらサンシャインタワー。敵HF16機、機種不明。60秒後に接敵』

「ブルーフォレスト01了解」

 

 『ひゅうが』管制から情報が入る。星系全体で霊電子戦が繰り広げられているため、まだ正確な情報が入りにくい状況だ。でも接敵してしまえば分かること。

 

 真空の宇宙を彗燐光が切り裂く。計28本の光の矢が、極限の速度で交差した。

 

「ブルーフォレスト01、エンゲージ!」

 

 初撃は互いに様子見。致命的な打撃はなく、全機が健在のまま散開する。

 

 だが、すれ違いざまに敵の姿を視認したリュウジは戦慄を隠せない。その機体は帝国HFの特徴である丸みを帯びた重ヘルメットを被ってはいなかった。

 

「サンシャインタワー! こちらブルーフォレスト01! 敵HFの正体が判明した! ブルムベアではない! 連邦の主力機、HFF-15Cイーグル! 繰り返す! 黒灰色に塗装されたイーグルが敵機だ!」

 




【完結】NGチルドレン もよろしくお願いします
https://syosetu.org/novel/323311/
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