【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ 作:ガルカンテツ
Part-A
演説の後、聴衆からの握手攻めがようやく終わり、ホテルに帰ってきたユイ。
「はー、疲れた~」
部屋のベッドにどさっと腰を下ろす。そこへ、小柄な女性が突っ込んできた。
「おつかれー! ユイちゃん!」
ユイに抱きつき、押し倒す形になる。そのままお腹に頭をぐりぐりと押しつけてきた。
「はいはい、スージーちゃんもお疲れ様」
押し倒された状態のまま、目の前にある赤髪の頭を撫でる。ユイの身長が165センチで、スージーが150センチ。立っていると身長差からちょうど良い位置に頭がくるので、スージーの強い要望もあってよく撫でているのだ。
スージー・アツギと最初に通信で会話した時は、とても頼りになりそうな年上の女性だと思っていた。
しかし、実際に会ってみると大分印象が違う。皇国での成人である15歳くらい、それよりもさらに幼く見えた。通信の時の落ち着いた雰囲気ではなく、天真爛漫で元気な少女。それが初めて会った時のスージーの印象だ。
最初「アツギさん」と呼んだら「スージーちゃん」と呼ぶように言われた。よく抱きついてくるし、距離感が極めて近い。
四大魔女とのことで、旅の仲間として頼もしく心強い存在だと思っていたが、これはこれで一緒に旅をするには気楽で良かった。
時折どこかと連絡を取っているので、裏で何かを画策しているのは間違いない。実際、旅を始めてから一度もトラブルが起きていないのは、彼女が裏で色々と動いてくれているからなのだろう。
ちなみに「何歳なの?」と聞いたら「ないしょっ」とはぐらかされた。
「ユイちゃん、演説の手応えはどうだった?」
「んー、まあ野次馬的な人も多かったけれど、真剣に聞いてはくれていたかな」
連邦の実情を知る旅。最初は、人々に語りかけることから始めた。
おばちゃんたちの井戸端会議に突撃したり、道行く人に話しかけて不審がられたり、酒場で飲んだくれているおっさんたちとワイワイ騒いだり。沢山の、あらゆる世代の人々と話をした。
市民だけではなく、スージーの伝手で貴族とも直接会った。普通は会えないような高位の貴族のもとには、メイド服を着て使用人として潜り込んだこともある。
立場も職業も異なる多くの人々――商売人や軍人などとも会話を重ねた。
農業が盛んな惑星で、農場を経営している老人を訪問した時のことだ。
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老人は畑の土を一つまみ口に入れた。それを見ていたユイは、驚いて問いかける。
「……美味しいんですか?」
「美味いわけなかろう」
土をぺっと吐き出して、老人は答えた。
「土の状態を確認していただけだ」
「それで分かるんですか?」
「ああ。微妙な違いがある」
目の前の広大な畑では、農作業用の
「AIでの分析などはされないんですか?」
「そんなもん、当てになるか」
「そんなものですか」
「AIはあくまでも道具だ。人間が食うものは、人間の手で確認しなきゃならん」
しばらく無言で、小麦の刈り取りを待つ