【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ 作:ガルカンテツ
ブルーリボン01が最初に帝国のHFを撃墜したとき。両軍合わせて誰も反応できていなかった。
「行け!行け!誰も追い付けない速度で飛べ!」
自らを鼓舞し、ユイは止まらない。
次の目標を定め突撃、2機目も一刀に切り捨てた。
その軌跡はジグザグとまるで稲妻の様。ブルーリボン01は青い輝きを増して速度を上げ続ける。その姿はまさに『青い稲妻』だった。
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「そうだ!それでこそユイだ!」
その青い稲妻を追うたった1機。血色のHF。ブルーリボン02。
普段無表情のレイには珍しく歓喜の顔を見せた。
「行け!行け!決して振り向かないで飛べ!誰も届かない場所へ!」
ブルーリボン02も霊子出力と速度を上げる。
「ユイに着いて行けるのはボクだけだ!」
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青いHFの突撃に帝国HFは最初誰も反応できなかった。1機2機と撃墜されると、混乱し隊列を乱してしまう。
唯一正常に反応したのはHF隊の中隊長。HFティーガーを反転させて、中隊に命令を出そうとする。
「や、やつを止めろ!中隊全機反転!追撃を……」
しかし、すさまじいプレッシャーを背中に感じて振り向く。
「あ、赤い彗燐光!?」
敵HFが巨大な圧力を伴う赤く暗い彗燐光を纏っていた。
「ひっ!」
今までにない恐怖を感じた帝国歴戦の戦士は、ブルーリボン02に一撃で切られ爆散。抵抗する暇もなかった。
赤いHFを駆るレイはユイを追撃しようとするHFを片っ端から迎撃する。
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帝国皇帝フリードリヒⅣ世はHFに乗り、当然のように戦場に出ていた。
皇帝機カイザー・ティーゲルはHF群の前列中央で、腕を組んで仁王立ち。
皇帝は戦闘の始まる前から戦場の空気に高揚していた。
しかし開戦と同時に横を過ぎ去る青い稲妻。
「ほほぅ、活きが良いのが居るな!どれ儂が相手を……」
『待て!帝国皇帝フリードリヒⅣ世!このフランクス国王シャルルⅢ世が相手だ!』
皇帝が振り返ろうとすると、全通信領域を使って敵国王が挑発して来た。
マントを付けたフランクスのラファールM剣士型HFが、カイザー・ティーゲルに迫る。
「がっはっはっは!良い!良いぞ若き国王!その挑戦受けよう!お前らは手を出すなよ!」
皇帝は一騎打ちに応じ、側近に手出ししないように伝えた。
ラファールのサーベルを巨大な両手斧グレートアクスで受け止める。
このやり取りは、帝国軍全軍に伝わり、混乱を招く。
その隙を狙って、王国皇国連合軍HFは、あらかじめ決められたターゲットに突撃した。
連合軍の思惑通りに混戦の状況を造り出し、作戦が開始される。