【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ 作:ガルカンテツ
レイの母親カズミさんのお葬式の日。泣いているレイの手を取った。そのことはハッキリ覚えている。2人のかけがえのない思い出だ。
「当然覚えてるけど……」
「ユイの手を握って立ち上がった後、ボクはこう言ったんだ。『ありがとうユイ。好きだよ』って」
「え!?そうだっけ!?」
「うん。だから既にボクは伝えてるんだ。ユイが好きだって」
ユイは何か自分できることを見つける決意をして、手を取り合った所は覚えているが、レイが手を取ってくれたことが嬉しくて、その後のことは、よく覚えていなかった、
ユイは黙って俯いてしまう。
「ユイ?」
ユイの肩が少し震えている。レイは怒らせてしまったかと思った。さすがに昔の話すぎたか。
「目を瞑って」
「え?」
「いいから」
「分かった」
ビンタでも来るかと思い、目を瞑って歯を食いしばる。
しばらく待つと、口に柔らかい感触があった。
「え?」
驚いて目を開けた。目の前には顔を赤くして輝くような笑顔のユイ。
「アタシもレイが好き!これで両想いだね!これからもよろしくね!」
そう言って踵を返す。レイは唇に手を当てて呆然としていた。
その場で別れ、ユイは1人で嬉しさを噛みしめる。はずだった。
『緊急放送!HF隊はブリーフィングルームに集合!繰り返す……』
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ブリーフィングルームに、第401人型機動戦闘飛行隊の面々が集まっていた。もちろんユイとレイも。当然隣に並ぶ。
「……」
ユイの顔は真っ赤だ。ほんのついさっき、あんな告白してキスまでして今さらどんな顔してレイに会えというのか。
「横田、具合でも悪いのか?」
「何でもありません!!」
「そ、そうか……」
その様子を見て、飛行長春日ツクモに心配されてしまう。
ナユは2人の様子を見て悟った。進展があったんだなと。ニヤリとする。
(分っかりやすいユイは兎も角、レイ君も耳が赤いね。良かったね)
なんか顔を赤くする第一中隊隊長とニヤニヤしてる第二中隊隊長。
何があったかは知らないが体調不良じゃなきゃいいや。と思い言葉を続けるツクモ。
「集まって貰ったのは、状況が変化したからだ。まず自由フランクス艦隊と第01、03護衛隊群がヴェルサイユ州に入った」
その言葉にユイは気を取り直す。
「じゃあいよいよ……」
「ああ、そうだ首都パリーヌ奪還だ」
今まで各地の歓迎パレードなどで時間が掛かっていたが、本命の首都奪還を開始するということ。
「ほぼ領邦軍は撤退しているので、無血開城できるだろう。問題は我々だ。帝国国防軍の第3、4機動隊群が、ローマリア経由でフランクスに来る。第02、04護衛隊群はその迎撃に向かう」
401隊員が緊張した。ついに国防軍との戦闘になる。
「我々が太陽系で戦った黒鷲部隊も来る。今度は迎撃だ。心してかかれ」
ユイはハッとする。あの時は牽制するだけだったが、今度は撃退しなければならない。
(ヒルダと決着を付ける!今度はアタシの番だ!)
あのときは精神的に押されていたが、今は違う。ユイはレイを想うことで力が湧いて来ることを自覚した。これがヒルダの言っていた愛の力か。
「後一つ。帝国の機動要塞が行方を晦ました。恐らく同じようにこちらに来るだろう。詳細が分かったら知らせる。以上だ。解散」
ツクモの宣言でブリーフィングは終了した。
続く