何にも思いつかないから、オススメ紹介で逃げます。
【黄泉返りの国家転覆】です!!
シンプルに戦闘狂の主人公の生き様と僅かに見せる情?が凄くいいです!!
バトルも見応えがありますし、呪術界戦のどす黒さが綺麗に描写されています。
主人公、ある意味でピエロな気がしますが、これは読んだ人次第になるかな?
都心部にある某ホテル。クラスの担任である
教えられた部屋へと夏油が向かう最中の襲撃。相棒である夏油が無事天内の身を確保した事を確認した五畳は一先ず安堵する。そこへ襲いかかるは、無数の刃。しかし五条は何もしない。ある距離に達した瞬間、刃はまるで時が止まったように停止する。無下限による不可侵の絶対防御だ。
「素晴らしい。
君、五条悟君だろ。有名人だ。強いんだってね、君」
五条が振り返るとそこには可笑しな服装をした覆面男が一人。
「噂が本当か確かめさせてくれるかい?」
呪詛師集団【Q】の戦闘員バイエルは自信満々に五条へと宣戦布告を告げる。告げられた五条は欠伸でもしそうな程、退屈そうに「いいよ」と答える。が、何かを思い出したかの様に一つ付け加える。
「あ!そーだ。
ルールを決めないと」
「ルール?」
「そ。やり過ぎて怒られたくないからね。
泣いて謝れば、殺さずに許してやるよ。
これがルールね」
「…クソガキが!!」
◆
ホテル上空部。宙へと放り出された天内を飛行型呪霊で保護した夏油の前にも呪詛師集団【Q】の戦闘員コークンと対敵する。
「派手なのは勘弁してくれるかな。
今朝怒られたばかりなんだ」
「その制服、高専の者だな。
ガキを渡せ。然もなくば殺すぞ!!」
「聞こえないな。
もっと近くで大きな声で喋ってくれ」
これより、星漿体天内理子の護衛任務が始まった。そして開幕を見守る観客が三人。
「始まったな。
手はず通り、盤星教との契約は結べたぞ」
「オッケー、オッケー。
代金は値上げしたんだよな」
「苦労したがな」
「それれじゃあまあ、まずはお手並み拝見といこうか。
なあ、甚爾」
「ああ、そうだな。
精々、頑張って貰おうか」
ホテルから少し離れた地点から、まるで劇を観戦する客のように、甚爾・暁・時雨の三人は高専最強と【Q】による結末の見えた戦いを観戦した。
◆◇◆◇◆◇◆
呪詛師集団【Q】を瓦解させた五条と夏油の二人は、天内の所属する学園に向かう為に護衛を続けている。それを確認した甚爾は呆れた顔を見せる。
「マジかよ。
殺害予告受けてる対象をわざわざ不特定多数がいる学校に居させるとか、素人かよ」
「由基が言ってたとおりになったな」
「それでも、もう少しマシな方法があるだろ」
作戦を練る段階で、星漿体と護衛が合流した時点でセキュリティ万全の高専に逃げ込まれる事を危険視していたが、その危険性を由基が否定した。曰く「星漿体の願望は可能な限り叶えるように天元から指示がある。そして星漿体はギリギリまで日常を過ごしたいと願うはず」だと。正に指摘したとおりの状況に、甚爾も暁も呆れともなんとも言えない顔を見せる。
「つか、ガキもガキだ。
「言いたい事は色々あるが所詮、ガキって事だろ。
まあ、お陰で作戦が順調に移行できるんだ。青臭さに感謝だな」
「はっ!それもそうだな」
危機管理能力の低さ。己の願望を優先してしまう子どもぽっさ。それを容認する自己能力の過大評価とリスクマネジメント不足。
裏を生きる甚爾と暁からすれば、殺してくれと言わんばかりの姿だ。そんなにも
そんな話をしていると時雨が戻ってくる。
「お疲れさん。首尾は?」
「問題なしだ。
呪詛師御用達の掲示板に天内理子の殺害依頼、四十八時間の制限時間付きで報奨金5000万。
しっかり依頼主は、盤星教って事にしてある」
「それなら、学校内で動きそうだな」
「つか、5000万ってどっから出たんだ?」
「由基のポケットマネーだ。あいつも本気だな。
しかも取り下げ後の差額は、お前らの懐に入れていいとよ」
「マジかよ!!
