【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ   作:ガルカンテツ

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第六十一話 月面
Part-A


 視界一杯に機動要塞『月』が広がる。着地のため減速しようと姿勢を変えた。

 

 その瞬間。

 

「なっ!?」

 

 ガクンと急に重力を受ける。その値は0.17G。居住惑星の1/6。直前までは無重力だった。

 どうやら空間安定のフィールドを通過したらしい。本来は巨大な円形の装置を使うが、この機動要塞は不可視のフィールドで実現している。未だ銀河国家群が持っていない技術だ。これも宇宙人の遺跡の力なのだろうか。

 

 しかし考えている暇はなかった。重力で霊力場(Aether Force Field)が解除され、彗燐光も消えた。運動エネルギー付与が減速に使えない。

 重力制御とイオンドライブスラスターを全開にして、なんとか月面激突は免れた。

 

『01!大丈夫!?』

「こっちは平気!02は!?」

『大丈夫。なんとか着陸できたよ』

 

 レイも無事月面に着陸できたようだ。スラスターにより月面の砂レゴリスの煙が舞っている。視界は0。なんとかブルーリボン02のシルエットが近くに確認できる程度。

 

 低重力かつ大気がないため風もなく、レゴリスの煙は拡散せずいつまでも浮かんでいる。

 

「一旦ここを離れ……」

 

 と言いかけたとき、煙の向こうでオレンジの光が見えた。

 

 咄嗟の反射で02を押し倒す。その直ぐ上を炎の刃が薙ぎ払う。

 

 慌てて02と共にレゴリスの煙の外に脱出。

 

 視界が開けると、2機の敵HFが待ち構えていた。

 

 魔術の炎を刃に纏わせた長槍(ロングスピア)。それを構えてるHFF-111C アードヴァーク。パイロットはヒルデガルド・ビルケンフェルト。

 そしてもう1機。赤いマントと巨大な両手剣を背負った重装甲のティーガー系列の機体。

 

『また会えたわね!ユイ!』

「だからこんな時に会いたくなかったわよ!」

 

--

 

 機動要塞の前の空域、特に中央は敵味方入り交じる大混戦になっていた。

 

 ゴウガの零式とデルフィーヌのラファールMも、その真っただ中に居る。

 

「レ・ブルー5。撃墜!」

『よくやった!次行くぞフィー!』

 

 2機は空戦の基本、ロッテ戦術を行っている。長機(リード)僚機(ウィングマン)が援護する形で戦闘を優位に進めた。

 今回は長機をデルフィーヌのコールサイン『レ・ブルー5』、僚機をゴウガのコールサイン『グリーンフラッグ02』としている。

 

 作戦では敵1機に1機で当たることになっているが、2人はロッテで襲い掛かり短時間で撃墜し、次に向かう方法を取った。混戦ではこの方法が有効で既に4機落としている。

 

「撃墜!次!」

 

 デルフィーヌがまた撃墜し、次のターゲットに向かう。訓練の成果かゴウガとの息はピッタリで、まるで長年ロッテを組んでいたようだ。

 

 しかし戦場は混乱を極め、狭い空域に敵味方が入り乱れ事故も起きる。

 

 デルフィーヌの機体も、敵を回避した味方HFとニアミスを起こす。

 

「きゃあ!!」

 

 その隙を逃がさず、ターゲットだった敵機に襲い掛かられる。

 

『フィー!』

 

 しかしゴウガがフォローに入り敵機を撃墜。事なきを得た。

 

『大丈夫か!』

「ええ、平気よ。ありがとう」

『僚機なんだから当たり前だ。次行くぞ』

 

 当然という感じでゴウガは答えた。これが僚機かとデルフィーヌは安心して次に向かう。

 

「次!エンゲージ!」




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【完結】NGチルドレン【EVAFF】もよろしくお願いします
https://syosetu.org/novel/323311/
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