【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ   作:ガルカンテツ

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第八十一話 戦槌
Part-A


 サッターズミル星系州の惑星には、ほとんど緑が無かった。農業もごく一部で行われているのみで、険しい山脈が多く平地は少ない。人が暮らすにはあまり適した地では無かった。

 

 しかし、それを上回る利点がある。巨大な金鉱脈が存在するのだ。

 

 金などの非常に重い元素は、密度が極めて高い中性子星同士の衝突・合体によって生成される。どこにでもあるというものではない。

 そして金は、現代の霊子技術に必須な神金(orichalcum)の原料となる。神金は金を用いた導霊性の高い合金で、霊子を使用する宇宙船やHFなどで必ず使われている、非常に需要の高い資源だ。

 

 サッターズミル星系州は金が多く産出されるため、それが主要な産業となっている。現在は局所泡連合(LBU)の重要な資金源となっていた。

 

 そんな重要な地には当然ながらLBU軍の基地があり、惑星の防衛を担っている。

 LBU軍の基地には最新式のHFであるHFF-16 ファイティングファルコンが配備されていた。

 そしてその中で、ひときわ目立つ青いHFが6機。到着したばかりの、『聖青十字騎士団(オーダー・オブ・セントブルー)』の機体だ。

 

 リーダーである『聖青の戦姫(バルキリー・オブ_セントブルー)』こと横田ユイが現地のLBU軍と打ち合わせを行っていたところ、エイトリア貴族同盟(ANU)軍が星系外縁部に出現したという報告が『伊ー400』からもたらされる。直ちにサイレンが鳴り響き、戦闘配備が開始された。

 

「では、手筈通りにおねがいします!」

「了解です! 聖青の戦姫様!」

 

 基地のHF隊隊長と別れ、相棒の星菱レイと共に愛機の元に走る。その間にも基地からは次々とHFが重力制御で飛び出していく。行く先はばらばらで、惑星の各方面へと散らばっていった。

 

 この基地には他の惑星よりも多くのHFが配備されており、聖青十字騎士団と合わせ、十分な数的有利を確保している。

 ANU軍との惑星上の戦闘では、これまでHFを集中運用して対峙してきたが、今回はあえて違う戦法を取ることにしたのだ。

 

 ユイが搭乗してXB-70 バルキリーを起動させる。レイのHFF-16カスタムの起動を確認すると、2機で目的の地へ飛行を開始した。目的地は、惑星で一番険しいシエラネバダ山脈。

 

--

 

 サッターズミル星系州の惑星付近に展開したANU軍艦隊の遠征空母打撃群(ECSG)による多重球形陣から外れ、強襲揚陸艦LHD-505『バターン』が惑星揚陸のため接近した。

 

 『バターン』に搭載しているのは、第4騎士師団(4th Cavalry Division)。部隊マークは『戦槌』。師団長はマクスウェル・アンドルーズ大佐だ。

 




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【完結】NGチルドレン【EVAFF】もよろしくお願いします
https://syosetu.org/novel/323311/
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