【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ 作:ガルカンテツ
「鋳造された刀身を分割したら、そうなりますわよ」
デルフィーヌは、冷静に指摘しながらサーベルを抜き放つ。ペリースと呼ばれるバラ色のマントを片側の肩だけに装備したHFF-16カスタムが、ゴウガと敵HFの間に割り込む。
「ダッソー流剣術――
バラの花びらのような赤い花弁を散らせながらの刺突は、イーグルの重装甲をも貫き、剣を持った右腕を破壊した。大破した敵HFは膝をつく。
デルフィーヌの一撃は、ウェアラブル・エーテルタンクとなっていたマントから霊子を供給され、剣先に乗せたものだ。赤い花弁は霊子の残滓である。
地上で減衰したイーグルの
『ありがとう。助かったぜ。……それにしてもな』
「なんですの?」
『技名を叫ぶとか、色々染まってきたな!』
「……くだらないこと言ってないで、次へ行きますわよ」
――
「カタリナ! どうした、カタリナ!」
上空で戦場監視をしていたカタリナから通信が来たと思ったら、大規模な通信妨害が始まった。霊電子攻撃も同時に受け、状況が把握できない。アラスがカタリナと組んでから、こんなことは今まで一度もなかった。
アラスが混乱していると、西側に展開していた部隊のHFが走ってくる。どうやら通信妨害を受け、直接伝えに来たようだ。
接触通信のため、伝令のイーグルがアラスのストライクイーグルの肩を掴む。
「どうした!」
『それが!』
伝令によると、西側の部隊で森を包囲していたところ、南から6機の青いHFに奇襲を受けたとのこと。
「青いHF……
事前の
現在、ANU軍HF部隊は、州都南側にある森へ逃げ込んだLBU軍HF部隊を、『コ』の形で包囲している。包囲範囲を広げたことで、隊列が薄くなった南端を狙われたらしい。
西側の部隊は当初こそ混乱したが、すぐに立て直し、数的有利をもって新たな敵に対峙した。しかし、その瞬間に森へ隠れていたLBU軍HF部隊が強襲。隊列を組み直したところを横撃され、混乱のうちに壊滅的打撃を受けたらしい。かなり綿密に計画された行動のようだ。
伝令を受け、アラスは即座にスピーカーをONにした。
「騎士諸君!! 集結!! 方陣を組め!!」
音量を最大にし、北側のHF部隊全てに聞こえるよう指示を出す。当然、敵にも聞こえてしまうだろうが仕方がない。
北側を包囲していたイーグルが即座に反応し、アラスの下へ集結する。瞬時にあらゆる方向に対応できる四角形の陣形、方陣を組む。さすがは練度が高いアラスが信頼する部下達だ。
陣を組んだと同時に、西側で土煙が上がり、騒音が聞こえた。森を迂回し、LBU軍のHF一団が走り込んでくる。
先頭は青いHF。鮮やかな青いドレス、羽飾りを付けた兜の女性型HF。
「
続く