【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ   作:ガルカンテツ

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Part-B

 第三惑星地球に向けて、十数本の光が向かっていた。

 

 その光の一つ、彗燐光を纏った駆逐戦士型HFヤークトティーガーに通信が入る。通信ウィンドウには灰色ローブを着た祭司の少年の緊張した表情が映った。

 

『イェーガー01。こちらナハトウーフー04。敵HFを捉えました!』

「ナハトウーフー04。こちらイェーガー01。数と機種は?」

『機種は騎士型HFF-5EタイガーⅡ12機!魔女型HFF-4DファントムⅡ1機です!』

「一世代前の旧式だな。了解した。後方に下がってくれ。エスコート感謝する」

ヤヴォール(Jawohl)!ご武運を!』

 

 早期警戒型HF He219ウーフーからの通信が終了する。ジークフリート・ビルケンフェルト少佐は共有された敵機情報から各機の割り当てを行い、同じ隊の第52戦闘航空団(Jagdgeschwader52)第I飛行隊隊員に通信を繋げた。

 

「第I飛行隊各機。こちらイェーガー01。敵HFの情報は共有した通りだ。HFは旧式だが油断するな。奇しくも我々と同じ『虎』の名を冠した敵だ。どちらが本物か教えてやれ」

 

 各機から了解の返答が入る。

 

「04、05。グスタフ01を護衛して先行しろ」

『『ヤヴォール(Jawohl)!』』

 

 コールサイン『グスタフ01』に搭乗しているグンテル・グリュックスブルク中佐にも通信を繋ぐ。

 

「グスタフ01。こちらイェーガー01。護衛を付けましたので先行してください。敵HFはこちらで引き付けます」

『イェーガー01。こちらグスタフ01。護衛感謝。お先に行かせていただきますぞ』

 

 通信ウィンドウに移った禿頭の男は感謝を述べる。グンテルの乗機、魔道重砲兵型HFシュヴェラー・グスタフは、護衛を引き連れて加速を開始した。

 

 第I飛行隊も連邦軍の敵HFに向けて加速する。

 

--

 

「まだ戦艦は出せんのか!」

「戦艦アリゾナ、オクラホマは、まだ機関始動中です!後、30分は必要かと!」

「くそ!ポンコツが!」

 

 月の連邦軍基地アリスタルコス要塞の司令室は騒然としていた。

 

 基地には機動兵器であるHFの他に何隻か軍艦が停泊しているが、旧式のものしかなく、また修理などの為に完全に停止状態であったため直ぐに出航できる状態ではなかった。軍港では早く出航させようと大騒ぎだ。

 

「味方HFが敵と交戦に入ります!」

「そうか。少しでも時間を稼いでくれ……」

 

--

 

 ジークフリートは、両手剣グラムの一撃で敵HFタイガーⅡを真っ二つした。胴体を両断したことで霊子が一気に開放され爆発を起こす。

 

 各機も交戦に入り、HFが入り乱れる。タイガーⅡはフルプレートアーマーだが、最新のイーグル系よりも軽装甲であった。こちらのHFティーガーの重装甲とは比べ物にならない。それを考慮しても敵HFの動きが鈍い。熟練パイロットではないようだ。

 

 味方機と共に次々に敵HFを落していると、操魂球(Cockpit Sphere)内にAIM(対空迎撃魔術(Air Intercept Magic))警報が流れる。

 

 AIMが飛んでくる方向に機体を向け、AIM全弾をグラムで叩き落とす。

 

「こちらイェーガー01。AIM攻撃機を迎撃する。ここを頼む」

 

 イェーガー01は、AIMを発射した機体を特定し急行。後方に位置していたAIM攻撃機を補足する。

 AIMを放ったのは、魔女型HFF-4DファントムⅡ。同じ魔女型のHFF-14Aトムキャットより、一世代古い機体だ。箒型の外部霊子ストレージも装備していない。近接武器も無いので、逃げるしかないのだろう。踵を返して逃走に移る。

 しかし、こちらの方が加速性能も上のため、あっさり追いつく。

 

 HFの表情は分からないが、魔女型HFの様子から恐怖を感じていることは伝わる。

 

「すまんな……」

 

 黒いローブに隠れた足を切断する。この程度の損傷であればAIM攻撃はできないが、移動は可能で帰還できるだろう。

 

 状況を確認すると、敵HFは全滅。味方の損傷はないようだ。

 

「第I飛行隊各機。こちらイェーガー01。我々も目標に向け急行する。まだまだ初戦だ。気を引き締めろ」

 

 各機から了解(ヤヴォール)の返答が来る。(いくさ)はまだ始まったばかりだ。

 




【完結】NGチルドレン もよろしくお願いします
https://syosetu.org/novel/323311/
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