【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ   作:ガルカンテツ

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Part-C

『あああああああああ! 腕がああああああああ!』

 

 少女の悲鳴が響き渡る。

 

 巨大な戦斧を振りかざしていたHFの両腕が、一瞬で切り飛ばされていた。

 何が起きたのかと、ジョージは突如現れた青いHFを凝視する。

 

 姿は、最近配備が始まっていたHFF-16 ファイティングファルコンに見える。しかし、細部が違っているようだ。

 そして装備しているのは、反りの入った片刃の剣。確か『カタナ』という武器だったはずだ。シロウ・カデナが好んで使っていたものだ。

 

 重装甲であるはずのHFA-10C サンダーボルトⅡの腕が、恐ろしく滑らかな切断面を晒している。なんという切れ味だ。

 

「味方……なのか?」

 

 呆然としていると、反対側から破壊的な音が響いた。

 

 敵HFのグレートヘルム装備の頭部が、ひしゃげて吹き飛んでいる。

 別の青いHFが、腕から槍のようなものを突き出しているのが見えた。あれで攻撃したのだろうか。

 

 そしてまた別の青いHF。肩にバラ色のマントを付けた機体が、細身の剣サーベルを敵HFの重装甲の隙間に突き刺す。機体は素体の足を切断され、崩れ落ちた。

 

 突如現れた青いHFは3機。数的不利になっていたこちらだったが、敵HFが一気に3機減った。

 

『増援か』

 

 マクスウェルから通信が入る。いつの間にか、両腕を斬られた機体を脇に抱えていた。

 

『ここまでだな。ではまた会おう、ジョージ!』

 

 そう言って通信を切った。同時に敵機から煙幕弾が発射され、辺り一面を煙が覆い隠す。一気に視界が悪くなった。

 

「くっ! 待て! マクスウェル!」

 

 煙が風で流れると、マクスウェルら敵のHFは重力制御ですでに上空に退避していた。軌道上の敵艦に合流するためだろう。

 

『良かった。間に合ったようね』

「聖下!」

 

 突如、聖女教皇(ハイプリエステス)ニューズ・パールハーバから通信が入る。その口ぶりからして、青いHFのことを知っていたのだろうか。

 

「聖下! 一体、彼らは何者なのですか!?」

『青いHFに関しては後で話します。今は救助を』

 

 確かに、今はパイロットの救出が先だ。HFが破壊されても操魂球(Cockpit Sphere)が傷ついていなければ無事なはずだが、急ぐに越したことはない。

 聖都防衛部隊に指示を出していると、3機の青いHFがスーっと姿を消した。

 

「熱光学迷彩か?」

 

 その技術自体は古くからあるが、HFに適用した例は知らない。しかし、そのお陰で敵に見つからず助けに来られたのだろう。彼らは一体何者なのか。

 気にはなるが、今は救助活動を優先だ。

 

--

 

 一夜明け、聖女教皇から呼び出しがあった。おそらく青いHFの件だろう。

 聖騎士は全員無事だったが、HFは12機中9機が大破しており、これからの立て直しに頭が痛い。聖都防衛に関して、聖女教皇に相談が必要だ。

 

 ジョージとソフィアが謁見室に入ると、そこには先客が居た。青いローブを纏った男女が5人、聖女教皇の前に立っている。

 

「よく来ました、ジョージ、ソフィア。彼らが、あの青いHFのパイロット達です」

 

続く

 




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【完結】NGチルドレン【EVAFF】もよろしくお願いします
https://syosetu.org/novel/323311/
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