【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ   作:ガルカンテツ

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Part-B

「では、これより401定例会を開催します!」

「わーーーー!(ぱちぱちぱち)」

 

 ユイの開催宣言に、ナユが一人で拍手を送る。

 

 第二食堂では、三沢姉弟が既に待機していた。三沢ナユはユイと同じく純白の士官用制服。弟の三沢ゴウガは、青い迷彩柄の作業服姿だ。

 

 ゴウガはやる気なさそうに頬杖をつき、ぼやいた。

 

「さっさと終わらそうぜ。すぐ訓練に戻りたいんだ」

 

 \げ ん こ つ/

 

 鈍い音が響き、ゴウガが頭を抱えて沈む。

 

「……(ぱちぱちぱち)」

 

 姉の鉄拳制裁により、拍手をするのはナユとゴウガ(強制)の2人になった。

 

 401定例会とは、第401人型機動戦闘飛行隊の中隊長と副官が情報を共有する場だ。ここで得た情報を、中隊長から小隊長へ、小隊長から隊員へと伝達していく。

 正式な会議室はあるのだが、簡単な打ち合わせなどはこうして食堂を利用することも多い。

 

 ユイが議長として進行する。議題は、合同訓練後のフィードバックと、群司令部からの通達事項だ。

 合同訓練の件は、既に実施している装備更新や戦術転換などの確認で済んだ。問題は、群司令部からの情報――今後の情勢についてであった。

 

「と、いうわけで国際情勢が危うくなってきたの」

 

 赤壁戦争、ミルザム湾戦争、クイラ戦争と、立て続けに戦争が起きている。銀河国家群は今、かつてない不安定な時期に突入していた。連邦を含む大国でも辺境が荒れ、テロが続発している。ローマリア共和国でも国論が割れ、内戦にまで発展しそうな勢いだ。

 

 そんな中、一番不気味なのが汎ペルセウス帝国だ。外交的には沈黙を守っているが、国内では帝国軍が猛烈な軍事演習を繰り返しているという情報がある。その意味するところは、一つ。

 

「帝国は戦争の準備をしている。……ということね」

 

 赤壁戦争では、帝国とは「味方」というより「共通の敵を持つ者同士」として動き、不可侵条約を結んだ。だが、それがいつまでも守られる保証はない。

 

「万が一を想定して、護衛艦隊の配置転換が決まったわ。友好国のホーロー国方面には第02護衛隊群と第04護衛隊群。カムイ州方面には第01護衛隊群と第03護衛隊群が展開する」

 

 もし帝国が攻めて来るとしたら、地理的に元赤壁連合国を経由してくることになる。皇国への侵攻ルートは、ホーロー国経由か、ラヴァーグ国経由で北東のカムイ州へ入るルートの二つだ。

 

 カムイ州は、三沢姉弟の出身地でもある。三沢家には彼らの両親がいた。

 

「え、姉さん……」

「そう。私たちの故郷カムイ州が、戦場になるかもしれない……」

 

 さすがのゴウガも事の重大さに気づいて姿勢を正した。そんな弟を見て、ユイは努めて明るい声で補足する。

 

「まあ、不可侵条約もあるし、その可能性は低いって統合幕僚本部は見ているわ。元赤壁連合の空域を通る必要もあるしね。ただ、可能性がある限り備えるのが軍隊ってやつ。あんまり気に病む必要はないわよ。私たちはいつも通り訓練していればいい。他の隊と連携してね。……あれ? そういえば402の連中は?」

「ああ、アラヤたちだったら、新装備を試しに出ているよ」

 

 




【完結】NGチルドレン もよろしくお願いします
https://syosetu.org/novel/323311/
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