【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ 作:ガルカンテツ
Part-A
『
上空から真っ先に降下した彼女のHFは、勢いそのままに敵HFの頭部を
我らが『
自分も遅れまいと、三沢ゴウガは敵の一機を定めて落下を開始する。左腕に装備したパイルバンカーの照準を合わせた、そのとき。
標的の敵HFが突如として何かを射出した。
「うおっ!?」
それは煙幕弾であった。周囲の敵HFも一斉に煙幕をぶち撒け、視界は瞬く間に真っ白に染まる。自動で
ゴウガはやむなく攻撃を断念し、大地へと着地する。数分後、ようやく煙が晴れたころには、敵HF隊はすでにはるか上空へと退避した後だった。
「ほう、判断が早い」
敵の指揮官は、戦力差を悟るや否や撤退を即決した。
「追撃はしないのか?」
『先に味方HFの救助を優先するようよ』
独り言のつもりだったゴウガの呟きに、僚機のフィーことデルフィーヌ・ランディヴィジオから応答があった。
なるほど、ユイはすでにHFから飛び降り、損傷した味方のティーガーに向かって走っている。後方からは星菱レイがそれを追っていた。救護については、あの二人に任せておけば問題ないだろう。
「そうか。せっかくの新装備を試せなかったな」
『新装備?』
「足元を見てみな」
ゴウガの乗機であるHFF-16カスタムの脚部には、標準機にはない異質なデバイスが装着されていた。
『何よ、これ……』
「まあ、見てなって!」
機体を前傾姿勢にさせると、足元の装置が複雑に変形する。車輪状のパーツが展開し、踵の後方で接地した。さらに側面と前方からも補助輪のような車輪が突き出す。
「行くぜ! ローラーダッシュ!」
ゴウガの気合の入った掛け声とともに、車輪が凄まじい勢いで高回転を始めた。
しかし。
「……あれ?」
脚部は猛烈な土煙を巻き上げて空回りするばかりで、巨体は一向に前へ進もうとしない。
『……何をしてらっしゃるの?』
「全然動かん……」
『HFの重量が何百トンあると思っているのよ』
「おっかしいなー。ボト〇ズだとダッシュもスラロームも自由自在なんだが」
『ナニソレ』
フィーの氷のように冷たい視線が、ゴウガのコックピットを突き刺した。