勇者が病んだ!   作:氷華枦

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勇者様はのけ者?

 

 

 

「勇者様。勇者様。

おはようございます勇者様。朝ですよ」

 

「…おはよう…えっちゃん」

 

 

 

案ずるより産むが易し。

2度目は勇者様を簡単に目覚めさせることができました。

 

相も変わらず勇者様は近づいても揺すってもおきませんでした。

ですが癒しの力は正常に。

勇者様を目覚めさせることができました。

 

勇者様は。

またオレ寝てたの?…3ヶ月寝てたのに?

と懐疑的です。

 

そんな勇者様の手を引いて。

パーティーの皆様のもとへ向かいます。

おや。なんだか騒がしいですね。

わーわーと声が聞こえます。

 

 

 

「ふざけろし!冗談じゃないです!クソジジィ!!!」

 

「マキア!抑えろ!手を出したらダメだっ!」

 

「そうですよマキアさん!

腐ってもあんた聖女なんだから!

ご老人に殴りかからないでください!」

 

「ぶっころしてやる!!!」

 

 

 

あー。

もう少し寝ていた方が良かったかもしれません。

 

すごく厄介なことがおきているようです。

マキア様がキレてます。

お相手はこの町の町長様のようです。

 

マキア様はキレやすいです。

それに気分でキレたふりをすることもあります。

でも今回はマジギレといっても良いでしょう。

ゾル様が抑えてなければ町長様に襲いかかりそうな勢いです。

 

 

 

「ダンさん助けて!こんなかで1番力強いのあんたでしょ!?」

 

「…わかった。

マキアよ落ち着かないか…ッ!」

 

「ダンさん!止めないでください!

わたくし目の前のこのお方を殴って差し上げないと!!!」

 

「…駄目だッ!

聖女でなくとも、善良な民を傷つけてはいけない…ッ!」

 

「ぜ、善良ぅ~!?

どこが善良なもんですか!

こんな悪魔みたいな発想!

前から思っていましたが今回ばかりは許せません!!!」

 

 

 

これは。どうしましょう。

 

事情を聞くべきか。

勇者様を部屋に戻すべきか。

 

勇者様は寝起きです。

静かですから。少し寝ぼけているのでしょうか。

そんな勇者様を寝起き早々修羅場に投じるわけにはいきません。

 

よし。決めた。

決めました。

 

さあ勇者様。部屋に戻りましょう。

 

 

 

…いない

 

 

 

「あれ!!!町長じゃん!!!」

 

「これは…ッ!…勇者様、本当に目覚められたとは…!」

 

「なになになに!どうしたの!!!

聖女がめっちゃキレてるけど!!!

なんかあった???

それともオレたちがなんかしちゃった???」

 

「…いえ、勇者様。

無礼をしたのはこの町、この私です。

聖女マキア様の怒りは正しいものでした」

 

「えぇ!!?町長なにやらかしたの!!???

聖女があれだけ怒るとか相当だよ???

聖女の前で女神の悪口言ったってこんなに怒らないよ!!!」

 

「それは…勇者さ「だめだ!話すな!聞くな!!!」

 

「え!?リーダー!!?」

 

「勇者サマ!勇者サマ!!!

マキアさんと町長さんは俺たちでなんとかするんで!!!

 

ほら!エールとあっちで遊んでてください!!!

エールが勇者サマと遊びたそうに見てますよ!!!」

 

「傭兵なにいってんの!!!??」

 

 

 

ああ。神様。

勇者様を行かせてしまった無能をお許しください。

やはり面倒なことになりました。

 

勇者様。

どうかこちらに戻ってきて。

 

 

 

「さっき町長勇者が~って言ってたじゃん!!!

オレ関係者でしょ!!?のけ者やめて!!?」

 

「ダメです!勇者サマは8割笑って許すだろうけど、だからこそダメです!!!」

 

「オレが笑って許す聖女のキレることってなに!!!??

気になりすぎるんだけど!!!」

 

「ダメだ!勇者!勇者にこの話は聞かせん!!!

あっちでエールと遊んでなさい!!!」

 

「リーダーまでそれゆうの!!???」

 

 

 

いやだー!オレも話聞くー!!!

 

あのクソジジィを殴らせてください!

 

やめろマキア殴るな!

 

勇者!お前には聞かせられんのだ!!!

 

勇者サマいい子だからあっちいってて!

 

 

 

あああ。

激化しています。

 

ダン様はマキア様を取り押さえ。

カルテ様とゾル様は勇者様をあの場から引き剥がそうと必死です。

勇者様は全力で部屋の柱にしがみついてます。

 

発端の町長様は空気です。

わたしも部屋の入口で空気です。

 

 

 

勇者様。回収した方がいいですよね?

 

いつまでも空気でいるわけにはいきません。

 

勇者様を回収しに行かなければ…!

 

行きましょう!

 

私も戦地へ!

 

 

 

「勇者様…ッ!部屋に戻りましょう。

勇者様がここにいては話が進まないのです。

あとで皆様に聞けることを聞けばいいじゃないですか…ッ!」

 

「いやだ!!!いまここで知りたいぃいい!!!

気になる気になりすぎる!!!

オレは全てを知りたいんだあ!!!!!」

 

「勇者サマ勘弁してください!!!万が一にもこの話を聞いた勇者サマが傷付いたら俺たち立ち直れません!!!」

 

「大丈夫だって!!!オレなんでも笑えるよ!!!

勇者の次は旅芸人になる予定だから!!!

将来の夢はお笑い芸人だったからあ!!!!!」

 

 

 

勇者様。悪化していってます。

頑なに町長様のお話を聞きたいようです。

収集つかないです。

 

手がつけられません。

どうしましょう。

どうしましょう。

 

 

 

「~勇者様ッ!どうか私を…!!!!

私を一発殴ってください!!!」

 

 

 

ちょ、町長様…?

 

 

 

「え、オレそんな趣味ない!!!」

 

「いえ、勇者様。

この場を納めるには必要なことです。

勇者様。どうかこの老いぼれに一発お願いします…ッ!」

 

「んぇ!??オレ加減とかニガテなんだけど!!!

そもそも殴られるような悪いことしたのかどうかも聞いてないし!」

 

「いいんです!!!

こちらが無礼を働いたのです!!!

 

もう思いっきり!お願いします!

 

殴っていただけましたら全てお話しま「せいっ!!!」

 

 

 

ドガン!と。

 

音が。そして風が。

悲鳴は聞こえなかったです。

町長様。床に埋まってます。

気絶しています。

 

生きてはいるようです。奇跡です。

 

 

 

「よし!!!これでオレも話聞けるよね!!!!!」

 

 

 

勇者様。勇者様。

 

勇者様。早すぎます。

 

 

 




勇者     のけ者は嫌な勇者
       寝起き早々町長を仕留めた

癒者 エール 勇者からの呼び名えっちゃん
       勇者の参戦をとめられなかった

傭兵 ゾル  苦労人ニキ
       キレ散らかしてる聖女を抑えてた
       聖女の力が強すぎて困惑した

弓兵 カルテ 勇者パーティーのリーダー
       キレ散らかしてる聖女をとめた
       でも聖女がキレなかったら自分が
       キレてた
  
戦士 ダン  寡黙キャラな筋肉ムキムッキマン
       聖女の怪力に静かに引いた

聖女 マキア あまり聖女しない聖女
       とある理由でぶちギレてた
       意外と力がある
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