勇者が病んだ!   作:氷華枦

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勇者様はいつも通り?

 

 

 

勇者様が魔獣の群れを倒しなんやかんや。

 

現在。

 

魔獣発生の原因と思われる魔鉱石の元へやってきました。

 

 

 

「これは、大きいとかそうゆうレベルじゃないですねぇ」 

 

「ああ!まさかこれ程とはな!?」

 

「…これは…すごいな」

 

 

 

勇者様の見つけた魔鉱石。

これは石と呼んでいいのでしょうか。

 

勇者様。

よくこんな場所見つけましたね。

 

 

 

「すごくない!!?すごくない!!?

見つけたときすげぇ!!!って言っちゃうぐらい凄いでしょ!!!」

 

「そうですねぇ…魔鉱石で出来た洞窟なんて始めてみましたよ」

 

 

 

そう。

勇者様が魔獣を引き連れる前。

勇者様の見つけたもの。

それは洞窟です。

 

木こりさんの小屋があった大木の森の抜け際。

枯れる大木の木の根っこ部分。

空洞があいて洞窟と繋がっています。

 

キラキラと魔力で煌めいたその洞窟は魔鉱石で出来ていました。

 

先程の魔獣の群れの数の多さに納得です。

ですがこれ程のものだと逆に少なかった気もしてきます。

 

 

 

「はぁ…飛竜の群れがいたのもこれが原因ですね」

 

「ん?何でだマキア?」

 

「竜は鱗で魔力を感知できます。

これ程の規模の魔鉱石です。

 

魔鉱石と魔獣たちの魔力を感じて降りてきて

魔獣たちをパクパク食べようとしていたのでは?

とそう思いました」

 

「なるほどな!」

 

「…これだけ大きな魔鉱石だ。

さっきの魔獣の量じゃ少なすぎる。

きっと魔獣たちは飛竜に食われた後だったんだろう」

 

「そこに勇者サマが魔獣たちを刺激してついてきた…

そうゆうことですか」

 

 

 

あ。ゾル様復活してます。

もう大丈夫なんでしょうか。

 

 

 

「探検してよかったね!!!

オレ達来なかったら飛竜がいなくなるまでずっと隠れてたんじゃない!!!」

 

「そうですねぇ。お手柄ですね勇者サマ"ッ」

 

 

 

あ。ダメです。

涙が凄いです。

普通の顔して涙が滝のようです。

 

ダン様。ゾル様を匿ってあげてます。

 

 

 

「あ~でも困ります。困りますよこれは」

 

「なんだマキア?

いつも通り魔鉱石を制御すれば良いだろう?」

 

「はぁ…カルテさん。

やはり少しは魔法の知識をつけてください。

 

これまで見つけた魔鉱石は大きくて3~4mの岩石程度。

こんな魔鉱石でできた洞窟なんて初めてです。

 

ひとりでこの洞窟全体に魔力を行き渡らせて。

しかも制御魔術なんてつかったら、私ぶっ壊れちゃいますよ」

 

「む。そうなのか!

いやでもエールもいるし出来るんじゃないか?」

 

 

 

カルテ様の言葉にマキア様は頭を押さえます。

 

カルテ様。

戦闘でもないのに癒し続けるのはおすすめできません。

特に魔法を使う人には。

 

 

 

「…エールがいるからこそです。

 

尽きない魔力に複雑な魔術の大量行使。

癒しの力はそれを可能にしてくれますが、その感覚は普通のモノではありません。

ずっと全力疾走しているようなものです。

 

感覚は狂っていきますし、全能感に満ちみちて…

端的に言えば廃人になっちゃいます」

 

「それはっ!ダメだなっ!!?」

 

「そうですよ!だからさせないでください!」

 

「むぅっ!?すまん…!!」

 

 

 

そうです。

戦闘時の興奮で紛れていますが。

通常から癒し続けてしまえば。

感覚は麻痺し。思考は通常のものではあり得ない方向へ傾き。

最後には廃人。

 

であれば良い方です。

自死なんて終わりも珍しくないみたいですからね。

 

 

 

「…だがこの魔鉱石で出来たこの洞窟を放置すれば、また魔獣が産まれる」

 

「そうなんですよ。だから困るんですぅ…」

 

「…いっそのこと壊すか?」

 

「壊すことが出来ても残った欠片や、変わった地形の後処理が…」

 

 

 

うーん。と皆様考えます。

 

ふと勇者様を見ます。

勇者様は洞窟を探検しているようです。

 

おや。

なにか見つけましたね。

 

なんですかソレ。

キノコ?

