【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ   作:ガルカンテツ

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第十四話 魔女
Part-A


 横須賀リンと舞鶴シュユ、そして佐世保アラヤが所属する第04護衛隊第402人型術式作戦隊は、今回の演習シナリオには参加していない。

 

 では、402の3人が演習の間何をしていたかといえば、休暇を利用してワイキキの街へと繰り出していた。

 

「この辺りだっけ?」

「うん、この林の奥だよ」

「随分と辺鄙なところね……」

 

 3人は街の外れにある、とある「魔女」の家を訪問しようとしていた。

 

 アラヤはグレーの半袖シャツにブラックジーンズ。シュユは赤いチェックのワンピース。リンはノースリーブの黒シャツに白のパンツルックという装いだ。軍の制服を脱ぎ、それぞれラフな私服に身を包んでいる。

 

「これから会うのは、シュユとアラヤの先生なのよね?」

「うん。おシショウさま。アラヤは弟弟子ね」

「半年くらいの差じゃねーか」

「それでもボクの方がお姉さんですぅ。アラヤは弟ですぅ」

「こんなちんちくりんが姉だなんて、オレは認めねーぞ」

 

「仲がいいわね」

「「どこが?」」

 

 賑やかに言い合いながら林道を進むと、やがて目的の家の前へと到着した。想像よりもこじんまりとした佇まいで、壁には蔦が絡まり、独特の趣がある。

 確かに、浮世離れした魔女が住んでいてもおかしくない雰囲気だった。

 

「ししょー! きたよー!」

 

 シュユがドアノッカーを叩くと、ほどなくしてゆっくりとドアが開いた。

 中から現れたのは、眠たそうな目で盛大な欠伸を漏らす長身の女性だった。タンクトップにジーンズという非常にラフな格好で、腰まで届く長い金髪には少し寝癖がついている。

 

「いらっしゃーい……ふわぁ」

「ししょー!」

「うおっ!」

 

 どすん、とタックル並みの勢いでシュユが抱きつく。背中にまで腕を回し、胸にぐりぐりと頭を押し付けていた。女性はそれを引き剥がすこともせず、手慣れた様子でシュユの頭を撫でる。

 

「はいはい、久しぶりね、シュユ」

「えへへ」

「先生、お久しぶりっす」

「ああ、アラヤも久しぶり」

 

 アラヤが軽く頭を下げる。女性はようやく目が覚めてきたのか、柔らかな笑みを浮かべてそれに応じた。

 

「あら? そちらの方は?」

「初めまして。シュユとアラヤの同僚で、横須賀リンといいます」

 

 後ろに控えていたリンも挨拶をした。彼女とは初対面である。

 

「ああ、シュユが言っていたお友達ね。ようこそ。立ち話も何だし、入って入って」

 

 通された家の中は、かなり雑多な状態だった。古びた本や紙束が所狭しと積み上げられている。ただ生活スペースは辛うじて確保されているようで、テーブルの周りだけは整頓されていた。

 

 お茶を用意するから座るように、と促される。

 

 勝手知ったる様子で、シュユとアラヤも手伝って茶器と菓子の準備を始めた。シュユはともかく、普段は傲慢なアラヤが甲斐甲斐しく動くのは意外な光景だ。この女性との深い信頼関係が見て取れる。

 

「では、改めて。私はサン・ディエゴ。シュユとアラヤに魔術を教えていたことがある。横須賀さんは……あの名門、横須賀家の令嬢でいいのかな」

「はい、そうです。ディエゴさん、リンでいいですよ」

「私もサンでいいよ。とても優秀な術士だとシュユから聞いているよ」

「ありがとうございます、サンさん」

「そうだよ、ししょー! リンちゃんはすごいんだから!」

「シュユが太鼓判を押すんなら、間違いないな」

 

 お茶を啜りながら、満足げに頷くサン。けっ、という顔でそっぽを向くアラヤ。

 場が落ち着いたところで、リンは彼らの過去についてサンに尋ねてみた。

 

「魔術を教えていたとのことですが、二人はどんな生徒だったんですか?」

「あー、あれは……シュユとアラヤが10歳の頃だったっけな」

 

 




【完結】NGチルドレン もよろしくお願いします
https://syosetu.org/novel/323311/
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