【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ   作:ガルカンテツ

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Part-D

 五大術家の一つ横須賀家は、本州第四惑星カントウにあった。

 

 横須賀家の本宅は洋館として建てられている。その玄関前にある車寄せに黒乗りの車両が止まった。そこから降りて来る女性が一人。

 

「お久しぶりです。サンさん」

 

 出迎えたのは、横須賀家当主の一人娘横須賀リン。リンは白いロングスカートの長袖ワンピースを着ていた。

 

「久しぶりね。リン。お世話になります」

「こちらこそよろしくお願いします。さあ中へ」

 

 客人サン・ディエゴは、赤いTシャツにジーンズというラフな格好だ。今の季節は冬。

 

「その恰好寒く無いですか?」

「あはは、向こうは常夏だから、そのままで来ちゃった。後で冬服の買い物付き合ってね」

「それはいいですけど……ところでなんでウチなんです?シュユとかアラヤの所かと」

「まあ、さすがに弟子の所に転がり込むのはね……後、別の理由もあって……」

 

 2人が玄関をくぐってロビーに入ると、リンによく似た女性が待っていた。

 

「サーン!!久しぶりー!」

「マリアー!」

 

 その女性とサンが抱き合う。女性はリンの母親で横須賀家の現当主横須賀マリアだ。髪もリンと同じ濃い藍色で、まるでリンがそのまま大きくなったように似ている。

 

「あれ?母様とお知り合いなんですか!?」

「ふふふ、そうだよリン。マリアとは連邦の中学で一緒だったのさ」

「連邦の中学?ああ、それでニューズともお知り合いだったのですね?」

「そういうこと。昔は3人でバカやったもんだ。な?マリア」

「ええ、懐かしいわね」

 

 横須賀家は地球自由連邦と関りが多く留学も良くしている。そのときに知り合ったらしい。連邦の中学を卒業すると3人はそれぞれ別の道を行くことになるが今でも親友とのこと。

 

「リンに会った時、直ぐに分ったわ。マリアの子供の頃とそっくりね」

「でしょう!?リンちゃんは美人だし!才能もピカ一だし自慢の娘よ!」

「ちょっと母様!」

 

 照れるリンをからかいながら、3人は応接室に向かう。家政婦さんにお茶を入れて貰って一息つく。

 

「サンさんの部屋を用意しました。送られた荷物は部屋に運んでありますので後で確認をお願いしますね」

「ありがとうリン。しばらくお世話になるよ」

「えー!ずっと居ていいのに」

「そうもいかないよマリア。仕事をするために皇国に来たんだからね。給料貰ったら家を買ってそこに住むよ」

 

 連邦の魔女サン・ディエゴは、皇国で霊電子技術に関して協力することを約束している。

 当初は連邦の四大魔女の一人が来るということで警戒されていたが、横須賀家の後押しもあり実現した。

 

「仕事ですか。ウチは大歓迎なんですけど、連邦を出る時なんか言われませんでした?」

「心配ありがとうリン。大丈夫、根回し済みだし『魔女の森』には出ていくことに喜んでいるヤツも居たしね。せいせいしたさ」

 

 『魔女の森』ことノーフォーク魔術同盟という組織は権威主義であり、内部での競争が激しく機会があればライバルを蹴落とそうとする。特に賢者(wizard)ランクなどの高位の魔女には羨望とともに嫉妬も同じくらい受けるように。

 最近、連邦軍から軍に参加するように矢のような催促もあり、煩わしくなって知り合いも多い皇国に来たとのこと。

 

「そうですか。それならば良かった」

「リンちゃんは心配症ね?」

「だって母様」

「それにリンちゃんの為でもあるのよ?」

「え?」

 

 急に自分の話が出て戸惑うリン。サンはニヤリとして告げる。

 

「リン、君が皇国での最初の生徒だ」

「ええー!」

「これでシュユやアラヤと同じだな!妹弟子ってこと」

 

 初耳で驚いたが、サンの人となりは知っているので彼女に学べることは率直にありがたい。後、シュユやアラヤと同じ弟子になれるのもちょっと嬉しい。

 

「すまんが厳しくするぞ。時間がないのでな」

「時間、ですか?」

「ああ、そろそろ戦争の時代になる。皇国も巻き込まれることもあるだろう。リンも含め弟子達に私の全てを叩きこむ。皆が生き残れるように」

「サンさん……いえ、サン先生。よろしくお願いします」

「うむ」

「がんばってねリンちゃん」

「はい母様」

 

 決意した顔を見せるリン。厳しい表情だったサンは、ちょっと和らげる。

 

「平和になった時代にリンとあいつの子供も見たいしな」

「え!?リンちゃんに好きな人が!?誰それ!?詳しく!サン!」

「もう!サン先生ったら!母様も乗らないで!」

 




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【完結】NGチルドレン もよろしくお願いします
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