【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ 作:ガルカンテツ
『どうしてアラス様の邪魔をするの!? ミリィ!』
「カタリナこそ、アラスがやっていることを理解してるの?」
ペンシルベニア星低軌道上で、カタリナの人型霊電子戦機HFEA-6 プラウラーと、ミリィの人型戦闘攻撃機HFF/A-18 カスタムホーネットが、サーベルと錫杖で剣戟を繰り広げていた。
ホーネットは戦闘攻撃機であるため、接近格闘戦も可能だ。しかし、イーグルやファイティングファルコンと比べると一歩劣る。とはいえ、本来戦闘向けではないプラウラーに負けるはずはない。ひとえにカタリナの技量によるものだ。
ミリィは、以前本人から聞いたカタリナの過去を思い出す。聖女として見込まれながらも、アラスのために軍へ入り、魔女と騎士の能力を得た。
聖女と魔女と騎士のハイブリッド。それがカタリナ・アヴィアーノ。
『アラス様は、全て正しいわ!』
取り付く島もない。側近であるカタリナは、アラスが行ってきたことを、つぶさに見てきたはずだ。
(まさに『恋は盲目』ですね……)
ミリィはスージーから聞いていた。アラスが『ナイトメア』であることを。LBU軍からの情報で判明したことで、どうやら皇国の情報部が絡んでいるらしい。ただ、
(私も人のことは言えませんが……)
ミリィ・メイポートは自嘲する。師匠であるスージーに誘われて聖青騎士団へ入り、当然ビリーも誘ったが、ていよく断られた。絶対に断られないと思っていたミリィはショックを受ける。
(私はぼっちゃまの認識を見誤っていたのですね。……その原因を作ったのも私ですが)
ミリィは常にビリーのそばにいたが、スラム街などへは近づけないよう誘導していた。そのため、連邦の影の部分にあまり触れてこなかったのだろう。その純粋さは好ましい。
(いえ、恋などではないと思うのですが)
誰に向けたものでもない言い訳をする。
そんなことを思いながら接近格闘戦を続けていたが、業を煮やしたのか、カタリナのプラウラーが距離を取った。
『Summon one!』
(いけません! 対空迎撃魔術の詠唱です!)
ミリィは即座に対抗するAIM(
「Summon one!」
両機の前に巨大な魔法陣が出現した。
『Ice Dragon who freezes everything in your path,(全てを凍てつかせる氷の龍よ、)』
「Immortal holy beast,(不死の聖獣よ、)」
2つの魔法陣から、細長い体の龍と、炎の翼を持つ鳥が召喚される。
『use your breath to freeze your enemies solid!(その息吹をもって敵を氷結せよ!)』
「destroy your enemies with your flaming wings!(その炎の翼で敵を滅ぼせ!)」
ほぼ同時に詠唱が完了。咄嗟に詠唱した対空迎撃魔術ナンバー54『フェニックス』が、なんとか間に合う。
『FOX3!』「FOX3!」
同時に放った氷の龍と炎の鳥が、青と緑の惑星上空で激突する。