【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ 作:ガルカンテツ
Part-A
『畜生!『青赤』だ!全員撤退しろ!』
そう言っている間にも、連合軍のHFが撃墜された。
撃墜したのは、『かが』の第401人型機動戦闘飛行隊第一中隊隊長横田ユイが乗る『ブルーリボン01』。敵からは『
ユイは、新星系戦からコツを掴んでおり、小銃はなるべく使わず薙刀で接敵と同時に敵機を切断、撃墜という攻撃を主軸にしていた。彗燐光を纏った『ブルーリボン01』が最高速で一切減速せず戦場を駆け抜ける姿は、まさに青い稲妻だ。
そして、なぜレイの乗る『ブルーリボン02』が血色の影と呼ばれているかと言うと、まず機体カラーを暗い赤色にしていること、そして01が撃墜しきれなかった敵機を逃さず必ず仕留めるからだ。その2機のペアが『青赤』として広まっている。
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「艦長!敵駆逐艦から降伏勧告受諾の通信がありました」
「そう」
『かが』の艦長呉ナナ1等術佐は通信士に答え、戦闘停止を指示した。
6隻だった敵駆逐艦が残り1隻になったところで、降伏勧告を出し受諾されたようだ。これで戦闘は終了となる。HFも殆ど残っておらず全機降伏を受け入れた。
『かが』率いる第04護衛隊群第04護衛隊は、ホーロー国星系の警備依頼があり、任務を遂行していたところ、マンジュン国の艦隊が進出してきた。
敵艦隊は懲罰艦隊を名乗り、赤壁連合を離脱したホーロー国を攻撃するつもりだったらしい。
しかしその艦隊も6隻の駆逐艦にしてはHFが少なく、連合軍の装備不足状態が伺える。
降伏した駆逐艦から通信が入った。敬礼した壮年の男性が映る。
『東海艦隊所属956-E『ヴレメンヌ』艦長のジョ・コモウ大佐です。降伏受け入れ感謝です』
「第04護衛隊群第04護衛隊DDH-5184『かが』艦長の呉ナナ1等術佐です」
『地球条約に則り、捕虜としての扱いを希望します』
「もちろんです」
『ヴレメンヌ』艦長の背後に、向こうの艦橋内が映っているが、なにやら様子がおかしい。
艦橋要員が何故か泣きながら床を清掃している。そして別の場所で血だらけの死体らしきものが、雑に放って置かれていた。ナナは気になって聞いてみる。
「あの、何が起きたんでしょう?」
『ああ、これですか?クズヤロウ……いえ政治将校の死体が転がっているだけです。私の部下が政治将校に降伏の受諾を進言したのですが、『首輪』を作動させやがりました。後は私の判断で政治将校を処分しただけです』
『首輪』とは普遍党の政治将校が開魂者を従わせるため首に付けさせてる装置のことだ。
政治将校の持つボタン一つで爆発し殺害できる。普遍党で開魂者は奴隷扱いされていた。
政治将校は艦長より権限が上で、この事態は反乱が起きたことになる。しかしナナは同情を禁じ得なかった。皇国ではありえないが、部下がそんな目に合っては同じことをしそうだ。
「分りました。こちらの要員がそちらに乗艦しますので、部下の皆さんを集めてください。『首輪』の解除作業を行います」
『あ、ありがとうございます!御恩は忘れません!!』
向こうの艦長が涙を流しながら最敬礼をする。これまでどれだけ虐げられたのだろうか。彼等を捕虜として扱うが捕虜交換での帰国を拒むかもしれない。亡命を希望しそうだ。
ただ、その時に普遍党が残っていればだが。
現在、赤壁連合は完全に瓦解し、3つの対立軸があった。
マンジュン国と従順な属国ヨソン国の残党連合軍に対し、独立を目指すホーロー国とザフスタ国の自国軍。それを補佐する大八洲皇国軍。
さらにマンジュン国内でも、政権を巡って普遍党と新しく立ち上がった平等党で内戦になっていた。
平等党は普遍人も開魂者も平等に扱うことを信条にしている。軍人は殆ど虐げられていた開魂者なため、平等党が善戦していた。
そして、ラヴァーグ国と属国ベラル国合同軍に対し、連合離脱を目指すクライーナ国軍。そしてそれに深く介入している汎ペルセウス帝国軍。帝国軍は軍団を送り、クライーナ国で合同軍と激しい戦闘を行っている。