太っ腹だなおい!!」
時雨の報告を受けた暁は今後の展開を予測する。対して甚爾は資金源に疑問を持つが、時雨の続けての言葉に先程までの若干沈んだテンションが上がる。
「まあ兎に角、高専に引きこもらないのはありがたいな。
可能性は低いとは言え、無い訳じゃ無かったからな」
「バカなガキ共に感謝だな。
これで賞金に乗ってくる
「削りにはこれ以上に無い餌の間違いだろ?」
「そうとも言うな」
事前に確認したポイントで学園に入っていく四人を確認しながら二人は、ゲラゲラと笑う。そうこうしている間に事態は動く。
賞金に釣られた呪詛師達が学園に侵入してきたのだ。
「お!バカ共確認。
二人か…出だしは悪くないな」
「それじゃあ、次の段階に動くか。
黒井だっけか?拉致る準備するか。
コウ、盤星教の協力はどうなってる?」
「もう暫くすれば、所定の位置に人を回せるらしいな」
超人的な視力を誇る甚爾の言葉に暁は次手の準備を行う為の確認を時雨に問いかける。暁の言葉に時雨は携帯を取り出し確認事項が行われていることを告げる。
「おし!
此処がある意味で1番の難題だ。
最悪は呪具を使うが、俺らの存在は匂わせたくない。
頼むぜ、甚爾」
「誰に言ってやがる。
任せろ」
◆◇◆◇◆◇◆
「やっぱり、あいつらバカだろ」
「う~ん、否定できねぇ」
呆れる甚爾の言葉に暁も否定できずにいる。二人の視線の先には、意識を失い四肢をロープで拘束された女性
「何で護衛対象の最優先人物をフリーに済んだよ。
不特定多数から狙われてるって自覚あんのか?
少しでも頭の回るやつが居たら一巻の終わりだぞ。何のために二人組で護衛してんだよ」
甚爾の言葉が全てだった。五条が天内を引き連れ、学園から脱出している最中、黒井が呪詛師と対敵。無事に無力化すると、合流した夏油が何故か黒井を置き去りにする形で五条との合流を急いだ。
作戦のために黒井の身柄を欲していた二人は、余りの杜撰な護衛にチャンスでありながらも、唖然として数秒間動けなかった程だ。
二人が得た情報では、天内にとって世話係である黒井は、親の居ない彼女にとっては唯一の家族であり、他に明かせない秘密さえ共有する親友だ。
それが人質になるという危険性を理解できなとは…。最早二人からは言葉が消えていた。
「まあ、仕事がしやすくて良かったと割り切ろうぜ。
じゃあコウ、後は頼む。
分かってると思うが、殺すなって厳命して、適当な場所で取引やらしといてくれ」
思考停止する頭を振り払い暁が運転席にいる時雨に指示を出す。指示を受けた時雨は「お前らは、仲介者を足で使いすぎだろ」とぼやきながらも了解したと車を走らせる。
バンが視界から消え去ると、二人は適当なラーメン屋に入ると遅めの昼飯を取る。
「そう言えばよ、甚爾」
「あん?何だよ」
互いに注文したラーメンをすすりながら食べていると暁がふと気になっていた点を口にする。
「今回の呪具はお前に一任したけど、幾らしたんだ?
そしたら大赤字だ」
「ああ、それな。
奏の奴に、お前を売って格安で準備した」
「そうか、俺を……」
何気なく暁の問いに答えた甚爾。その言葉に納得いったという顔をする暁だが、少しの間をおき表情が固まる。
そして…
「てめえ!!何当然のように人を売ってんじゃねぇ!!
しかもさらりと悪魔の契約を結んでんじゃねえよ!!
答えろ!!何を売った!!」
ガシガシと甚爾を揺らすが当の本人は気にした様子も無くラーメンをすすっている。極めつけには、暁の行動が図々しく感じたのか、深く溜息を吐く。
「はぁー。
うるせぇな。男が一度決まったことでグチグチ言ってんじゃなねえよ。みっともない」
「お前それ、ギャグで言ってんだよな。そうだよな!!」
はーウザという表情を見せる甚爾に暁の怒りのボルテージが益々上がる。ラーメン屋の客も何だ何だと視線が集まり始める。
そこへ…
「お!
