【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ 作:ガルカンテツ
Part-A
「おお! 君らが! まずはお礼を言わせてくれ!」
ジョージが進み出て、力強く握手を交わす。実際、彼らが居なければ聖都は蹂躙されていただろう。感謝してもしきれない思いだった。
「私はジョージ・ホワイトマンだ」
「星菱レイ」
「三沢ゴウガだぜ!」
ソフィアも女性たちと握手しようと近づく。
「ソフィア・エルスワースよ。あら、貴女……どこかで……」
長い金髪の女性と手を握ったとき、ソフィアは強い既視感を覚えた。
「あはは……リムロック武闘大会決勝以来ですね」
「ああ! あの時の皇国の人!」
「はい、横田ユイです」
ソフィアは、環局所泡合同演習リムロックの剣術大会でビリーとチームを組んでいた。決勝でユイたちが所属する皇国チームと対戦し、惜しくも敗れた経験があるのだ。
どのような経緯かは不明だが、彼らが身元の確かな人物であると分かり、ジョージたちも安堵する。
「貴女は……」
「デルフィーヌ・ランディヴィジオです」
「ありがとう! デルフィーヌさん!」
ジョージとソフィアは順々に彼らと握手を交わし、礼を述べていく。最後に、フードを被っていた女性が顔を上げた。
「お久しぶりです。ジョージ、ソフィア」
「「ミリィ!?」」
そこにいたのは、二人の友人であるミリィ・メイポートだった。長い黒髪に青い瞳。さすがにメイド服姿ではなかったが、見間違えるはずのない女性だ。
「ミリィも彼らの仲間なのか」
「ええ、私の師匠経由で参加しました」
ミリィの師匠とは、確か『赤髪の魔女』と呼ばれる有名人のはずだ。四大魔女の一人が関わっているのか、とジョージは心中で驚く。
「そういえば、ビリーも居るのか?」
ジョージが周りを見渡すが、ミリィはどこか残念そうな声色で答えた。
「それが……」
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ミリィがスージーに依頼された工作を終えた後、ビリーが待つ宿舎へと戻った時のこと。
「という訳で、ビリーも彼らに参加しませんか?」
ミリィは、ビリーなら必ず応じてくれると確信していた。しかし。
「……いや。話を聞く限り、Ms.ユイが困っている訳ではないだろう」
「え?」
「悪いが、今は参加できない」
ビリーは背を向け、歩き出す。
「そんな! ぼっちゃま!」
「ぼっちゃま言うな。……なあ、そんなに貴族制度が悪いのか? 話を聞く限り『民主主義』というものが、それほど良いものとは思えないんだが」
「ビリー……」
そのままビリーは立ち去り、ミリィは呆然とその場に取り残された。
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「そ、そっか……まあ、ビリーも色々あるんだろう。気に病まなくていいぞ」
「そ、そうよ! 気にすることはないわ!」
ミリィがかつて見たことがないほどの落ち込みようを見せたため、二人は慌ててフォローに回った。