【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ   作:ガルカンテツ

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Part-C

 ユイとレイは出会いの記憶はなく、気が付いたら一緒にいた。

 

 母親同士が仲が良いため清浄院でも一緒のときが多く、他の子供達に交じってもずっとくっ付いていたとか。4人の幸せな時間だったようだ。

 

 その清浄院を4歳で退院したあとの束の間、不幸が訪れる。

 

 横田ユリアがテロに巻き込まれ事故死した。

 

 ユリアがどうしても地球自由連邦に行かなくてはならなくなったとき、ユイを連れて行くか最後の最後まで迷っていた。迷った末、長い宇宙移動は子供には負担と思い、父親である横田ハジメに任せ、親友である星菱カズミにもお願いする。

 

 そして一ヶ月後、訃報が訪れ、横田家は悲しみに包まれた。

 

 しかし子供達は最初死に対してピンと来て無いようだった。ユイはユリアに会えないと分かった時、大泣きする。レイも釣られて泣いていた。

 

 母親無しで子供を育てるのは大変だ。ハジメはカズミに協力を依頼する。カズミもレイと一緒に育てるつもりで快諾した。

 

 2人が7歳になるまで、まるで兄妹のように育つ。その頃レイは泣き虫でユイの方がしっかりしていた。誕生日的にはレイの方が上だが、ユイが姉のようだ。

 

 

(あの頃はアタシの方がお姉さんだったんだけどな……)

 

 上目遣いでレイの顔を見ながら思い出す。通路に立ち止まってしまったユイに、レイがきょとんとした顔を見せる。

 

「ユイ?」

「……ん、なんでもない」

 

 ふたたび前を向いて歩きだす。

 

 初等科学校入学時でもユイが引っ張る感じだった。

 

 今のような関係になったのは、カズミさんが亡くなったとき。お葬式での会話は今でも鮮明に覚えている。

 

 あれからレイは変った。泣き虫なのは直ぐには治らなかったが、泣いても歯を食いしばってがんばるようになる。前に出ることはないが、一歩引いた感じでユイが困ったときには必ず助けてくれた。

 

 この頃から横田ムゲンからテン・シント流を学ぶ。ユイも一緒に習ったが、ユイの方がまだ体が大きかったため、薙刀ではレイに連勝。しかしレイもムゲンから課された修行を黙々とこなしていく。

 ムゲンは、その姿に最初は子供の遊びに付き合うくらいのつもりだったが、本格的にレイを弟子として育てることにした。

 現在では流派の中でも最上位の腕前となった。

 

(まあ今でも薙刀じゃあ負けないけど)

 

 歩きながらユイは改めてレイとの関係を考える。

 

 もちろん好意はある。向こうもそうだろうという確信もある。ただその関係は、兄妹?姉弟?近い感じはするが、三沢姉弟を見ていると違う気が。家族…という思いはあったが、最近はそれだけじゃないような。

 

 特に意識するようになったのは、レイが部屋に訪れたときだ。そのときは純粋に心配してくれただけだけど、ユイはとても嬉しかった。あのときの心情は家族に心配された時とは違う気がする。

 

 ふと以前ナユの言った言葉を思い出す。

 

「ああ、ユイとリンはもう決まった人いるからね。つまらん」

 

 決まった人。まあレイのことで間違いない。他の人から見たらそう見えるのか。実際に意識してみると不思議だ。ちょっと顔が赤くなっていることを自覚する。

 

 レイに顔を見られる前に、気分を変えようとポニテを揺らしながら頭をふるふる。

 

 今はそれどころじゃない。これから戦争に行くのだ。帝国を打倒しフランクス王国を解放しなければならない。友人となったトロワとデルフィーヌの為にも。

 

「ど、どうしたの??」

「なんでも無いったら!早く戻ろ?」

「う、うん……」

 

 

続く

 




【完結】NGチルドレン もよろしくお願いします
https://syosetu.org/novel/323311/
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