居た居た。お前らな、人を働かせて先に飯食ってんじゃねえよ。全く」
「おー遅かったな。
首尾はどうだ」
「うるせぇ、コウ!!
俺は今な、下手したら地獄の一丁目巡りをする可能性がある瀬戸際なんだよ!!」
時雨が合流する。甚爾は気さくに語りかけるが、暁は時雨を一切無視して甚爾に詰めかけている。二人の光景を見た時雨はまたバカな事をやってるなと呆れた表情を見せる。
そうして二人の隣に座ると、注文をして煙草に火を付ける。
「あー取引の件だが、笑うなよ。
取引場所は沖縄になった」
「「は?」」
周りに聞き取れないほど小声で告げた時雨の言葉を、超人的な聴覚で聞き取った甚爾と、呪力で強化した耳で聞き取った暁は、いざこざを止め真顔で時雨の方を向いた。
二人の視線を受けた時雨は、飯を食い終わったら説明するとして出されたラーメンをすすり始めた。
「それで何をどうなったら取引が沖縄になるんだ?
新手のギャグか?突発過ぎて笑えねえぞ」
「普通はインフラの整ってない地方だろ?
何で公共交通機関使わないと行けない場所を指定してんだよ。
どうやって拉致した奴を飛行機にのせんだよ、敵も味方もバカかよ」
食事を終えた三人は車に乗り込み先程の時雨の言葉を再確認する。二人のツッコミを受けた時雨も普通はそうだよなとぼやきながらも事情を説明する。
「移動についてはプライベートジェットを使うんだとよ。
場所は、最悪暗殺が失敗しても同化に間に合わせない為だとよ」
「はあ?」
「いやいや。だったら何で沖縄なんだよ。
候補地なら他にもあるだろ。インフラの整ってない地方なんじゃ、この国には腐るほどあるだろ」
時雨の説明を聞いても二人の疑問は消えない。寧ろ疑問は深まるばかりだ。そんな二人の反応に時雨も頭を抱えながら「俺もそう言ったんだが、向こうは聞かなくてな」と力なく項垂れる。
「それでどすうる。
計画から微妙にズレてるが…修正するか?」
「……いや、このまましよう。
何処に行こうが、ゴール地点は変わらないんだ。寧ろ、より安全に潜伏できると思えばプラスだ」
「アキラの言う通りだな。
後は掲示板で適当に情報散らしてやって、削りに緩急やればいいだろ。
どんだけ頑張ろうが五条悟が居る以上、呪詛師共じゃ星漿体が殺られる心配はねえ」
時雨の言葉に数秒考えた二人だが、出した答えは現状維持だった。二人の決定を聞いた時雨は了承し、次の作戦のための仕込みの為に連絡を回す。
そうし最期の準備を行い、二人はその時を待つ。
◆◇◆◇◆◇◆
護衛任務三日目(同化当日)時刻15:00(懸賞金取り下げから4時間経過)。
都立呪術高専
沖縄での護衛を終え、長い石段を上り終えた場所で、五条悟を含む四名はいた。
「皆、お疲れ様。
高専の結界内だ」
「これで一件落着じゃな!!」
「……そうですね」
「………」
任務の9割完了を確信。
「悟。
本当にお疲れ様」
親友の労いの言葉、そして高専の結界の中にいるという安堵から、五条は展開していた術式を停止させる。
「二度とごめんだ。
ガキのお守りは」
「お!」
疲労を隠すようにいつも通りの悪口を。そしてそれに反応する天内。誰もが高専の結界内に居るからこそ油断した。
まるで映像の中に挟み込んだ様に一本の刃が五条に突き刺さる。
――――馬鹿な!!
此処は高専結界の内側だぞ!!
状況を理解できない天内と黒井。辛うじて思考が動く夏油は、侵入者が居るにも関わらず結界に異常が起きない事態に驚き動き出せない。
そんな中、背中から奇襲を受けた五条は後ろを振り返る。
「アンタ…。
どっかで会ったか?」
「気にすんな。
俺も苦手だ。