【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ   作:ガルカンテツ

68 / 292
Part-B

「そんな……、父様、母様が……」

 

 ミヤコは絶句した。

 

 宮内庁職員のつっかえつっかえの説明では、サミット会場で爆破テロに会い2人とも死亡が確認されたとのこと。その他、宮内庁職員や近衛も多くが犠牲になっている。

 

 謁見室に他の宮内庁職員や内閣の各大臣などが、徐々に集まって来た。皆不安な表情だ。

 

「陛下……なぜ……」

「ええい、近衛は何をしていた!」

「皇国はどうすれば……」

 

 ミヤコは泣き崩れたかったが、配下の様子を見て、皇族としての責務があることを悟った。

 

「殿下……今このようなことは言いたくはないのですが、帝ご崩御に伴う、皇位継承を決めませんと……」

 

 皆を代表して内閣総理大臣が発言する。

 

 現在の皇位継承順位第一位はミヤコの弟ケンヒトだ。ただ、まだ5歳の未成年。

 皇国の皇室典範で、皇位の継承は男系に限定しているが、皇統を継ぐことが想定されている男性皇族が幼少であり帝の職務に耐えない場合、女性皇族が皇位を継承する場合がある。

 

 困惑するミヤコ。しかし、ケンヒトはまだ幼い。歳の離れた弟の顔を思い浮かべた。

 

(ケンちゃん……)

 

 ミヤコは弟を溺愛しているといってもいいほどだ。11歳差の歳の離れた弟を可愛がらずにはいられないだろう。彼に苦労はさせたくない。

 

 ミヤコは逡巡していると、謁見室にモーニングを着た老人が入ってきた。

 

「上皇陛下!」

「おお、上皇さま……」

 

 別の部屋で会合を行っていたミヤコの祖父、上皇陛下の姿を見て一同が注目する。

 

 部屋の中央まで進み、ミヤコと対峙した。

 

「ミヤコ、そなたが皇位を継ぎなさい」

「しかし、おじい様……」

「ケンヒトはまだ幼い。そなたであれば、立派に勤められるだろう」

 

 上皇はミヤコの目を真っ直ぐ見て言う。

 

「そうです殿下。殿下であれば国民の支持も高い」

「国民は皆不安に感じるでしょう。心の支えが必要です。殿下であれば、この上ありません」

 

 他の大臣なども同様の意見のようで、追従して発言する。

 

 ミヤコの傍に居る側近の2人も、壇上を降りミヤコの前で跪く。頭を下げたままシズカが促す。

 

「殿下、いえ陛下。ご決断を」

 

 確かに皇国民の不安を少しでも解消する必要がある。一時的に皇位を預かり中継ぎとして、ケンヒトが成人したら譲位できれば良いとミヤコは決断した。

 

「分りました。(わたくし)いえ(ちん)が、これより第253代大八洲(おおやしま)皇国の帝を継承します」

 

 謁見室の皆が、ミヤコの宣言に跪く。

 

「「「陛下の御心のままに」」」

 

 ここに皇国が銀河に出て初めての女帝が誕生した。

 

 

 各大臣や宮内庁職員は、方針が決まったところで次々に退出し、決めなければいけない色々なことの検討を始める。

 

 上皇も最後に

 

「上手くやりなさい」

 

 と、言い残し部屋を去る。残ったのは女帝と側近2人。

 

「お見事な決断でした。陛下」

「あ、ありがとうシズカ、それとモミジも。これからもよろしくね」

「「御意」」

 

 2人は再び跪いて礼をした。起き上がった佐世保シズカは、少し柔和な顔で伝える。

 

「ちなみに一人称は、(わたくし)でいいですよ。(ちん)はちょっと」

「そ、そう?」

 




【完結】NGチルドレン もよろしくお願いします
https://syosetu.org/novel/323311/
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。