【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ 作:ガルカンテツ
Part-A
「姫! 北側の部隊は俺達に任せて、東側へ!」
『了解! 気を付けてね! ロウ・スタッフ!』
「もちろん! セント・シールドと第二分隊は俺に続け!」
コールサイン『ロウ・スタッフ』のジョージ・ホワイトマンは、
西側から森を迂回してきた彼らは、北側に残る部隊と、ユイが指揮して東側へ向かう部隊の二つに分かれた。十数機のHFが、土煙を上げ、大地を響かせながら全力で駆ける。
対するANU軍のHFイーグルは、方陣を組んで迎え撃つ。
その陣形は、地球時代の古代ギリシアで用いられた密集陣形ファランクスによく似ていた。大きな騎士盾を密に構え、隙のない防御態勢を取っている。盾の隙間から剣を突き出し、LBU軍を刺突しようと構えていた。
だが、ジョージは速度を緩めることなく、単機で突撃していく。
方陣に最接近し、敵が一斉に剣を突き出そうとした瞬間、ジョージのHFF-16 カスタムは装備している両手棍を勢いよく地面へ突き刺す。
「クライド流棍術! スカイドラゴン!」
機体は棒高跳びの要領で飛翔し、騎士盾の壁を越えて方陣の内側へ降り立った。
「からの! スピントルネード!」
着地と同時に体を回転させ、両手棍を勢いよく振り回す。背後を取られたイーグル達は、成すすべなく背中を打たれ、完璧だった陣形を崩してしまう。
「セント・シールド! 今だ!」
『了解! クライド流盾術! シールドバッシュ!』
コールサイン『セント・シールド』のソフィア・エルスワースが、崩れかけたイーグルの列へ飛び込み、本来は防具である大きな盾で殴りつけた。体勢を崩していた数機のイーグルを吹き飛ばす。
方陣は崩れ、LBU軍HF部隊がなだれ込む。そのまま乱戦へ突入する。
多数のHFが入り乱れるなか、戦場の中心で二機が対峙していた。
青いHFF-16 カスタムと、赤いマントを付けたHFF-15E ストライクイーグル。ジョージは外部スピーカーをONにする。
「久しぶりだな! アラス!」
『ジョージか……』
相手も外部スピーカーで応答した。二人は元
「こんな形で再会したくはなかったが、仕方ない。あんたに用がある!」
『用?』
「アラス、いやアラス・エルメンドルフ! 元教皇聖下殺害の重要参考人として拘束する!」
『待て。元教皇聖下殺害の重要参考人とはどういうことだ』
「知らないのか?……そうか、お前は父親から何も聞かされていないのだな」
『……父が?』
「父親から信頼されていないとは、かわいそうなやつだ。だが、拘束することに変わりはない。お前ら12貴族、そしてエルメンドルフ家がやったことを償ってもらう!」