【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ   作:ガルカンテツ

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Part-B

 惑星アンティータムのLBU基地は、一瞬にして阿鼻叫喚の地獄へと変貌していた。

 

 一度はANU軍を撃退し、勝利の高揚感に沸いていた矢先の、間髪を入れない再襲撃だ。

 

 『聖青騎士団(オーダー・オブ_セントブルー)』が他星系州の救援のために跳躍した直後、それと入れ替わるようにして、星系外縁部にANUの別働艦隊が姿を現す。その瞬間から、基地は強烈な霊電子攻撃に晒されることとなった。

 

 霊探(Aether Radar)電探(Normal Radar)もノイズによって画面が真っ白に染まり、一切の索敵機能を喪失。さらに基地のホストコンピューターもハッキングを受け、通信網は完全に麻痺した。

 

 防空システムが機能不全に陥る大混乱の中、上空から降り立った敵HFの背には、不気味な黒いマントが翻っていた。かねてより『ナイトメア』部隊として噂され、恐れられていた恐怖の精鋭隊である。

 

 黒マントのイーグル軍団は、警告も宣戦布告もなく、無防備なLBU基地へ向けて容赦ない蹂躙を開始した。ろくに迎撃のHFすら発進させられず、防衛線は一瞬で崩壊する。

 

 『ナイトメア』部隊の猛威は、兵器だけに留まらなかった。基地の重要施設を次々と破壊し、装甲車両や、四方に逃げ惑う人間たちへ向けて、無慈悲な銃撃を浴びせかける。軍人か民間人か、その区別すらしない無差別な虐殺だった。

 

 ようやく平和を手に入れたはずの惑星アンティータムが、再び血の海と化していく。

 

 かろうじて出撃を果たした、数少ないLBU軍HFの一機――防衛隊長の乗機が、黒マントイーグルの振るう巨大な両手剣によって一刀両断された。

 

 操魂球(Cockpit Sphere)から命からがら脱出した隊長は、地面にひれ伏し、両手を挙げて降伏の意思を示す。その機体から降り立ってきたのは、全身を黒い動甲冑(Powered Suit)で包んだ男だった。

 

「た、頼む! 命だけは助けてくれ……!」

 

 黒い動甲冑の男は、隊長の悲痛な懇願を一顧だにせず、ただ無機質に大剣を振りかぶった。

 

『……すまんな』

 

 無慈悲な刃が、隊長の首筋目掛けて振り下ろされる。

 ――だが、その大剣が肉に届くことはなかった。

 

 刃が首を断つ寸前、どこからともなく現れた一人の男の「刀」が、その一撃を寸前で受け止める。大剣と刀の刃が激しく擦れ合い、火花が夜の闇に弾けた。

 

 九死に一生を得た隊長は、何が起きたのか理解できず、恐る恐る伏せていた顔を上げる。

 

「早く逃げろ!」

 

 薄汚れた外套を纏った男に怒鳴られ、隊長は慌てて立ち上がると、無我夢中で走り去ってく。

 

 外套の男は、ゆっくりとフードを跳ね上げ、その素顔を晒した。

 

「よう。ロードンの本部ビル以来だな、……『ナイトメア』」

 

 不敵な笑みを浮かべたシロウ・カデナは、一旦大きく間合いを取って対峙する。

 

「あいつは完全に降伏していたじゃないか。なぜ殺そうとした」

『……』

 

 シロウの問いかけに対し、黒い動甲冑は微動だにせず、沈黙を貫く。

 

「そうかい。じゃあ、剣に聞くしかねえな!」

 

 地を蹴り、シロウが再び斬りかかる。動甲冑の男もまた、大剣を巧みに操り、その剛腕の一撃を受け止めた。

 何度も火花を散らし、激しい金属音が戦場に響き渡る。

 

 やがて、互いの得物が噛み合う激しい圧し合い――鍔迫り合いの形となり、両者の顔が至近距離で交錯した。

 

「とある人に、お前の声を聴かされてな。その声にはボイスチェンジャーが噛まされていたもんで、半信半疑だったんだが……」

 

 お互いに全力を込めて剣を押し込んだ後、反動で弾かれるようにして距離を取る。

 

「今の剣筋で確信した! お前、アラスだな!」

 




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【完結】NGチルドレン【EVAFF】もよろしくお願いします
https://syosetu.org/novel/323311/
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