勇者が病んだ!   作:氷華枦

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勇者様は大人しい?

 

 

 

夕暮れの町。

空が夜になるすこし前。

町から少し離れた丘の上。

 

あとちょっとで町につきます。

 

走っては癒し。

走っては癒し。

その繰り返しにおわりが見えました。

 

 

 

「あら?やけに町が明るいですね」

 

「なに!!本当だ!!!んー…あれは」

 

 

 

町を見ると一際明るく賑わっているのがわかります。

なにかあったのでしょうか。

 

むむむと目を凝らします。

人が多く行き交っているようですね。

 

 

 

「どうですカルテさん?なにか見えましたか?」

 

「あれは祭りだ!!!祭りをやってるな!!!」

 

「…祭か。この時期にしては珍しいな」

 

 

 

なるほどお祭りをやっているのですね。

こんな遠くから見えるなんて。

さすが弓の名手。さすがカルテ様です。

 

 

 

「え!!祭!!?祭!!!

祭やってんの!!!??

やったー!!!祭りだー!!!!!」

 

「ちょっ!!勇者サマ!?

後少しなんですからみんなで行きましょうよ!!てはやっ!!!」

 

 

 

勇者様はカルテ様の言葉に町へと走り出してしまいました。

わー。はやい。

 

それについていくゾル様。

泣きながらの全力疾走。

ちょっと怖いです。

町の衛兵様に捕まらないといいのですが。

 

 

 

カルテ様に続き町へと足を進めます。

町に近づくにつれ。

賑やかな声に音楽。

美味しそうな香りも。

出店もでているのですね。

なんのお祭りでしょうか。

 

 

 

「この時期にお祭りなんて珍しいですね」

 

「…謝肉祭か?」

 

「信仰祭もありえるな!!なんであれ私達もはやくいこう!!」

 

「あっちょっと!おいてかないでカルテさーん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し走り。

町の入り口につきました。

入り口では衛兵様が見張りをしています。

 

 

 

「これはこれはカルテ様。ご帰還をお待ちしてました」

 

「ああ!いま帰ったぞ!!!」

 

 

 

カルテ様が衛兵様に依頼の報告をした後。

門をくぐり町の中へと入ります。

町の明るさに目が眩みます。

 

 

 

「賑わっていますね…!」

 

「ああ!これは良いな!!!すごいな!!!」

 

 

 

町の大通りを見ます。

賑わう人。笑う声。

 

飾り付けられた花々は明かりに照らされ。

出店は町の中央まで続いているようです。

 

キョロキョロと辺りを見渡していると。

出店の店主様がカルテ様に近づいて来ました。

 

 

 

「カルテ様ぁ!おかえりなさい!

これうちのエールでさ!よかったら呑んでくだせぇ!」

 

「む!いただこう!」

 

「ほら皆様の分もありますよ!

うちのエールは絶品だかんな!

ぜひ楽しんでください!」

 

 

 

そういってお酒を手渡されます。

おぉ。これは。おぉ。

 

 

 

「酒か…ゾル…上手くやってるといいが…」

 

「まあまあ、ゾルさんのことです。

ふふっ上手く勇者さまに泣きついてとめてますよ」

 

 

 

そうですよね。

わたしたちに手渡されたということは。

先にきた勇者様にもお酒を手渡された可能性が高いです。

ああゾル様。頑張って。

 

 

 

「いやしかし太っ腹だな!この祭は!

私たちにもお酒を振る舞うなんて!」

 

「どうせあのクソジジ…こほん。

町長さんの差し金でしょう。

 

お酒で懐柔しようたってそうはいきませんよ。

1日一回は嫌味をいってやります。

ハゲが増す呪いなんてのもいいですね。

ふふふふ」

 

「…陰湿なことを」

 

 

 

頂いたお酒を片手に町の中央へ。

勇者様とゾル様を探します。

 

しかし賑やかですね。

町の皆様は笑顔で。

先程からお酒やら食べ物やら花飾りやらなんやら。

いろいろといただきました。

 

おかげで手が一杯です。

前がほぼ見えないです。

 

依頼に出る前はお祭りの気配なんてなかったのに。

ほんと。なんのお祭りなんでしょう。

 

 

 

「なんだか私たちめっちゃ絡まれてません?」

 

「…確かにな」

 

「久々の勇者一行の帰りだからな!それじゃないのか?」

 

「それにしてもですよ!

