【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ 作:ガルカンテツ
「ジーク、すまん遅れた」
「おお、ビュートとティアか。まだ始まっていない。大丈夫だ」
汎ペルセウス帝国皇帝、
「久しぶり、ティア! こっちおいで」
「はーい」
ユースティアを呼んでソファの隣に座らせたのは、ジークフリートの配偶者であり、皇妃のヒルデガルド・ビルケンフェルト。親愛を込めてユースティアを抱きしめた。
前皇帝フリードリヒⅣ世が崩御して以来、帝国内での内戦を経て、勝利し皇帝の座に就いたのはジークフリートだった。その戦闘で活躍したのが、この4人。皇帝即位後も、ジークフリートがもっとも信頼するのが彼らだ。
それぞれ忙しい執務を縫って集まったのは、とある放送を見るため。
執務室にあるナノボットの大きなビジョンパネルが映し出しているのは、青空の下、大勢の前にあるステージ。ステージ上には、まだ誰も居ない。
「ヒルダ、赤ちゃんどんな感じ?」
「まだ3か月だから、外見からは分からないわよ」
「どれどれ」
「ちょっと、くすぐったいよティア!」
きゃいきゃいとはしゃぐ女性陣をよそに、真剣な表情で会話する男性陣。
「ジーク、聞いたか?」
「ああ、報告は受けている」
「連邦のファイティングファルコンとホーネットは、かなりの戦果を挙げている。これからは機動力とマルチロール機が主力になりそうだ」
「そうだな。うちのティーガーでは厳しくなるか……」
「重装甲のイーグルも厳しいようだからな。マルチロール機に関しては増強の指示は出した。今、ブリュンヒルデが中心となってワルキューレ隊を増やす計画を立てている」
武装親衛隊ワルキューレ隊隊長であるブリュンヒルデ・ラアウリッヒSS大佐が精力的に動いてくれていた。彼女はジークフリートには失恋したが、新たな思い人ができたようだ。同じ隊のユースティアと火花を散らしているが。
「そうか。トーネードやドラケンの開発を急がないとな」
「ああ。クルップ社の兵器開発工廠には伝達しておく」
「あ、始まったみたい!」
最初に気付いたヒルデガルドの声で、全員がビジョンパネルに注目する。
画面には、
──
「おい! ケイ! 始まるようだぞ!」
「はいはい、今行きますよガイ」
赤ん坊を抱いた海田ガイが大声を出すと、赤ん坊が泣きだした。
「うわっ」
「ほらほら、お父さんが大きい声を出したから、ビックリしちゃったのねジョウちゃんは。貸して。あー、よしよし」
ガイから赤ん坊を受け取ってあやす海田(旧姓:信太山)ケイ。
2人は皇国軍を辞めたあと、直ぐに結婚。一子をもうけ、海田家の道場を引き継いで指導を行っている。この道場では、体術ゴウカラテ道とジュウジツ道を教えていて、軍人の門下生も多かった。経営は順調だ。
「すまん」
「いいのよ。それより始まったの?」
「ああ、まずは聖女教皇かららしい」
3人になった家族で、ビジョンパネルに注目する。