【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ   作:ガルカンテツ

317 / 318
Part-B

「ビリー・エドワーズと第5騎士師団(5th Cavalry Division)。着任しました!」

「ああ、よく来てくれた」

 

 ビリーが敬礼した後、アラス・エルメンドルフと握手する。

 

「アラスの兄貴……じゃなかった、お久しぶりです。エルメンドルフ大佐」

「いつもの呼び方でいいぞビリー。補充の機体と食料をありがとうな」

 

 ビリーの部隊が、第16遠征空母打撃群(16th ECSG)に守られて、北東部に入ったあと、アラスの居る第11遠征空母打撃群(11th ECSG)と合流。統合作戦本部の指示で輸送してきた補充用のイーグルや大量の食料を渡す。

 追加の装備より、食料をめちゃくちゃ感謝され、首を捻った。

 

「……そうですか。補給艦が……」

「ああ。前方展開拠点としていた第15遠征空母打撃群(15th ECSG)が、敵の攻撃型霊電子戦艦にやられてな。食料が殆ど無くなった」

「攻撃型霊電子戦艦……それで、こんなに密集してるんですか」

 

 第11と第16の艦隊は、球形陣を取っているが、普通の陣より、かなり密集体形になっている。まるで何かに怯えるように。

 

 事実第15以外にも、エイトリア貴族同盟(ANU)軍艦隊が、幾度となく襲われている。敵の局所泡連合(LBU)軍が、霊電子戦艦を増強しているらしく、数で対抗してきた。ANU軍も霊電子戦艦群を持っているが、ある時期から、優位に立てなくなっている。

 

 そして、敵が保有しているのは、攻撃型霊電子戦艦と呼ばれるもので、本来自衛の重力子魚雷しか持っていないはずが、対艦攻撃魔法を放つ艦種が新たに現れた。対艦攻撃魔法『トマホーク』を霊電子戦艦のHFRを媒介に放つ。旧帝国のUボートに近いもので、かつて連邦軍でも研究されていた。

 

 しかしANU側では未だに試作段階で、先にLBU側で実戦配備されたらしい。

 

 研究開発を行う『魔女の森』と呼ばれる魔術同盟は、『聖女の塔』ことエクス教のように敵対はしていないが、ANU軍には非協力的で、要求してものらりくらりと躱される。LBU側で先に実戦配備ができたのは何者かによる協力があったとしか思えない。

 

 連邦領北東部は、ほぼLBU側の支配になっていた。

 

「なるほど。そういえば、マクスウェルのおっさんも撃墜されたそうですね。我々は、その代理で来ました。あと、シロウの兄貴もやられたとか」

「……ああ、そうだな。俺も愛機を失ったよ。なんとか脱出できたが」

「ええ! 兄貴まで!? 誰にやられたんですか!」

「『聖青の戦姫(バルキリー・オブ・セントブルー)』だよ。彼女は強かったな」

「ええ!?」

 

 ビリーは驚愕した。まさかこんなところで彼女の名前を聞くとは。

 

「部下も半分落とされたよ……俺の未熟さゆえだ」

 

 アラスは自戒の念として胸に刻み込む。アラス自身はカタリナのおかげで助かった。カタリナに対しては感謝してもしきれないが、助けられなかった部下に関しては、悔やんでも悔やみきれない。

 HFパイロットは操魂球(Cockpit Sphere)に守られてそうそう死ぬことはないが、地上に残った部下は確実にLBU軍に捕らえられているはずだ。『ナイトメア』部隊として行ってきた虐殺行為を、LBU軍は許さないだろう。どういう扱いになっているか考えるだけで恐ろしい。

 

 あのときシロウに言われた言葉が思い浮かぶ。

 

(俺はやはり道を間違えたのか……)

 

「ところで、次の目標は決まっているのでしょうか」

 

 黙ってしまったアラスに、ビリーが気を使って話題を変えた。

 

「あ、ああ。遠征作戦の期限が迫っている。来たばっかりですまないが、次の星系が最後の目標となる」

「どこの星系ですか?」

「ゲティスバーグ星系州だ」

 




評価、ご感想お待ちしています。

【完結】NGチルドレン【EVAFF】もよろしくお願いします
https://syosetu.org/novel/323311/
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。