【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ   作:ガルカンテツ

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第十一話 予感
Part-A


 人類発祥の惑星地球から銀河方位北西にある空間ミルザムトンネル(Mirzam tunnel)。その一部はミルザム湾と呼ばれ、多くの国が混在していた。

 

 湾内にある星系内で彗燐光を輝かせて飛行する2機のHF。

 

『ビリーぼっちゃま。先行しすぎですよ』

「ぼっちゃまと呼ぶな。コールサインで呼べ」

 

 HFの内、先行しているのは全身鎧で古代中世の騎士の形をしていた。銀色で塗装され、ところどころに金色のラインが光っている。マントを付け背中には2本の大剣を背負う。

 

『ハイハイ、ガラハッド01。先行し過ぎて、味方が付いてきていませんよ』

「他が遅いんだ。やる気あんのか。後、こう敵機が居ないと暇で」

 

 コールサイン『ガラハッド01』パイロット、ビリー・エドワーズの乗機HFは、地球自由連邦のHFF-15Eストライクイーグル。大騎士型と呼ばれる隊長クラスが乗るエース機だ。

 

『暇だからって孤立しないでください。それに既に20機以上落としてるでしょ』

「しかしなぁ……」

『っと待ってください。霊探AN/AWG-9に反応あり6機』

「おっ!敵か!」

 

 『ガラハッド01』の僚機『ガラハッド02』の機体は、HFF-14Aトムキャット。

 

 01とは対照的に黒い鍔広のトンガリ帽子に黒いローブで全身真っ黒だ。この機体は魔女型と呼ばれ、ご丁寧にもHFサイズの箒に横座りで乗っていた。

 

対空迎撃魔術(Air Intercept Magic)で攻撃します』

「ちょっと待て!」

『Summon six.』

 

 『ガラハッド02』のパイロット魔女ミリィ・メイポートが、ビリーを無視して召喚呪文の詠唱を始める。トムキャットの周りに赤く光る魔法陣が6つ出現した。

 

『Immortal holy beast, destroy your enemies with your flaming wings.(不死の聖獣よ、その炎の翼で敵を滅ぼせ) FOX3!』

 

 6つの円形魔法陣から6羽の炎で出来た鳥が現れ、光速で飛び出す。長距離対空迎撃魔術ナンバー54『フェニックス』は、200光秒先の敵HF6機全てに着弾。大破迎撃を確認。

 

「ミリィ、あのさぁ……」

『コールサインで呼んでください。ガラハッド01。早期警戒機から連絡ありました。周辺空域にストレンジャーなし。だそうです』

 

「なんで、先に隊長のオレに連絡来ないの」

『早期警戒機HFE-2Cホークアイのパイロットは、私の友達ですから。で、どうします?』

「……RTBだ」

『Yes Sir.全機帰投』

 

 各機から了解の応答があった。ミリィに。

 

「隊長はオレなんだが……」

 

 

 後にミルザム湾戦争と呼ばれる戦いは、クイラ共和国がウェーツ王国に侵攻したことから始まった。

 ミルザム湾周辺の星系には、高価値の鉱石が取れる惑星が多くあり、各国はその輸出で成り立って居る。資源の取り合いや国家間の主張で度々紛争が起きている地域だ。

 

 そんな中、鉱山の権利で揉めた2国があった。

 

 独裁者が支配するクイラ共和国が隣国ウェーツ王国へ侵攻、全土を制圧・占領して傀儡政権を擁立し、併合を発表。

 この一方的な武力行使に激怒したのは、地球自由連邦だ。他のミルザム湾周辺国を巻き込み、多国籍軍を結成。ウェーツ王国開放のため即座に軍を派遣した。

 

 皇国や帝国も多国籍軍に誘われたが、丁度赤壁戦争のため不参加だった。逆に連邦が赤壁連合戦に関与して来なかったのは、このためだ。

 

 多国籍軍は圧倒的兵力で絶対的星間優勢を確保。次段階で惑星攻勢作戦を行い約2か月でクイラ共和国軍を駆逐し、ウェーツ王国を解放。

 クイラ共和国軍はまだ主戦力を温存しており火種が残る状態だが、クイラ政権が賠償金を支払うことで戦闘は終結した。

 

 

 




【完結】NGチルドレン もよろしくお願いします
https://syosetu.org/novel/323311/
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