【第二部開始】人型機動兵器ヒューマンフレーム・ゼロ 作:ガルカンテツ
太陽系第七惑星軌道付近で、帝国と連邦の機動戦闘機300機以上が交戦に入った。
帝国はBf109メッサーシュミット。連邦はF6Fヘルキャット。どちらも一人乗り航空機型機動戦闘機でHFが開発されるまでは一線級の機動兵器であった。
民間船、例えば貨物船や客船でkmレベルの大型艦も動かすエネルギーを出力する
しかしHFの登場により二線級に落ちてしまう。ただHFは開発が難しく数を揃えられないため現在も使用されている。
機動戦闘機が入り乱れるが戦場空域は広く、双方中々撃墜されない。連邦側の数が上回っているが、帝国側も積極的な攻勢には出ておらず停滞していた。
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「506各機。こちらガヘリス01。敵HFは小惑星の影に隠れるようにしている。全周警戒し不意をつかれないように注意せよ」
第5機動騎士団第506機動戦闘飛行隊隊長ビュート・アーガイル大尉は、同飛行隊のメンバーに注意喚起する。
第五惑星木星と第四惑星火星の間にある
通常の移動の邪魔になるほどではないが、光速の何十パーセントの速度を出すと、衝突する可能性がある。小惑星は最大で1,000km、100kmを超える天体も200個を超える。このレベルになると重力も発生しており、衝突でダメージを受けるだろう。
霊電子戦は今も続いており霊探も正確さを欠く状況。無闇に突っ込んで小惑星の影から不意を突かれかねない。機銃を使用した星間機動戦ではなく、近接格闘戦になりそうだ。
「ガヘリス02。こちらガヘリス01。君の機体は試験機だ。格闘戦では無理しないように」
『ガヘリス01。こちらガヘリス02。大丈夫だよ、お兄ちゃん!格闘戦はむしろ望むところ!男尊女卑の帝国なんか私の双剣カナードの錆にしちゃうよ!』
コールサイン『ガヘリス02』は、ユースティア・ラングレー少尉。12貴族出身者のグループ『
乗機は、HFF-15ACTIVE アジャイルイーグル。ビュートの言う通り、本来はイーグルの派生型高機動試験機である。ただ、彼女がテストパイロットを務め、相性が抜群に良かったので実戦でも乗機としていた。
高機動試験機の名の通り、通常のイーグルよりも高機動なのが特徴で、特に接近戦での立ち回りでは通常のイーグルを圧倒する。彼女はショートソード二刀流を使いこなし接近格闘戦ではエース級だ。
「分った。無茶はするなよ。後、『お兄ちゃん』は止めなさい。コールサインで呼ぶこと」
『イエッサーです!おに……ガヘリス01!』
複雑な事情のある2人だが、今はそんな場合ではない。帝国のHFティーガーと連邦のHFイーグルは同じくらいの性能で、格闘性能も違いはない。そんな中ユースティアの存在は大きなアドバンテージになるだろう。
「506各機。こちらガヘリス01。これより小惑星帯に突入する!」
『『『Yes Sir!』』』
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太陽系第4惑星火星は赤みを帯びた外観を持つ地球型惑星だが、テラフォーミングの実験台として大気を作ったり消したり海を作ったり消したりして、現在は居住不可となっている。
連邦のイーグルが火星上空に到着した時には、帝国のティーガーは既に火星に降下し、地上で待ち構えているようだ。迎撃のため全方位に死角が無いように火星上に散らばっていた。
HFは重力圏降下時に重力制御の霊子出力低下で無防備になる。惑星攻防戦では、そこを地上から迎撃されるため先に惑星揚陸する方が有利。
だが今回は連邦側が対策済みだ。
『ユーウェイン24。こちらユーウェイン01。準備は出来ているか?』
「ユーウェイン01。こちらユーウェイン24。はい、問題ありません」
『ではたのむ』
火星上空に箒に跨った魔女が飛んでいた。
HFF-14A トムキャットと同じフレームの、HFF-14D クイックストライクという発展型だ。対地攻撃を強化した型で、ボムキャットとも呼ばれる。
箒型の外部霊子ストレージに、ミリィの様に横座りではなく跨って座っているが、こちらが魔女型としては一般的。
「
コールサイン『ユーウェイン24』の周りに4つの魔法陣が形成された。それは黒い宇宙空間でも、より黒く見え、黒い火花を散らす。
「Lonely jet-black wolf, thrust your fangs into the enemies below and destroy them.(孤独な漆黒の狼よ、眼下の敵にその牙を突き立て破壊せよ) 霊波誘導対地攻撃魔術ナンバー65『マーベリック』ファイア!」
黒い魔法陣から漆黒の獣が解き放たれる。4匹の獣は地表に高速で降り、帝国HFに襲い掛かった。
火星上で警戒していたティーガーは不意を突かれ、その顎の犠牲になる。
『各機へ!こちらユーウェイン01!24の攻撃で開いた空隙に向けて突入!地上の敵HFを殲滅せよ!24はここで待機!』
地上の