【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ   作:ガルカンテツ

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Part-C

『すまん!私達は間に合わん!今、第04護衛隊群が急行している!それまで持ちこたえてくれ!』

「了解です。群司令」

 

 『ひゅうが』艦橋は騒然としていた。三沢リュウジ1等武尉から齎された情報、敵HFがHFF-15Cイーグルだった。何故帝国の艦隊に連邦のイーグルが居るのか。

 

 『ひゅうが』艦長、舞鶴ユカが皇都に居る群司令との通話を切ると副長が確認する。

 

「いかがでしたか?」

「第04護衛隊群が、カムイ州に向かっているらしいわ」

 

 連邦正規軍標準のHFであるイーグルが数でも上なため、状況的に不利と判断した艦長は群司令部に相談した。既に向こうでも動きがあって増援を送ってくれているとのこと。

 

「持ちますかね……」

「持ちこたえないとね。イーグルの出どころも分かったわ。太陽系攻防戦で捕虜になった連邦兵が亡命。そのまま義勇軍として帝国軍に編入されたらしい」

「なるほど義勇軍ですか。であれば元連邦のパイロットがそのまま乗っているのでしょうな」

「ええ、領邦軍よりも練度が高いと思った方がいいでしょうね」

 

 『ひゅうが』の艦載機は、まだ96式で最新HFの零式ではない。現在主力になりつつある零式だが、それでも合同演習でイーグルに苦戦したらしい。301のパイロットは経験豊富だが性能差はいかんともしがたい。

 

「艦長!敵艦隊が動き始めました!第七惑星軌道付近で会敵予定!」

「副長、みょうこう、あたごに伝達!雷撃戦用意!」

「了!雷撃戦用意!」

「私はHFRに移ります」

「はっ!」

 

 重力子魚雷護衛艦であるDDG-5175『みょうこう』、DDG-5177『あたご』から大量の魚雷が射出される。HFはHFで抑えて、重力子魚雷で敵艦に飽和攻撃を仕掛ける予定だったが、HF戦で敗れてしまうと一気にバランスが崩れる。

 

 人型出力炉(HFR)に乗り込むため、操魂球に手を掛けた艦長の額から一筋の汗が流れた。

 

--

 

『01!こちら05!07と08が落とされました!』

『こちら09!被弾しました!すみません脱出します!』

『04です!89式が相手の装甲を通りません!』

 

 301の各機から不利な状況が伝えられる。黒いイーグルの装甲は厚く、こちらの装備89式200mm小銃が全く効かない。逆に敵HFの武器騎士槍バルカンは強力で、6砲身200mmモーターガトリング砲は簡単にこちらの装甲を貫く。

 

(ゴウガが言っていた通りだな……)

 

 『ブルーフォレスト01』三沢リュウジは、ナユとゴウガの親戚だ。年下のゴウガがリムロックでイーグルと対峙したときの話を聞いたことがあった。401飛行隊では、その反省を生かし装備を更新しているそうだが、301にはまだ反映されてない。まさかこんなところでイーグルと戦闘になるとは誰も予想していなかった。

 

「01より各機!抜刀し接近格闘戦に移れ!装甲の隙間を攻撃しろ!」

 

 そうは言っても難しいだろう。イーグルは騎士盾も持っており、接近戦も得意。しかも敵パイロットもかなりの手練れだ。301のメンバーも高い技量があるが、技量が同じで機体差があるのは辛い。まだ全滅していないだけ十分耐えている。

 

 状況を打開するには、敵リーダーを討つのが手っ取り早い。戦場を観察していると、後方で指揮をしているらしい機体を特定した。

 その機体は黒灰色であるが、イーグルとは違うようだ。小銃を捨て抜刀し、その機体に向かう。

 

 その敵HFもこちらに気が付いた。武器を構え向かってくる。

 

(連邦HFが長槍だと?)

 

 敵リーダーらしきHFと接敵。正面から激突した『ブルーフォレスト01』は、長槍に貫かれた。

 

 操魂球で脱出する三沢リュウジが見た敵機のシルエットは画像解析でHFF-111C アードヴァークと表示されていた。

 

 

続く

 




【完結】NGチルドレン もよろしくお願いします
https://syosetu.org/novel/323311/
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