【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ   作:ガルカンテツ

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なゆちゃんねる「なぜなに、なゆちゃん」(用語解説④)

「お?そろそろ時間だな」

 

 佐世保アラヤは『かが』の自室で寛いでいたが時計を見てナノボット(nanobot)の端末を立ち上げた。

 

 最近お気に入りのチャンネルができたので、その配信を見るためだ。

 

「ソリッドビジョンも立ち上げて置くかな」

 

 そのチャンネルは通常の映像配信の他にソリッドビジョンというナノボットでアバターを表示させることができた。それは実体を持った立体映像。勿論触れるがアラヤは触る気はない。いや本当に。

 

 時間になるとオープニング音楽と共にアバターが表示された。

 

 座った状態で出現するのは配信者そのままではなく、創られたアバター。いわゆるバーチャル配信者というやつ。まあ本人そのものを表示したら身バレしてしまうからだろう。

 

 そのチャンネルで表示されたのは、未来的なデザインで体の線が出ている服を着て、髪はピンクのショートカットの少女だった。

 なんとなく知り合いに似ている気がするが、気のせいだろう。チャンネル名にある名前が知り合いと同じなのもたまたま。

 

『こんなゆ~!なゆちゃんだよー!みんな元気してたー?』

 

 いつ見ても元気な配信者だ。声も知り合いに似ている気がするが気のせい気のせい。

 

『今日はなんと!ゲストをお呼びしています!』

「ほう?」

 

 ゲストとは珍しい。アラヤがこのチャンネルを気に入っているのは、情報が正確だからだ。皇軍関連の情報も正しい。まあ機密情報ではなく公開情報だから良く調べているだけだろう。

 

『ゲストはこちら!どうぞ!』

 

 新たなアバターが表示された。

 

『はーい!こんなゆー!シュ……シュシュでーす!よろしくねっ!』

 

 ガッターーーン!

 

 アラヤは派手に椅子から転げ落ちた。

 

「な、な、な、」

 

 ゲストのアバターは、緑色のツインテールに小柄な少女。

 

「何やってんだー!シュユーー!」

 

 長年一緒だったからアラヤには分かる。そのゲストは少し髪色などを変えているが、まぎれもなく姉弟子の舞鶴シュユだった。

 

--

 

さてシュシュちゃんをゲストに迎えてお送りするのは定番のコーナー「なぜなに、なゆちゃん」です!よろしくね!シュシュちゃん!

 

はーい!よろしくです!

 

ではナユコメネーム「なゆちゃんファン100号」さんから。ありがとうー!「なゆちゃん、こんなゆ!『なぜなゆ』で度々話題になってますが、結局魔法ってなんなんですか?」とのことです。と、いう訳で魔法の専門家のシュシュちゃんよろしくお願いします!

 

はーい!よろしくされました!まず魔法という言葉の定義は「霊子を使ってヒトが起こす現象の総称」って感じね。ちなみに魔法を起こすための技術を皇国では魔術や巫術っていいます。

 

ほうほう、魔術がライターで、魔法が火そのものってことかな?

 

そそ、そんな感じ。

 

なるほど。でも何で魔法が使えるのかな?普通はできないよね?

 

はい!それを説明するね。えー、地球時代にジョン・C・エックルスという人が提唱した二元論的相互作用仮説というものがあります。これは「心は脳に働きかけ脳もまた心に働きかける」という哲学の議論でした。でも霊子が発見されると、この仮説が再び脚光を浴びました。

 

ムムム。難しくなってきましたよシュシュちゃん。

 

うん、なるべく簡潔に言うね。その仮説は、物質世界と独立に精神世界が存在し、脳にはそのコントロールに関わる接続部があるはずという考えなの。連結脳とも言うけど、その連結脳の働きで霊子を操れるのでは?と。

 

ほう。その連結脳?っていうのを使って魔法が使えるようになった?

 

そう!連結脳は現在では霊子変成器官(Aetherion Transformer)と呼ばれていて、開魂者(Openian)は霊子変成器官を使って霊子を様々な素粒子に変換し色々な相互作用を起こすの。それが魔法!

 

なるほど!開魂者の脳にそういう仕組みができていて、考えるだけで霊子を操れるから魔法を使える。って感じかな。

 

そういうこと!なゆちゃん頭いい!

 

えへへありがとう。シュシュちゃんも流石ね!

 

まーかせて!

 

まかせた!じゃあ、次の質問!

 

……

 

--

 

「おいコラ!三沢!出てこい!」

 

 アラヤは同じ『かが』にある三沢ナユの自室に殴り込みを掛けていた。ドアをダンダンと叩く。

 

「なーにー?」

 

 ナユがドアをちょっとだけ開けて顔をだした。

 

「そこにシュユ居るんだろ!?出せ!説教してやる!」

「居ないよ~」

「嘘だ!中に入れろ!」

「やだ!えっち!」

 

 そういってドアを閉めロックされた。

 

「おい!」

 

 もう一度ドアを叩くがもう出てこない。

 

「くそっ三沢のやつ!なんで部屋に入れねぇ!」

 

 アラヤが憤慨していると、後ろからぼそっと声がした。

 

「ふーん。そんなに女の子の部屋に入りたいんだ……」

「なっ!?リン!?」

「えっち」

 

 そう言うとスタスタと離れて行く。

 

「違うんだリン!シュユのやつが!」

「シュユだったらさっきすれ違ったよ。シュユをだしにナユの部屋に入ろうとしてたんだ。ふーん」

「な、なに!?待ってくれ!違うんだ!リーン!」

 

 涙目でリンを追うアラヤだった。

 




※第二部再開まで不定期更新

評価、ご感想お待ちしています。

【完結】NGチルドレン【EVAFF】もよろしくお願いします
https://syosetu.org/novel/323311/
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