呪術廻戦~暴と星と酒…遅延の春~   作:スペル

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本日2度目の更新となります。
ご注意の程よろしくお願いします。














もう誰も独りにはさせない――――五条悟。


第十三話 新たな青い春への取引と…

終わりとした一種の会談。しかしそれに待ったを掛けた五条の言葉に三人の足が止まる。

 

「提案だ?」

 

「俺たちにか?」

 

五条の言葉に話と聞いたとき以上に懐疑的な顔を見せる二人。逆に時雨はまだ仕事が終わっていないと意識を切り替え、二人に席に着くように促す。

時雨からの後押しもあり、二人もまた再び席に腰を殺す。

 

「それで提案って何だ?」

 

「言っておくが、下らない話だったらその時点で終わりだ」

 

聞くだけは聞いてやる。そんな態度の二人だが、五条は構わず口を開いた。

 

「呪術界を変えたい。

知ってるとおもうけど、上層部は腐ってる。

そのせいで傑が、灰原が死んだって言うなら俺は責任を取らないと行けない」

 

「大した覚悟だがどうすんだ?

俺たちを使って皆殺しでもするか?」

 

「だとしたら辞めとけ。

首を落としたところで、また同じ様な首が添えられるだけだ」

 

「つかこれ以上、下らない話をするなら帰るぞ」

 

「違う。

それぐらい。俺でも分かる」

 

何処か呆れた二人の言葉を五条は否定する。じゃあどうするんだと言いたげな二人の視線に御状は口を開く。

 

「だから強くて聡い仲間を育てる。

上が駄目なら下から変えてやる!!

もう誰も独りにしな為に」

 

「その為に協力しろってか?」

 

「ああ。そうだ」

 

此処に来て二人は五条悟の目的を理解した。その言葉が嘘ではないと理解できる。先程とは違う沈黙。しばし無音が支配する中、時雨は僅かに視線を二人に向ける。

思考の巡回。先に答えたのは暁だった。

 

「お前の目的も理解した。

その上で俺たちにやらせたいことも何となく理解したが…」

 

「それをして俺たちに何の得があんだよ、ガキ。

呪詛師側の俺たちからすれば、今更呪術界が良くなろうが至極どうでも良い」

 

「ッ!?

おまえらの呪詛師認定を外してやる。

五条家の力があれば確実に出来る」

 

「別に今更だな」

 

「必要性を感じねえな」

 

出てきた言葉は否定的な単語。何とか五条は引き込もうとするがそれでも反応は悪い。自分の決意も覚悟も彼らの前には心底どうでも良いのだ。最強であるはずの自分でさえ歯牙に掛けないナニカが二人にはある。

そして今後を考える上で、それは五条は抱き込みたいのだが上手くいかない。

どうすべきかと巡航する中、同時に二つの電子音が響く。

その電子音に反応する様に甚爾と暁は、ポケットから携帯を取りだして画面に映る名前を見て顔をしかめる。そして何故か、顔を見合わせ深く溜息をつき電話に出る。

 

「「―――――――」」

 

しばし通信相手とやり取りをして通話が終わった二人は携帯をポッケに戻すと、再び顔を見合わせ深く溜息を吐いた。

そして何か言いたげな五条の方に視線を向けると口を開く。

 

「おい、五条悟。

さっきの話だが、条件を呑むなら受けてやる」

 

「は?」

 

「おいおい。俺たちがお前の理想論に手を貸してやるって言ったんだよ。

もっと嬉しそうにしやがれ、ガキ」

 

「…いきなりどういうつもりだ」

 

先程と180度異なる言葉に唖然とする五条に変わって、夜蛾が二人の真意を問う。夜蛾の言葉に二人は嫌そうな顔をしながら口を開く。

 

「別に…こっちもこっちで色々あんだよ。

そもそもよく考えたら、俺たちも上層部は嫌いだからな。

嫌がらせをするってなら、否定する理由はねえ」

 

「あの暴君共は…まあ分かっていると思うがさっきの電話が主な理由だが、心配しなくてもこっちの条件を呑んでくれるならしっかり協力する。縛りを結んでもいい。何より第三者として時雨に見届人になってもらえば充分だろ」

 

「その理由は?」

 

「「言えない」」

 

夜蛾の問いに二人は口をそろえて拒否する。その言葉が益々二人への懐疑を膨らませるが、当人達は意に介さない。

 

「別に問題ねえだろ。

俺たちは仲間でも無ければ、友達でも無い。

だから、契約程優れた関係はねぇ。

オマエらが俺たちの要望を呑むなら俺たちもお前に力を貸す。これ以上信用できる関係を俺らの間で作ろうとしても無理だろ」

 

「…良いぜ」

 

「悟!!」

 

甚爾の言葉がトドメになったのか五条は二人の提案を受け入れる。そんな五条に夜蛾が苦言を訂そうとするがそれを制する。

 

「良いんだよ。

こいつらの言う通りだ。俺はこいつらが大っ嫌いだ!

だけど、俺の夢のために精々上手く使ってやるよ」

 

「はっ!

口先だけは戻ったな。精々、後ろから刺されないように気をつけるんだな」

 

互いに手は取り合う。しかし互いの喉元に刃を突きつけた状態でだ。

殺気を隠すこと無く笑う甚爾と五条。二人を警戒して見つめる夜蛾。興味無しという表情をしながらも何処か五条を気遣う視線を含ませている家入。殺気を見せる甚爾に呆れながらも俺も同族かと携帯の画面を見つめながら笑う暁。

そんな五人を見て、後を考えて疲れたように溜息を吐く時雨。

 

この日をもって呪術界は大いなる変革の時を待つことになる。歴史に残ることの無い孤独の最強比翼の最凶のたった一度の同盟が結ばれた。

 

こうして覚醒と挫折を経て、五条悟の青い春は終わりを迎えた。

 

 

 玉折_完 




誰も独りにはさせない。
ハハ。ギャグかよ。綺麗事でまとめるなよ。
違うだろう。お前が独りぼっちが寂しいだけだろ、ガキ。
花も無い白黒の世界で生きるのが辛いだけだろ。何格好つけてやがる。
いっちょ前に人間みたいなことを言うなよ、化物(さいきょう)。――――比翼の最凶
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