【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ   作:ガルカンテツ

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Part-C

 ミリィが機体性能に手応えを感じていると、HFの接近警報が鳴り響いた。

 現れたのは、球形陣の外周に配備されていた巡洋艦から駆けつけてきたと思われる、一機のHFF-16ファイティングファルコンだ。

 

 敵機は騎士槍バルカンをこちらに向け、強引に距離を詰めてくる。ミリィの『アークサモナー』が軽装甲であることを即座に見抜き、肉弾戦で仕留めるつもりだろう。

 

 しかし、その敵機を小さな影が急襲した。それは、灰色の鷲を模した姿をしている。

 

 何事かと狼狽した敵HFは騎士槍を振り回して追い払おうとするが、灰色の鷲はその嘴に当たる部分を大きく開き、眩い光を放つ。

 

 それは単なる物理攻撃ではなく、濃密な霊子が込められた魔術攻撃であった。敵機はとっさに左腕の長方盾を構えたが、魔術攻撃は盾ごと左腕を吹き飛ばす。

 

 灰色の鷲――それはカスタム魚雷、MQ-1C グレイイーグル。母機であるミリィから一時的に霊子供給を受け、一発限りの強力な魔術攻撃『ヘルファイア』を放つことができる支援兵器だ。

 

「よくやりました、グレイイーグル」

 

 ミリィはその隙を見逃さず、抜刀したサーベルで敵機へとどめを刺す。

 

 左腕と頭部を失い戦闘不能となった敵HFは、直ちに操魂球(Cockpit Sphere)を射出して離脱していった。

 

 ミリィの駆るHFF/A-18カスタムは、遠距離魔術から近接格闘までこなす、真のマルチロール機であった。

 

「敵機撃墜を確認。一旦引きましょう。あとは頼みます、『聖青の戦姫』」

 

--

 

『バルキリー・オブ・セントブルー。こちらバイパー・ゼロ。空母から発進したHFは、すべてこちらで食い止める。対艦攻撃を開始してくれ』

「こちらバルキリー・オブ・セントブルー、了解」

 

 『聖青の戦姫(バルキリー・オブ・セントブルー)』こと横田ユイは、空母フランクリンへと肉薄し、大振りの槍を構えた。

 

「ヒルダ、借りるね」

 

 その長槍は、元々ヒルデガルドの乗機であったHFF-111C アードヴァークの装備。銘を『魔槍ハープーン』という。

 

 ユイが搭乗する機体は、青いドレス状の外装に鎧を組み合わせ、両側に羽飾りのついた兜を被る女性型の新型HF。機種名はXB-70 バルキリー。

 

「魔槍ハープーンよ! 巨大な敵を貫く穂先に、青い稲妻を纏え!」

 

 ユイは仮想コックピットの中で目を閉じ、意識を集中させて呪文を紡ぐ。脳内の霊子変成器官(Aetherion Transformer)を活性化させ、機体を通して増幅。膨大な霊子を槍へと流し込むと、穂先が激しい青い電光を放ち始めた。

 

「テン・シント流槍術、一の槍――(はやぶさ)!」

 

 空母『フランクリン』の中腹部、急所の一点を目掛けて超高速の突きを叩き込む。

 

「手応えあり!」

 

 ユイが確信を持って槍を引き戻すと、巨大な船体の装甲は容易く貫通されていた。

 内圧によって真空へと噴き出した凍結水が、光を反射してキラキラと戦場に散る。

 

「こちら『聖青十字騎士団(オーダー・オブ・セントブルー)』リーダー、『聖青の戦姫(バルキリー・オブ・セントブルー)』ことユイフィリア・ユリアーネ・フォン・デヴォンポートです。貴艦の蓄霊凝縮装置(Aether Condenser)は完全に沈黙しました。これ以上の戦闘は無意味です! 速やかな降伏を勧告します!」

 

 旗艦空母『フランクリン』へ向けて放たれた、毅然とした降伏勧告。

 

 数分後、打撃群司令官から受諾の返信が届いた。

 

 敵味方ともに戦死者なし。第13空母打撃群(13th CSG)は、こうして完全に無力化された。

 

 それは『聖青十字騎士団』が結成されてから、記念すべき初の勝利であった。

 

 

続く

 




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【完結】NGチルドレン【EVAFF】もよろしくお願いします
https://syosetu.org/novel/323311/
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