キノコですか。

食べるのですか。

食べられるのですか。

 

あ。戻した。

 

 

 

「結界で覆うのはどうですか?」

 

 

 

ゾル様がそう提案します。

 

 

 

「なるほど…!それなら出来るかも…!

ってゾルさんッなんですかその顔ぉ!ぷふっ!」

 

「気にしないでくだサイ…見ないでくだサイ…」

 

 

 

ゾル様。まだ涙うるうるのようです。

顔は普通なのに垂れ流しです。

 

 

 

「ぷぷっっ!また勇者さまに泣いちゃったんですかぁ?」

 

「…」

 

「えー!もっとこっち見せてくださいよ!

 

ふふっ、ゾルさんの勇者さま好きもここまでくると笑えますね。

 

ふふふッブフォッ」

 

「このくそアマァ」

 

「え~!?そんなこといっていいんですかー?

 

勇者さまー?見てください勇者さまー!

ゾルさんが泣いてますよー!」

 

「えー!なになに!!!どうしたのー!!!!?

 

傭兵泣いてんのー!!?

なんで泣いてんの傭兵!!?

 

転んだ!!?転んだの!??」

 

「あっあっ勇者サマ"!気にしないで!!!

なんでもない"です!!!なんでもないっすからァ"!!!?」

 

 

 

勇者様。マキア様の声にすぐこちらへやってきました。

勇者様。ゾル様転んで泣いてる訳ではありません。

勇者様に泣いてるんです。

ですからそんなに追いかけないであげてください。

 

 

 

「…マキア。あまりゾルをいじめてやるな」

 

「ふふっちょっとしたじゃれつきです。

飛竜よりは可愛いでしょ?」

 

「マキア…流石にゾルが可愛そうだぞ?」

 

「傭兵ー!!!大丈夫ー!!?

なんで逃げんのー!!!!!

えっちゃーん!!!癒したげてよー!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マキア様の少しのお茶目と。

勇者様とゾル様の追いかけっこの後。

マキア様は魔鉱石の洞窟へ結界を張りました。

勇者様の倒した魔獣は飛竜の群れに引き渡し。

飛竜も大木の森を去って行きました。

 

長かったような短かったような。

そんな1日がおわります。

 

勇者様を先頭に町へと走ります。

 

 

 

3ヶ月ぶりの旅路。

 

冒険。

 

会話。

 

 

 

ゾル様のこと。

笑えませんね。

 

だって私も涙がでそうです。

でも大丈夫。大丈夫。

 

 

 

「えっちゃーん!!!大丈夫ー!!!!?」

 

 

 

走った先にはパーティーの皆様が。

勇者様がいます。

 

 

 

「エール!

ゾルさんの泣き虫移っちゃいましたかー!」

 

「…マキア、またそんなことをいって。

…まったく」

 

「…このアマァ絶対泣かすかんな」

 

「エール!あとすこしだー!気張れー!!」

 

 

 

夕日が指した高原の道。

夕日を背にした皆様の顔は見えませんでした。

 

でも暖かなものです。

 

思い返せばわかった気がします。

 

 

 

皆様も。

 

皆様も。

 

おなじなのですね。

 

 

 

意地をはったカルテ様も。

無茶をしたマキア様も。

口数の多かったダン様も。ゾル様も。

 

 

 

僅かな雫がひとつおち。

 

3ヶ月ぶりのいつもどおり。

 

 

 

「えっちゃーん!!!町が見えたよー!!!

 

帰ろー!!!!!」

 

「はい、勇者様」

 

 

 

夢は覚めた。

 

やっとそう思えました。

 

 

 




勇者     洞窟でキノコをみつけた
       でもすぐ戻した
       だって食べれないもの

癒者 エール 勇者からの呼び名えっちゃん
       いつも最後尾の人
       夕日が眩しくて泣いた人

傭兵 ゾル  苦労人ニキ
       泣くのをやめるのをやめた
       聖女を泣かす計画を練り始める

弓兵 カルテ 勇者パーティーのリーダー
       聖女に言われて魔法を勉強するが
       文字が読めなくて挫折する
  
戦士 ダン  寡黙キャラな筋肉ムキムッキマン
       口数が多いのには理由があった

聖女 マキア あまり聖女しない聖女
       癒者と組めば最強?
       傭兵をいじるのは趣味
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