 

さっきからすれ違う人すれ違う人に声をかけられますし。

エールなんて、頂き物で視界塞がっているんじゃないですか?」

 

「…エール大丈夫か」

 

 

 

ぎりぎり。ぎりぎりです。

人は上をみれれば歩けるものです。

 

皆様が前を歩いてくださるので。

人にぶつかって転ぶなんてことはないでしょう。

 

よたよたとですが歩けます。

そうやってしばらく歩きました。

 

町の中央まできたのでしょうか。

なんだか人際賑わっていますね。

 

 

 

「お!勇者がいたぞ!!!」

 

「あぁ、そうゆうことですか」

 

「…なるほどな」

 

 

 

 

どうやらカルテ様。

勇者様をみつけたみたいです。

 

勇者様の元気な笑う声。

それとゾル様の声も微かに聞こえた気がします。

 

マキア様もダン様も。

勇者様を見つけたのでしょうか。

 

 

 

「うぅ…ちょっと複雑ですが。

しょうがないですね。

本人が楽しんでいるんですから」

 

「…ああ、こんなのも悪くないんじゃないか?」

 

 

 

なんでしょう。

気になります。

皆様何が見えているのでしょう。

そう思いながらに足を進めます。

 

すると視界に花で出来たアーチが見えました。

そこにかかれた文字も。

 

 

 

『勇者復活祭』

 

 

 

ああ。なるほど。なるほど。

そうゆうことですか。

 

確かにマキア様のいった通り。

ちょっと複雑な気持ちです。

 

 

 

「あー!皆ー!!!やっときたー!!!

みてー!!!!!オレの復活祭だってー!!!!!

あははははは!!!!!おっかしー!!!あははははは!!!!!」

 

「勇者サマっ!!お酒は!!!お酒はほどほど!!!

ほどほどですよ!勇者サマ!!!」

 

「あはははは!!!!!やっぱこの町好きオレー!!!!!あははははは!!!!!」

 

 

 

勇者様の死んだという噂。

それを払拭するための祭。

そうゆうことですね。

 

なるほど。朝まで町が普通だったのに納得します。

声をかけられるのも。

沢山のいただきモノも。

 

 

 

「勇者ー!!!色々もらったんだー!!!

一緒にくうぞー!!!!!」

 

 

 

カルテ様が勇者様に声をかけます。

町の皆様が席を用意してくれていたみたいです。

 

祭は続きます。

陽気な歌。

太鼓に。笛に。弦の弾く音に。

町の皆様は踊ります。

皆様と町の皆様からいただいた食べ物を食べました。

 

勇者様がお酒しか口にしていなかったので。

隙をついてゾル様とカルテ様が食べ物を口に入れます。

 

またもぐもぐですね。

もぐもぐしてる時は大人しいんですね。

さっきまで町の皆様と踊ってはしゃいでたのに。

 

ちょっとおかしくて。

 

少し笑ってしまいます。

 

 

 

「はははっ!勇者!

 

それが飲み込めるまで酒は呑ませないぞ!」

 

「むぐ…むがご…」

 

 

 

そうやって賑やかに。和やかに。

 

勇者様の復活祭は執り行われました。

 

 

 





勇者     勇者復活祭に大笑い
       頂き物のもぐもぐタイムは
       5時間続いた

癒者 エール 勇者からの呼び名えっちゃん
       食べ物より小物を沢山もらった

傭兵 ゾル  苦労人ニキ
       パーティーが来るまで勇者を
       抑えてた人 酒は呑まれた

弓兵 カルテ 勇者パーティーのリーダー
       頂きものの食べ物を楽しんだ
       野菜より肉派
  
戦士 ダン  寡黙キャラな筋肉ムキムッキマン
       お酒を沢山呑んだから勇者に
       ちょっと羨まれてる

聖女 マキア あまり聖女しない聖女
       復活祭に思うところはあるが
       呑み込んで楽しんだ
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