【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ   作:ガルカンテツ

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Part-B

「報告! 汎ペルセウス帝国軍がローマリア共和国領内に侵攻しました!」

 

 フランクス王国の宮殿会議室。国王シャルルⅢ世と軍参謀総長をはじめ、軍の重鎮が集まっていた。以前から帝国の動向を警戒していた矢先、共和国から帝国軍へ内乱鎮圧のための治安維持依頼が出る。これが単なる治安維持に終わるはずがないことは、誰もが予見していた。

 

 急報を受け、若き国王が即座に反応する。

 

「そうか、ここまでは予定通りだね」

「いえ、それが陛下……」

「ん? どうした」

「帝国軍はローマリアの首都を通過。そのまま銀河方位南へと全速で進軍、現在行方不明となっています」

「通過だと? 反乱鎮圧が目的ではないのか」

「はっ! 加えて、帝国軍の規模は4個艦隊、120隻以上とのことです!」

 

 それは単なる鎮圧部隊の規模を遥かに超えている。本格的な侵略戦争を意図した大軍勢だ。

 

「南方向……地球自由連邦か?」

 

 北の汎ペルセウス帝国と南の地球自由連邦の間には、フランクス王国とローマリア共和国が挟まれている。

 東の王国は連邦寄り、西の共和国は帝国寄り。かつては均衡を保っていた地政学的バランスが、今まさに崩れようとしていた。

 

 サミットテロ以降、沈黙を保っていた帝国。その沈黙が、牙を剥く準備であったことは今や明白だ。

 

「やはり連邦へ侵攻するつもりでしょうか、陛下。まだ宣戦布告は出されておりませんが」

「そうとしか考えられないね。共和国を侵攻ルートとして使うつもりか」

「恐らくはマジノ要塞の堅牢さを忌避したのでしょう。王国ではなく共和国側を利用するのは想定の範囲内です」

 

 軍参謀総長は確信を持って答えたが、シャルルⅢ世の表情には拭えない違和感が滲んでいた。

 

「王国の霊電子戦艦部隊の状況は?」

「共和国国境付近に展開中です。戦略情報収集艦S1616『ル・トリオンファン』より、共和国南側、連邦との国境付近で霊網(Aether Network)の異常な活性化を確認したとの報告がありました。帝国軍の霊電子戦艦、Uボート群が(うごめ)いているものと思われます」

「そうか。念のため、共和国側の銀河航路付近の警備を最大級に引き上げよう」

「御意に」

 

――

 

「Fxck! ドワーフのクソガキどもが、好き勝手しやがって!」

 

 連邦軍の戦略情報収集艦SSGN-1736『オハイオ』の艦長、魔女ブレマー・キトサップは激昂していた。

 

 地球自由連邦とローマリア共和国の国境付近で活動していた第九霊電子艦群だが、現在、原因不明の広域妨害に遭い、対応に苦慮していた。相手はUボートと呼ばれる汎ペルセウス帝国の特化型霊電子戦艦だ。

 

「『ミシガン』の消息はまだ掴めないのか!?」

「はい! 霊網(Aether Network)が遮断されて以来、一切の応答がありません。僚艦『フロリダ』も霊探(Aether Radar)で捜索を続けていますが、断続的に霊電子攻撃(AEA)を受けています!」

「ウチが霊電子戦(Aether Electronic Warfare)で遅れを取るとはね……」

 

 連邦軍は、共和国へ侵攻した帝国軍の動向を監視するため、SSGN-1737『ミシガン』とSSGN-1738『フロリダ』を極秘裏に共和国内に潜入させていた。

 だが、既に配置についていた帝国のUボート群に『ミシガン』が捕捉されたらしい。単艦の性能では連邦側が勝るが、帝国のUボートは圧倒的な数による物量作戦を仕掛けてきていた。

 

「艦長、超円環素子(Hyper torus element)通信が途絶。素子が物理的に破壊されたようです……恐らく、大破ないし撃沈されたかと……」

「Fxck! Fuxk! Fuxck!」

 




【完結】NGチルドレン もよろしくお願いします
https://syosetu.org/novel/323311/
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