【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ   作:ガルカンテツ

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第二十二話 布告
Part-A


「皇帝陛下、申し訳ありません。アルデンヌ州入りの情報が王国に知られてしまったようです」

「構わん。どうせ直ぐ公表することだ。それよりも勇気ある駆逐艦の乗組員を遇してやってくれ」

「御意、全員階級特進と褒章を授与します」

 

 共和国からアルデンヌ州に入る際、事前に光学観測等で確認はしているが、現在の状況は行ってみないと分からない。公募し手を上げたいくつかの駆逐艦艦長から選ばれた者が、数か所の未知の空域へ次元弾道跳躍(Dimension ballistic leap)を実施。事故の可能性もあったが問題なく着空でき、後続の艦隊が進むことができた。

 

「アルデンヌ州の警備隊は既に降伏しています。州のステーションに出航前の補給艦が係留されていましたので接収しました」

「ほう、物資は?」

「食料ですね。生鮮食品で野菜や肉などもありました」

「それは良い。士気も上がるだろう。キミヒトも「腹が減っては戦ができぬ」と言っていたしな」

「はい、本国から食料品も持ってきていますが、保存のきく戦闘糧食が大半ですから」

 

 『グラーフ・ツェッペリン』の艦橋で艦隊司令から報告を受けていると士官が呼びに来た。

 

「失礼します!陛下!準備が整いました!」

「そうか分かった」

 

 皇帝はゆっくりと立ち上がり、艦橋員全員の敬礼で送られ艦橋を出る。

 

--

 

 『かが』の第二食堂で、第401人型機動戦闘飛行隊第一中隊第一小隊4人で打ち合わせを行っていたところ、艦内放送で公共チャンネルを見るように指示があった。

 

 銀河国家群で、一つの巨大なネットワークが整備されている。超円環素子(Super torus element)通信で構築された銀河ネットは、地球時代のインターネットのように一般にも開放され、様々な情報がリアルタイムで共有できた。報道や娯楽、国家の情報発信などに利用されている。

 

「なんだ?」

 

 小隊の海田ガイが、手首のリングをタップして、ナノボットにより画面を表示した。

 

 そこには汎ペルセウス帝国の国旗鉄血十字旗がはためく映像が映っている。

 

「流れてるのは帝国国歌ね」

 

 横田ユイも同じように映像を表示する。この緊急放送は、帝国のチャンネルやその他多数のチャンネルでも流されていて何か重要な発表があるかもと説明があった。他の乗組員も映像を注目する。

 

 しばらくすると画面が変り、立派な顎鬚を生やした傷だらけの顔の男性が映った。

 

「ひっ!」

 

 迫力ある顔のアップに信太山ケイが思わず悲鳴を上げかける。

 

「帝国の皇帝だね」

 

 最近、フランクス王国国王と縁があったことから、外国の首脳を調べていた星菱レイが説明を入れる。しかし前はあんな傷はなかったはずだ。例のテロの傷だろうか。

 

 全銀河国家群でも帝国の緊急放送が注目されていた。

 

--

 

『余は汎ペルセウス帝国皇帝フリードリヒⅣ世である』

 

 大八洲皇国の女帝は、執務室で帝国の臨時放送を見ていた。

 

「生きておられたのですね……」

 

 皇帝はサミットテロの後、一切姿を見せていない。死亡説も流れていたが生きていることが確認できた。傷跡を見る限り無事でとは言えないが。

 

 女帝は直接皇帝と会ったことはないが、先帝が学生時代に交流が会ったことは聞いている。その時の事を語る先帝が珍しく楽しそうにしていたことを思いだす。

 

--

 

『まずはサミットテロで亡くなった方々の葬儀に参加できなかったことを詫びる』

 

 皇帝は画面の中で頭を下げ黙とうする。

 

「ドワーフエンペラーが!もっと他に詫びることがあるだろうが!」

 

 『オハイオ』の艦長魔女ブレマー・キトサップが帝国の放送を見ながら悪態をつく。

 

「この放送はどこからかは分かったか!?」

「いくつもルートを経由していますが、どうやらフランクス王国内から発信されています。既に帝国艦隊は王国に深く入り込んでいるようです」

「Fxck!ドワーフどもの狙いはオークだったってことかよ!まんまと騙された!」

 

 オークとはフランクス王国人に対する蔑称だ。2隻失っている第9霊電子艦群としては、このままでは済まされない。

 

「この業界舐められっぱなしでは終われねーのよ!絶対落とし前を付けてやるからな!ドワーフ共!」

 

 いつぞやの『そうりゅう』艦長呉ナゴミ2等術佐と同じようなことを叫びつつ、画面の皇帝に中指を立てた。

 




【完結】NGチルドレン もよろしくお願いします
https://syosetu.org/novel/323311/
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