【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ 作:ガルカンテツ
Part-A
人類発祥の地。地球のある太陽系は、
地球自由連邦の北東部に位置し、いわゆる辺境と呼ばれている。
そんな太陽系の外縁部に帝国の艦隊が
「全艦艇着空しました」
「ソナー。状況は?」
「周囲1光時に感ありません」
「よろしい。稼働全機発艦始め!」
第1機動隊群司令ハンプシャ・ポーツマス大将の号令によって、旗艦空母『グラーフ・ツェッペリン』の艦橋は俄然騒がしくなった。
「
「第一目標は第三惑星の衛星『月』の連邦軍基地。第二目標は有人防衛拠点。第三目標は無人監視ステーション」
「ティーガー隊の発艦を優先!スツーカ隊は装甲擲弾兵分隊の搭乗を急げ!」
全長1,200mもある『グラーフ・ツェッペリン』は大量の機動戦闘機を搭載している。
主力である戦士型HFティーガーは数が少なく、それを補うため旧式の航空機型機動戦闘機も運用していた。
空母の側面にある扉が開きアームに吊るされた機体がスライドしてくる。その機体は航空機型機動戦闘機であるBf109メッサーシュミット。スライドしきるとアームから外され、機体後部のイオンドライブノズルから青白いプラズマ状イオンが噴き出し加速を始めた。扉は他にもあり次々と機体を排出し、多数のメッサーシュミットが一気に発艦していく。
メッサーシュミットがある程度空母から離れるとイオンドライブを停止、真空中では無意味なはずの翼の上に気流のようなものが流れ始め、機体が一気に加速する。
その翼は艦艇にも使用されている
艦橋が発艦作業で多忙になっていると、ポーツマス大将に通信が入る。ウィンドウに皇帝の傷だらけの顔が映された。
「陛下!やはり出陣なさるので?」
『うむ。ひさびさに戦場の空気を感じたくてな。なに心配は要らぬ。サミット時に周辺空域を下見していたので土地勘は既にあるぞ。遅刻してキミヒトに怒られてしまったがな。がっはっは』
「はぁ。止めても無駄なようですな」
『なあに、まだ初戦だ。危なくはないぞ。では行ってくる』
「お気を付けて」
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「はー、退屈だ……」
「なにサボってるんですか室長」
「こんな辺境に誰が来るってんだよ」
太陽系第四惑星火星にある地球自由連邦軍の有人防衛拠点にある空域監視室で、室長の男性とオペレータの女性が監視任務に就いていた。空域監視室は太陽系内にある多数の無人監視ステーションからの情報を確認することが任務。
オペレータが溜息をついて監視モニタに戻る。
「まったくもう……あれ?なにか反応が?」
「なんだ?彗星かなんかか?」
「いえ、S375ステーションからの情報なんですが……光速の30%で飛来する物体が……あれ?通信が途切れた?」
「光速の30%だと?太陽系外から飛んできたのか?そんな物体の報告はなかったが」
「S375ステーションからのリンクが途切れました!そんな……S367、S456、S267も通信途絶!多数の無人監視ステーションが破壊されているようです!」
「なに!?一体誰が……ともかくアリスタルコス要塞に連絡だ!」
「はい!」
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地球の衛星『月』上にあるクレーター、アリスタルコス・クレーターに連邦軍の防衛拠点が建築されていた。軍艦も収容できる軍港になっており、太陽系を防衛するための軍事力が集約されている。
とは言っても最前線でもなく辺境の土地で防衛すべきものは遺跡のような地球のみだ。防衛用の装備も、旧式の軍艦や一世代前のHFなどで占められている。
そのアリスタルコス要塞が大騒ぎになっていた。太陽系内にある無人監視ステーションが次々に通信途絶。
司令室は魔女により広域
基地司令も突然の事態に困惑していた。
「ばかな……一体どこの軍だ?」
「霊紋を解析!帝国軍の軍艦です!」
「なんだと!フランクス王国との間には銀河航路は無いはずだ!」
「フランクス侵攻と同じ方法でしょうか?」
「アルデンヌ州への航路開拓か。距離が全然違うから新規開拓は……いやそれより防衛体制に!」
基地司令の指示で、慣れない防衛隊の出動が掛かる。訓練はしているが実戦経験ないものが殆どだ。基地司令は有人防衛拠点からの退避と、援軍依頼のため連邦軍統合参謀本部への連絡も指示する。
「今から援軍は間に合わんな……」