【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ   作:ガルカンテツ

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Part-C

 ギルたちの星系間国家建国への道は、決して順風満帆というわけにはいかなかった。

 

 研究者や信頼の置ける冒険者を募り、地道な活動を始めたが、「何やら月で金になりそうなことを企んでいる」という噂は瞬く間に広がり、利権に預かろうと擦り寄る者たちが後を絶たなくなった。

 

 個人的な盗賊から、国家から派遣されたスパイ、さらには冒険者に偽装した大規模な武装組織まで。月を狙う敵対者は日に日に増していった。

 

 度重なるトラブルを、六人が中心となって一つひとつ解決していく日々。

 

 やがて、ギルたちに恨みを持つ海賊たちが徒党を組み、大艦隊で襲撃を仕掛けてきた。

 

 海賊たちはラグランジュポイントに遺された旧時代のコロニーを「財宝の山」と勘違いして荒らし回っていたが、ギルたちはこれを一網打尽にして壊滅させる。幸いにもギルたちに被害はなかったが、貴重な旧時代の建造物の多くが破壊されるという悲劇が起きた。

 

 もはや、少人数で場を収めるには限界がある。ギルはバラバラに活動していた協力的な冒険者たちをまとめ上げ、組織的な活動を可能にする「冒険者ギルド」を設立。この組織こそが、後の連邦軍や惑星開発公社、そして銀河航路の開拓者たちの母体となっていく。

 

 数多の困難を経て、最初に結実したのは「超光速通信手段」の確立であった。

 

 超円環素子(Hyper torus element)を利用したリアルタイム通信の発明は、正真正銘の革命だろう。どれほど離れていても瞬時に情報をやり取りできる超光速通信は、広大な宇宙へと版図を広げた人類の悲願だ。

 

 手始めに冒険者ギルドの所属船に適用したところ、その効果は絶大だった。依頼内容のリアルタイム更新、精密な航路情報の共有、事故時の緊急救難要請、そして海賊情報の即時拡散。ギルドに所属しない独立冒険者とは、生存率において雲泥の差が生まれる。

 

 情報の速度こそが、最強の武器となったのだ。

 

 やがて星間貿易商や各星系国家からも熱烈な要望が届き、技術の貸し出しを開始。

 

 冒険者ギルドの運営と、HTE通信の特許による利益は莫大なものとなり、その潤沢な資金によって研究はさらに加速していった。

 

 そしてついに蓄霊凝縮装置(Aether Condenser)が完成し、次元弾道跳躍(Dimension ballistic leap)は劇的な進化を遂げる。

 

 これまでは個人の霊力に依存していた飛距離と安定性が、この装置によって飛躍的に向上した。時間をかけて霊子を蓄積し、跳躍時に一気に開放することで、誰もが一定以上の霊子出力を行使できるようになり、標準的な跳躍距離も1パーセク(約3光年)にまで延伸された。

 

 この新技術を搭載した宇宙船を量産し、1パーセクごとに航路ステーションを設置。これまで防衛のしようがなかった「線の航路」を「点の連結」へと変えることで、海賊からの防衛を容易にし、ステーションを通じて重力異常や障害物を常時監視できる安全な「銀河航路」の構築に成功した。

 

 リアムタイム通信網、安定した航路、そしてそれらが生み出す強大な資金を背景に、彼らはいよいよ本格的な国家建設へと舵を切る。

 

 手始めに四つの主要星系を開拓し、銀河航路と銀河ネットワークを整備。ついに、人類初の星系間統合国家が誕生した。

 

 その国の名は、地球自由同盟。

 

 ギルら六人はそれぞれ家庭を持ち、その子孫たちが四つの星系の領主となって、ノースウッド家、デヴォンポート家、ポーツマス家、クライド家として公正な統治を敷いた。この四つの家系こそが、後に「始まりの四家」と呼ばれるようになる。

 また、ノーフォーク家は魔術同盟を、パールハーバ家はエクス教中央協議会を創設し、国家の精神的・技術的支柱として発展に寄与していった。

 

 地球自由同盟は、治安の良さと公平な税制によって爆発的に人口を増やし、他の独立星系も次々と参加を表明した。

 

 版図が17星系にまで拡大したところで、国名を刷新。

 

 地球歴ちょうど3000年。ここに、「地球自由連邦」が建国されたのである。

 

 

続く

 




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【完結】NGチルドレン【EVAFF】もよろしくお願いします
https://syosetu.org/novel/323311/
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