【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ 作:ガルカンテツ
「なるほど、そういうお考えでしたか……」
ユイから様々なことを聞いたビリーは、納得して頷いた。少し考えてから顔を上げ、ユイを見つめる。
「その計画、オレにもお手伝いできませんか?」
「え?」
ビリーは真剣な目で訴える。
「先ほども言った通り、オレも今の連邦に問題があると思っています。このままでは連邦に未来はない。だから貴女の手助けをしたい」
その目を真っすぐ受け止めて、ユイは問う。
「元のANU軍を裏切ることになってもいいの?」
「はい」
即答した。迷いはないようだ。ユイは確かめるように、じっと目を見る。
「……本気のようね」
「もちろん」
「分かったわ」
ユイは尋問室の椅子から立ち上がり、部屋のドアを開けた。
「入っていいわよ」
部屋の外に居た誰かに声を掛ける。
その人物が姿を見せた。
「ミリィ!?」
ビリーは驚いて立ち上がる。その女性、ミリィ・メイポートは、ビリーに駆け寄って胸元へ飛び込む。
「ばか! 貴方はばかです! ビリー!」
ビリーの胸で泣きながら、ぽかぽかと叩く。
「ミリィ……」
ミリィとは、この戦争が始まる前に別れたきりだ。最後は彼女にユイへの協力を求められた。しかしビリーは断った。まさかこんなことになるとは思わなかっただろう。
「すまん、ミリィの言う通りだったな……」
ビリーは泣いているミリィを抱きしめた。ミリィも応じて抱き返す。
「ぼっちゃまのばか……」
「ぼっちゃま言うな……」
しばらく抱き合っていたビリーとミリィが落ち着いたところで、ユイが声を掛けた。
「じゃあ、ビリーさん……いえ、ビリーには
「分かった。従おう」
「ミリィも聖青騎士団の一員よ」
「そうか、じゃあ先輩だな。よろしく、ミリィ」
ミリィはビリーにくっついて離れない。無言で頷く。
「Ms.ユイ、いや
「もちろん、連邦政府……今は
「その前に?」
「彼らを南西部に閉じ込めるわ」
──
「ようこそ『サルガス3』へ。歓迎いたします」
「
「こちら管制。誘導路C4から退出してください。スポット31へコンタクト願います」
北東部に遠征していたANU軍艦隊が退却し、この運河を一斉に通過。3個
数時間の格闘の末、最後の駆逐艦を着空させて送り出す。駆逐艦は霊符着空機を出ると、即座に準備加速を始め、次のポイントへ向けて
「やれやれ、慌ただしいな。……まだ交代まで時間がある。順次休憩してくれ」
コントロールルームの室長が指示を出す。オペレータ達は背伸びをしたり、飲み物を取りに行こうとしたり、それぞれ休憩を始めた。そのとき。
「待ってください! 予定に無い着空を確認しました!」
一人のオペレータが声を上げる。
「なんだ? 遅れてきたのか?」
「そんな報告は受けていないのですが……」
外部監視用モニターに、籠状の巨大構造物である霊符着空機の中央部が映し出されていた。明らかに着空時の発光現象だ。
しかし、その光が消えても、艦船の姿が見えなかった。
「あれ?」
モニターを見ていたオペレータが首をかしげる。
次の瞬間、コントロールルームに警報が鳴り響いた。