【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ 作:ガルカンテツ
『
ジョージ・ホワイトマンは、ソフィア・エルスワースと共に山脈北部に待機し、上空を監視している。
狙い通り、この地の上空に16個の火の玉が降ってきた。
最大望遠で敵HFの機種を確認する。
「あれは……」
巨大なラウンドシールドを敷き、重力制御なしに降下してきた。
「HFA-10C サンダーボルトⅡ!! マクスウェルか!!」
ジョージが叫ぶ。HFA-10を装備しているのは、第4騎士師団だけだ。
「バルキリー・オブ・セントブルー。こちらロウ・スタッフ。敵の部隊が判明した! 第4騎士師団! 三傑の一人、マクスウェル・アンドルーズだ!」
『こちらバルキリー・オブ・セントブルー了解! 各機! 迎撃行動に移れ!』
即座にリーダーであるユイから指令が飛ぶ。ANU軍の騎士師団でも三傑と呼ばれる元
「セント・シールド! いくぞ!」
『はい!』
『セント・シールド』ことソフィアと共に、HFF-16カスタムを走らせる。
「待っていろ! マクスウェル! 聖都の屈辱を晴らしてやる!」
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『ブルー・ナイト! 2時方向!』
僚機である『ローズ・ナイト』のデルフィーヌ・ランディヴィジオから三沢ゴウガに報告が入る。指示された方向を見ると、険しい山頂に敵HFが小さく見えた。足場が悪く、戸惑っているようだ。
HF戦は重力制御を切って戦う。飛ぶことはできずとも、二本の脚と手でどこまでも進んでいけた。しかし重量があるHFは、足場が崩れやすい場所では動きが鈍くなる。
敵HFをこの惑星で一番険しいシエラネバダ山脈に誘導したのも、それが目的だ。ただ、HFF-15 イーグルを想定していたところに、まさかさらに重量級のHFA-10が来るとは予想外だった。
『早く行きますわよ』
デルフィーヌから急かされる。敵HFもこちらを認識して向かってきていた。
「まあ待て」
『何ですの? 向こうも2機で同数ですわよ』
HFの地上戦は肉弾戦だ。機銃ではHFに掠り傷一つつけられないため、お互いに接近する必要がある。デルフィーヌもHFのサーベルを抜剣していた。
「新装備を試させてくれ」
『またですの?』
デルフィーヌの呆れた声が返るが、それを無視して新装備を起動させた。
ゴウガのHFにはバックパックが装備されている。それが稼働し、筒状のもの2本が両肩の上に固定された。足の踵にある、衝撃を受け止めるためのアウトリガーが地面に打ち付けられる。
『銃撃? HFには効きませんわよ?』
「砲撃だ。まあ見てなって」
前傾姿勢を取り、こちらに向かってきているHFA-10の1機に照準を合わせた。敵HFは飛び道具など全く予想していないようで、無警戒で近づいてくる。
「25センチ2連装滑腔砲! ファイヤ!」
赤いリング状の加速霊符が輝き、2発の砲弾が発射された。発射直後にケーシングが外れ、安定翼のついた細長い棒状の弾体が飛翔する。
衝撃波を伴い、弾体が敵HFの1機に着弾。頭部を粉砕した。
「っしゃ! 命中! さすが
『すごいじゃない! もう1機も来てますわよ!』
「……弾切れだ」
『はい?』
「今ので最後だ。弾芯が超重元素オガネソンと霊銀の合金なんだが、モコさん曰くオガネソンを安定させるのが難しいらしくてな。この2本しかできなかった。だから、あれで終わり」
『……』
デルフィーヌは無言だったが、呆れているのは伝わってくる。
『さっさと残り1機を迎撃しますわよ』
「ヘーイ」
続く