【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ   作:ガルカンテツ

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第六十九話 代理
Part-A


 シロウ・カデナは機動騎士団本部からの呼び出しを受け、首都星ロードンにある連邦軍本部施設を訪れていた。呼び出しの理由は伏せられていたが、騎士礼服を着用してくるようにとの指示があった。

 

 礼服にマントを纏ったシロウは、本部ビル内の一室、小広間へと通される。そこには既に四人の姿があった。いずれも円卓の騎士団(Knights of the Roundtable)のメンバーだ。

 

「アラスたちも呼び出されたのか」

「ああ、シロウか。これで円卓の騎士団が全員揃ったな」

「全員、か……」

 

 そこにいたのは、アラス・エルメンドルフ、ビリー・エドワーズ、マクスウェル・アンドルーズ、ラファエル・フランシス。騎士団は数人が脱退したこともあり、現在は実質的な活動休止状態に近い。十人以上を数えた騎士団も、随分と寂しくなったものだ。

 

 シロウが知る限りでは、聖騎士団のジョージとソフィアの脱退、そして帝国へ亡命してしまったヒルデガルドとユースティアがいないのは分かるが、それ以外の面々も見当たらない。

 

「アラス、カタリナは?」

「ああ、あいつはちょっとな」

 

 アラスは言葉を濁したが、何か別の任務でもあるのだろう。

 

「ラファエル。イザベラはどうした?」

「なぜ俺に聞く。何でも魔術同盟に呼ばれているらしくてな。連絡がつかないんだ」

 

 結局は把握しているのではないか。そういえばミリィも魔術同盟に呼ばれていると、以前にビリーが話していた。新しく加入したマリアナ・アンダーセンの姿がないのは、マクスウェルがいるから問題ないのだろうか。

 

「それで、なぜ呼び出されたのか誰か知っているか? アラス、お前なら何か聞いていないか」

「それは大騎士団長から直接聞いてくれ」

 

 アラスがそう答えた時、小広間の扉が開かれ、大騎士団長のリチャード・エルメンドルフ大佐が入室してきた。だが、一人ではない。背後に黒い動甲冑(Powered Suit)を纏った何者かを連れている。リチャードは190センチを超える巨体だが、その影にいる存在はさらに一回りほど巨大だった。

 

 シロウたちが訝しげに見守る中、黒い動甲冑の人物は列の最後尾へと着いた。

 六人が二列に並び、その間をリチャードが悠然と進んで皆の前に立つ。

 

「機動騎士団の諸君。よく集まってくれた。今日は重要な通達がある。機動騎士団の解隊が決定した」

「なっ!?」

 

 リチャードが開口一番に告げたのは、あまりにも衝撃的な内容だった。列の先頭にいたシロウが思わず声を上げる。

 

「どういうことですか、エルメンドルフ大佐!」

「まあ落ち着け、シロウ」

 

 ほとんどのメンバーが驚愕の色を浮かべていたが、アラスだけは事前に知っていたようだ。黒い動甲冑の人物の表情は、バイザーに遮られてうかがい知ることができない。リチャードは落ち着いた声で説明を続けた。

 

「解隊と言っても、名称と編制が変わるだけだ」

「名称、ですか?」

「今後は騎士師団(Cavalry Division)という呼称になる」

師団(Division)……?」

 

 師団とは通常、地上軍(Army)などで用いられる部隊編制単位だ。疑問を抱いたシロウが質問を重ねる。

 

「では、我々は地上軍(Army)に編入されるのですか?」

「いや、海兵隊(Marine)だ。管轄は依然として宇宙軍(Navy)となる」

 

 海兵隊(Marine)は、宇宙空間から惑星表面へと揚陸展開する部隊だ。これまで機動騎士団が所属していた空母打撃群(CSG)とは、また別の組織体系となる。

 

「今後は空母(CV)ではなく、主に強襲揚陸艦(LHD)へと配備されることになる。マクスウェルの第二機動騎士団と同様の運用だな」

「がっはっは! 強襲揚陸艦はいいぞ! 何せ装甲が硬い!」

 

 豪快に笑うマクスウェル。彼の第二機動騎士団は特例として強襲揚陸艦に配備され、惑星揚陸任務に従事していた。それと同じ運用になるということは。

 

「大佐。では、我々全員が……」

「ああ、今後は揚陸部隊としての任に就くことになる」

 

 シロウの言葉に、リチャードはどこか嘆息混じりに答えた。

 

「ふん……銀河を駆ける竜の騎士(Dragoon)の末裔たる我ら騎士も、地に堕ちたものだな」

 




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【完結】NGチルドレン【EVAFF】もよろしくお願いします
https://syosetu.org/novel/323311/
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